Sudio T2を手に入れたので、ファーストインプレッションをお届けします。今回のユニットはSudioから読者に誠実な印象を伝えることを条件に提供されました。
北欧発の人気完全ワイヤレスブランド「Sudio」とは?
「Sudio」は北欧スウェーデンのオーディオブランドで、そのブランド名は、「スウェーデン」と「オーディオ」に由来しています。
スウェーデン製品はIKEAに代表されるように、機能的でカラーリングや美的感覚に優れていることで知られています。この点は自ら「スウェーデンのオーディオブランド」を名乗る「Sudio」製品にも表れており、
- 華美な装飾を排したミニマルなデザイン
- 目に優しく環境に馴染む調和的なカラーリング
- シンプルな使いやすさを追求したインターフェース
などを特徴としています。
Sudio T2とは?
ブランドの代表的完全ワイヤレスイヤホン「Sudio Tolv」は調和的なパステルカラー、シンプルでありながら優雅で温かみのあるミニマルデザイン、機能的でわかりやすいエレガントな操作感、そして価格に見合うスペックとバランスの取れたサウンドデザインで好評を博しました。
今年、Sudioは2019年に発売されたこのベストセラーモデルに、アクティブノイズキャンセリングなど現在の完全ワイヤレスイヤホンが標準で備えるべき機能を追加しました。こうして、より洗練されたモデルとして「Sudio T2」が消費者に提案されることとなりました。Sudioがこの価格帯で高い満足度が得られるように作り上げた自信作です。
Sudio T2の製品コンセプト:
機能
- アクティブノイズキャンセリング機能
いつでもどこでも聴きたい音に集中できる - ビームフォーミングマイクロホン搭載
通話時に周りの環境音を抑え、必要な音声を的確に届ける - 急速充電
最新のType-Cに対応。10分の充電で2時間再生時間を確保 - パワフルなバッテリー
単体で7.5時間、ケース充電を含めて最大連続35時間 - 力強い低音と鮮やかでクリアな高音
パワフルなダイナミックドライバーで低域好きを満足させる低音を実現
デザイン
- 汗や雨しぶきにも強い防水仕様
ジムやランニング、突然の雨にも対応可能 - 北欧スウェーデンから生まれたこだわりのデザイン
ファッションにも合わせやすい、丸みを帯びた愛らしいデザイン - 1日中つけても疲れないイヤーチップ
XS~Lまで5種類のチップ付属で最適サイズが見つかる
汚れがつきにくい素材を採用、清潔感を保ち、音質の劣化も防ぐ - 操作が簡単なタッチパネル
イヤホン側面のタッチパネルで、楽曲選択やボリューム操作も可能
サウンドインプレッション
Sudio T2のサウンドは一聴して、かなり私を驚かせました。
それは同じ北欧のブランドであるJabraの、人気モデル「Jabra Elite 85t」に似たサウンドに聞こえましたが、全体的により均整が取れている印象を受けます。
Jabra Elite 85tのサウンドに対する私の不満点は、その中低域が少し膨張していて、不自然な雰囲気があり、中域の音像が少し窮屈に聞こえるところでした。
Sudio T2はElite 85tと同じように低域を少し強調したサウンドを提供しますが、その強調点がより深いため、重心はより低く、音の沈み込みが良いので中域が広く聞こえます。
それにより、ボーカルが聞き取りやすく、中域の音像がより自然で一貫性があります。その一方で、全体として明るく聞こえすぎない程度にウォーム感が調整されており、明瞭でありながら耳に優しいサウンドを実現しているようです。
中低域のあたりにグルーヴの強調感があるので、ニュートラルでありながら完全にモニター的ではなく、音像に揺れ幅があり、響きを作り出しています。
カプラーで測定してみると、かなりバランスが良いことがわかりました。中域上部の測定値に左右差が結構ありますが、これは複数回測定し直しても、HATSで測定しても再現するため、どうも私のユニットの固有の問題のようです。
以下はSudio T2のオーディオステータスです。BottomとGroundがしっかりしているため、EDMのようなサウンドに高い臨場感が感じられます。一方でBoomが抑えられているので、低域は膨らまず、引き締まって機敏であり、階層性はきれいに聞こえることが期待できます。良質な低域ですね。
最近の個人的なお気に入りナンバーであるハコニワリリィ「コガネゾラ」を聴いてみると、ドラムの引き締まりが良好で、キックのキレが良く、ディケイとリリースが機敏で、一点をしっかり押しています。リズムは明確で重量感があるのに、フットワークはむしろ軽く感じられる、良好なスピード感があります。Jabra Elite 85tではこのスポーティな感じは出せませんね。
ReoNa「Believer」を聴くと、歯擦音が強調されてサ行が少し強いのが気になりますが、良好なスピード感と中低域から中域下部でグルーヴが強調されたサウンドが、この勢いのあるロック曲の躍動感を存分に引き出します。
Sia「Big Girls Cry」は個人的な趣味から言えば最高に近いですね。低域に深みがあるので、黒いベースラインがしっかり聞こえますが、ランブルやサンプは適度にセーブされているので、音像にノイズ感がなく、低域は少しデジタルに聞こえます。この現代的な低域はEDMの雰囲気にふさわしいと言えます。高域で輝度が少し高く、若干金属感が強調されて聞こえる感じがある気がしますが、全体的な音の粒立ち感をはっきりさせる効果があるので、これもEDMファンにはポジティブに評価されるポイントだと思います。
タイトでフットワークの良い、リズム感に優れた低域はEDMやロックに磨きをかけるだけでなく、ワークアウト時に集中力を高めてくれる効果も期待できるので、アクティブノイズキャンセリング搭載の点や高い装着感も考慮すると、スポーツモデルとしても優秀です。フィットネスのお供に躍動感とキレ、そして重量感のあるサウンドを求めている人にとってはかなり魅力的な製品でしょう。
まとめ
Sudio T2のサウンドインプレッションは個人的になかなか素晴らしいものがあります。私はランブルとサンプがもう少し強い、もっと重低域によったサウンド(たとえばUGREEN Hitune X5)の方が最終的にはさらに好みですが、それでも低域の引き締まり感、力強さ、スピード感の良さはとても魅力的です。少なくともサウンド面ではJabra Elite 85tよりはT2を選びますね。
そして全体的なバランスもよく、現代的なロックやEDMと相性の良い、都会的で洗練されたサウンドをグルーヴ感を適度に強調しつつ心地よく聞かせてくれます。今回検証したサウンド面に限れば、かなり高いチューニングセンスを感じました。
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