TRI Starlight 4 Electrostatic Driver Units+2BA+1DD In Ear Earphone Flagship IEMs
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「価格の割にはやや簡素なパッケージかも知れません」
- 【3】音質「本当に星屑が輝くような煌めきの強い繊細なサウンドを持っています」
- 【4】概括
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」
ASIN | |
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amazon登録なし |
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スペック・評価 | |
再生周波数帯域 |
20hz-23khz |
インピーダンス | 14Ω |
感度 | 102dB |
ドライバー |
静電型ドライバーユニット×4/バランスドアーマチュアドライバー×2/カーボンナノチューブドライバー×1 |
装着感は良好です。筐体は丸みがあり、耳にきれいに収まります。遮音性も良好です。
テスト環境
今回のファーストインプレッションのテストはFiiO M15を使って行っています。
【2】外観・インターフェース・付属品「価格の割にはやや簡素なパッケージかも知れません」
付属品はイヤーピースの替え、キャリイングケースです。
【3】音質「本当に星屑が輝くような煌めきの強い繊細なサウンドを持っています」
周波数特性イメージ
下は自由音場補正済みです。
※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます。
※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
ファーストインプレッション
今回は標準イヤピの中で、白のシリコンMサイズを使ってファーストインプレッションを確認します。
非常に繊細だが、やや薄く、ボーカルはハスキーになりやすくかすれやすい(AKINO×AKINO「月明かりのMonologue」)
アコースティックギターの旋律は非常に繊細で、粒立ちが信じられないほどきれいだと思うかも知れません。ただバイオリンの音は厚みが足らず、かなり細くて筋立ちが強くてヒステリックに聞こえやすいのは好みを分けるかも知れません。
ボーカル周りの清潔度は高く、音量が小さめでもボーカルははっきりと聞こえると思います。ただボディは薄く、少しハスキーで、もしかすると全体的にかすれているように思えるかも知れません。低域は深く、ワイドレンジ感は感じられますが、音に充実感がなく、中域付近はかなりスカスカしているように聞こえるでしょう。
高域方向に少し音が引っ張られていくような、不自然な印象を受けるかも知れません。
シャープでクリア、スピード感のあるロックサウンド(鈴木克崇「 決戦 FFRK Ver. arrange from FFVI」)
ベース音に深みがあり、この曲では暖かみを感じます。ハイハットは繊細で、スネアはスナッピーが聴いており、スピード感が感じられます。いわゆるメタル系のスピード感のあるロックを聴きたい場合、このイヤホンはかなり魅力的に感じられると思います。エレキギターのエッジも細かく、ディストーションは少し派手に歪み、明るく楽しく聞こえます。
ただし、重厚感はあまりなく、音は全体的にやや細身です。
軽快なリズム、明るい透明感(fhána「ユーレカ」)
高域のリズムラインはかなり繊細に分解される印象があり、管楽器もかなり倍音が響いている感覚が出ると思います。ボーカルはちょっと細身で子音の強調があり、ハスキーで上に少しヒステリックに伸びて聞こえるかも知れません。ボーカルは少し後退していますが、ボーカルの本体はわりと理性的でナチュラルでボディも少し感じられるので、それほど過酷ではないかもしれませんが、やはり少しギスギスしている気がします。
中高域はわりと落ち着いているので、ピーク感は見た目の明るさほどたいしたことないかも知れないですが、それでもやはり子音が尖ったりギスギスするような感じはあるかも知れないので、落ち着きがないと感じるかも知れません。
勢いのある繊細サウンド(富田美憂「Present Moment」)
この曲ではボーカルの子音がヒスりやすい気がします。中域で清潔で上に音が抜けていく上昇感が強い音場になっています。スネアのリズムは軽快でスピード感があり、弦楽はややヒステリックに聞こえます。音場はドライで潤い感はあまり感じられません。聞き慣れてくるとそれなりに落ち着くものの、やはり少しギスギスしている雰囲気がある気がします。
ただ静電型らしい粒立ちの良さはあって、そうした繊細さを重視するリスナーには歓迎されると思います。
twitterレビュー
そういや突然思い出したけど、Tri Starlightとかいうイヤホン、まじでStarlightしてて個人的に微妙だったわ。 pic.twitter.com/3fyLTwweOF
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
これまでのTriのウォームな雰囲気を期待してると、たぶん相当裏切られたと感じるかもしれないほど、わりとギラつきの強い音で、たぶん高域はEST4基搭載している割に落ち着いてて、かなり繊細なんだけど、音はだいぶピーキーに感じる。
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
わりと音楽が細切れに聞こえやすくて、だいぶシャープに振ったかなって感じで、ブライトサウンドが好きならいいかもしれないけど、少なくとも既存のi3とi4聴いてるユーザーからすると、音の方向性だいぶ変わっててビビるかも
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
わりと音楽が細切れに聞こえやすくて、だいぶシャープに振ったかなって感じで、ブライトサウンドが好きならいいかもしれないけど、少なくとも既存のi3とi4聴いてるユーザーからすると、音の方向性だいぶ変わっててビビるかも
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
まあもっと聴いてみないとエージングで落ち着くってこともあるかもしれないからわからないけど、いまのところ聴き疲れしやすくて安心して聞けるってサウンドではないかな。
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
ただ高域繊細シャキシャキって音が好きなら、かなり気持ちよく聞かせてくれるやつって思うかもしれないし、真空管とは相性いいかもしれない。
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
まあ仕事終わったからこれからこの機種のインプレッションを書く予定です。
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
EST4つも載っけてんのに、商品ページにこの変なグラフ載ってたときからおかしいおかしいとは思ってたけど、やっぱこれEST以外の部分のグラフだったわ pic.twitter.com/heReFd8iB2
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
ほんとのリアルプロダクトカーブはこのカーブの高域部分にさらにESTがガッチガチに載ってる感じの音がして、カーブもガッチガチw
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) June 10, 2020
【4】概括
Tri i3やTri i4のウォームなサウンドが好きな人にとって、別方向の分析的なサウンドになっていて、その極端な音質傾向の変更にわりと驚くかも知れません。Triの現行のフラグシップモデルになりますが、これまでのTriの音とは明らかに異質です。かなり分解能を重視した静電型をこれでもかと使ったブライトサウンドは好みを分けそうでもあります。
なお、この記事の執筆後に意見が少し変わりました
TRI Starlight 4 Electrostatic Driver Units+2BA+1DD In Ear Earphone Flagship IEMs
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