FiiO M17の国内販売が開始されました。
FiiOはいまや世界で最も人気があり、高く評価されているデジタルオーディオプレーヤー(DAP)メーカーとなっています。DAPの分野において、今年はFiiOが話題を独占した年と言っても過言ではありません。
M11 Plusの大成功とともに始まった今年のFiiO
今年のはじめにFiiO M17の開発が明らかになったのち、FiiOはミドルハイエンドグレードのM11 ProをアップグレードしたM11 Plusをリリースしましたが、たちまちのうちに完売しました。伝説的なDAPであるFiiO M15の前に発売されたM11 Proを最新スペックでアップグレードしたM11 Plusはいわば、M17がどこまで完成されるかの試金石のようなものでしたが、リリースされた製品はM11シリーズの最高峰にふさわしいもので、市場から大きな称賛とともに迎えられました。
M11 PlusがM11 Proを完全に凌駕し、ミドルグレードに君臨するにふさわしいDAPだということが明らかになったとき人々の注目は、予告されていたFiiO M17が現行王者として名声をほしいままにしているM15をどれだけ超えるのかということに向くこととなります。
モンスターポータブルプレーヤー「M17」
FiiO M15は最高のポータブルオーディオプレーヤーとしての地位を不動のものとしています。携行性に優れたサイズ感とどんなヘッドホンも駆動できる駆動力を持つ抜群のアンプ部、そして伝説的なWalkmanに近いハンドルのしやすさを考慮したデザインによって多くの人を感動させました。
しかしFiiO M17のコンセプトはM15とは異なります。M17は「持ち運べるデスクトップオーディオ」を目指したものであり、ポータブルに最適化した設計をするのではなく、デスクトップレベルの音をいかにポータブルに落とし込むかという発想の転換が行われています。これはA&K KANN CUBEやiBasso DX220MAX/300MAXといった機種と同じ発想に基づいています。FiiOがM17で目指したのはポータブルとデスクトップの両方で使えるオールインワンモデルです。
M17はM15とどう異なるのか
M17はデスクトップレベルのサウンドにこだわるハイエンドオーディオユーザー、コアオーディオファン層に向けたポータブルプレーヤーです。ポータブルに特化した設計で最高峰であったM15とは異なり、M17はデスクトップレベルのサウンドを妥協せずに持ち運べるサイズに収めることを狙っており、パフォーマンスを重視しています。
つまりM15はデザインで持ちやすさや比較的長大なバッテリー駆動時間など、携帯プレーヤーとしての使いやすさが最大限考慮されていましたが、M17はその資源をほとんど音質に振り分けており、可能であればユーザーがDC入力で音を聴くことが推奨される、デスクトップ寄りの製品です。
入力と出力の端子を見てみても6.35mmヘッドホン出力や同軸デジタルなど、据え置き機としての使用が意識された構成になっており、据え置きHDDなどとの連携を考えたデータ専用のUSB端子を独立で備えているなど、ポータブル性を犠牲にしても据え置きとしての使い勝手を重視し、デスクトップオーディオチェーンの枢要を占めるのに十分なインターフェース設計がされていることがわかります。
M15は「オールインワンのポータブルミュージックプレーヤー」ですが、M17はポータブルとデスクトップ両方でオールインワンの環境を実現する、「持ち運べるデスクトッププレーヤー」として設計されています。この差は、M15が主に外出先での快適な利用を考えているのに対し、M17は外出先での利用のみならず家でじっくりと楽しむ場面でも最高のオーディオ体験をもたらすことを目指して設計されており、ポータブル時の快適性という点ではM15ほど最適化されていないということです。その資源のほぼ全てが音質のために最適化されているのです。
いよいよ国内販売開始
FiiO M17 は国内販売価格¥242,000(税込)程度でプレオーダーが開始されました。発売日は12/10になります。
【関連記事】