- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
- 【関連記事】
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる機種はnewspring NSE1000-Aです。
newspringは日特(NITTOKU)のオーディオブランドです。日特は35年以上にわたり、日本のオーディオブランドのOEM/ODMを手掛けてきた日本のオーディオ界の縁の下の力持ちです。
その日特が自社ブランドとしてオーディオ事業に参加した第一号がnewspring NSE1000シリーズになります。NSE1000はいくつかの素材違いでリリースされていますが、Newspring NSE1000-Aはハウジングにアルミ合金を採用したバリエーションモデルになります。
なおこのレビューはONZO様の素晴らしいサービスを利用して作成されました。感謝とともにONZO様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
ONZO様のサービスについて興味がある方は以下をご参照下さい。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Recommended」として、比較的多数の人にとって買って損がないオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 周波数特性:5Hz~66000Hz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:105dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
ONZOのレンタルバージョンなので、正規版とはパッケージ内容が違う可能性があります。パッケージは10万円以上という価格を考えると、決してチープとは言えませんが、意外と味気ないです。独特な付属品としてmmcx取り外し器がついているのは面白いです。
イヤホン本体のビルドクオリティは悪くないですが、デザインが保守的で、あまり面白みを感じません。10万円以上もするイヤホンのくせして、付属ケーブルのタッチノイズがひどいのもなかなか幻滅させてくれます。いいケーブルなのかもしれませんが、イライラするのでリケーブルした方がいいでしょう。
装着サンプル
耳への収まりは良く、遮音性も良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピースS装着時]左右別
- [標準イヤーピースS装着時]左右平均
- [標準イヤーピースS装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピースS装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
全体を見ると典型的なV字ドンシャリのようです。
率直に言って、このイヤホン、私は聞いてもつまんなかったです。15万円以上もするイヤホンなので、そりゃ音はきれいですけど、周波数特性を見てもわかりますが、このイヤホンにはチューニングしたサウンドデザイナーの欲望みたいなものがほとんど感じられません。むしろ欲望を抑制しているのがこのイヤホンの特徴なのかもしれませんが、そんなただの「いい音」を聞かせるだけのイヤホンなら5万円くらいで十分なわけで、10万以上するイヤホンというのはそれでなくては味わえないサウンドというものを持ってないと個人的には魅力を感じません。
たとえば私が感動した音というと、JVC HA-WM90ですが、その周波数特性はだいたい下のようになっています。
このヘッドホンは全体を見ればまあ、NSE1000-Aと同じドンシャリなうえ、音域のバランスも似ているのでわりと似たような感じで音が聞こえますが、特徴的な低域をはじめ、Victorスタジオのサウンドっぽさを感じさせるために細かなチューニングが施されているのでNSE1000-Aのつまんない音に比べて、はるかに生き生きした音がします。こういう音はHA-WM90以外ではまず味わえないので、同じドンシャリでも個性的で、はるかに魅力的に思えます。
最近はるかに低価格でHA-WM90と同じようなチューニングをしているAKIKI A3という完全ワイヤレスイヤホンがあって、個人的にかなり驚いたのですが、こういう周波数特性を見ると、チューニングしている人の「音に対する欲望」というのが如実に表れていて非常に興味深く、音も非常に楽しく、面白いです。あくまで個人的にはですが、このNSE1000なんちゃらよりAKIKI A3のほうがはるかに楽しめ、飽きが来ないですよ、私はね。
個人的にはこのイヤホンの音はきれいですが、面白くもなんともなくてすぐ飽きてしまい、はるかに安いQoA Pink Ladyのほうがはるかに飽きずに音楽を聞きこめます。
とにかくピーク感もわりと丁寧に絞っていて、解像度も高く、悪い音ではないのですが、個人的にすごくつまらない音です。この音のどこが好きでサウンドデザイナーはこういうチューニングしたのか私にはよくわからないですね。とても保守的な優等生のドンシャリサウンドがします。私は元々イヤホンに5万円以上出すつもりがほとんどないタイプなので特殊な意見かもしれませんが、ちょっと音がいいくらいで10万円以上なんて価格設定は普通に高すぎますし、その感覚はおかしい。このブランドに必要なのは、「もっとこういう音が聞きたい」というような貪欲さです。newspringがこの音で消費者が納得して10万円をほいほい払うと思ってるなら、個人的にはその感覚、どうなんだろなと思います。
これ買うなら、TAGO T3-02をまず検討した方がいいです。個人的には百倍マシ。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはJVCスパイラルドット++ MSサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
典型的なV字ドンシャリを高解像度で聴きたいなら悪くない選択肢ですが、これに10万以上出す意味って何なんだろうかってイヤホンです。個人的にはこれでなくちゃ聞けない音って面白みがなく、没個性的な音で、チューニングの妙味みたいなものが全く感じられません。率直に言って、なんでこんなイヤホン出したのか謎。
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