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【フォトレビュー】BQEYZ Spring 2:その滑らかで美しい金属筐体から鳴るのは、スムーズでのびやかなサウンド

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BQEYZ Spring 2

BQEYZ Spring 2

 

 

BQEYZについて

 BQEYZは、中国広東省東莞市を拠点とするIEMメーカーです。このブランドの歴史はまだ新しく、2018年から自社ブランドIEMとしてK1KB1K2KC2BQ3をリリースし始めました。しかし、BQEYZの開発陣は過去20年間、より大きなブランドでイヤホンやヘッドホンの開発・製造に関わってきたチームであるとされており、実際その製品のビルドクオリティとサウンドチューニングの確かさは、このメーカーが熟練したイヤホンビルダーであることを十分に感じさせます。

 

 BQEYZ Spring 2はBQEYZの大ヒット中華イヤホン BEQYZ Spring 1 のリニューアルモデルです。このシリーズのイヤホンの肝であるピエゾドライバーはSpring 1の7層からSpring 2では9層に増えており、サウンドも調整されました。

 

BQEYZ Spring 2

 

シンプルだが高級感のあるパッケージ

 BQEYZ Spring 2のパッケージはシンプルですが、高級感があります。パッケージカバーには2のアラビア数字にSpringの美しい筆記文字が組み合わされ、その背景にはSと2がまじりあったような流麗なシェイプがデザインされています。このカバーデザインはSpring 2本体の金属的でありながら滑らかなフォルムと、その流れるような一貫性のあるサウンドを思い起こすとき、よくマッチしているように思われます。

 

BQEYZ Spring 2
BQEYZ Spring 2
BQEYZ Spring 2


 BQEYZ Spring 1の開梱体験は決して凝った感じではありませんが、1万円台のイヤホンとしては十分です。カバーを取り出すと出てくるシックな黒色のボックスは頑丈な作りで、指で叩けば確かな反発を感じる厚みがあります。

 付属品は低反発フォームタイプを含め3種類のイヤーピースと立派なキャリイングケースがついており、この価格帯では標準以上で全く不足感がありません。

 

BQEYZ Spring 2

 

精巧で頑強なビルド

 BQEYZ Spring 2のビルドクオリティは1万円台のイヤホンでは最上級クラスといえるかもしれません。ケーブルはコネクタデザインに適度な凹みが設けられており、イヤホンコネクタ側もエンドプラグ側も指で引き抜きやすいようになっています。ケーブルは滑りがよくなるようにビニールコーティングされており、絡まりにくくなっています。

 CNCアルミニウムで構築されたイヤーシェルは頑丈でありながら軽量で、滑らかなデザインによって耳によく収まります。ビルドクオリティの質はこの価格帯で十分以上に満足できる水準を誇っています。

 

BQEYZ Spring 2

 

装着サンプル
BQEYZ Spring 2
BQEYZ Spring 2
BQEYZ Spring 2

 

音質

 BQEYZ Spring 2はリラックスした低域と、自然にのびていく高域が組み合わされた、ピークの少ないマイルドでシームレスなサウンドを実現しています。ピエゾドライバーの高域は独特の引き締まった質感があり、すっきりしていて、ゆるやかなサウンドの終端に非常に細かい透明感のある音の粒立ちを感じさせ、一般に音楽の後味を爽快なものにします。今回は豊潤さとシャープさを兼ね備えた独特のみずみずしいサウンドを持つHiby R6 Proと組み合わせてみました。

www.ear-phone-review.com

 

ディアブレイブ

ディアブレイブ

 

 リラックスした雰囲気のBQEYZ Spring 2の低域にR6 Proの低域を組み合わせると、そこには、中域以上の音楽を生み出す苗床のように栄養分の感じられる厚みと温かみが生まれます。この苗床から生まれる甘いサウンドは生命力に満ちてパワフルですが、一方でふんわかと穏やかで、どことなくスモーキーな雰囲気を感じさせるので、たとえば鹿乃さんのようなふっくらした甘みのある声質に似つかわしく思えます。というわけで、鹿乃「ディアブレイブ」を聞いてみたくなります。

 低域は温度感があり、人肌よりもう少しあったかい温度が中域に感じられます。そのほんわかとした空気感のおかげで鹿乃さんの暖かなボイスはほっこりとしていて、吐息も甘く、朝もやの中で音楽が演奏されているような雰囲気で、どことなくぼんやりしていてノスタルジックです。中域上部はみずみずしく、シンバルの音やピアノ音、ギターのエッジには水気が感じられ、なめらかで艶が感じられます。サビでもボーカルには十分にボディがあり、ふくよかさは最後まで失われませんので、子音に尖りはなく、息だけが少し高くふーっと抜ける、どこかアンニュイな儚さのある、しかし軸はわりとしっかりしているので芯の強さのあるボイシングがとてもコケティッシュです。

 ボーカルの上は十分に静寂感があり、甘いボーカルはインストゥルメントにほどよく包まれていて孤立していませんが、楽器音との混濁はありません。音の輪郭は丁寧にふんわりと強調されないようになっており、非常に穂先の細かいシルキーな高域までピーク感のない、スムーズでなめらかなサウンドが実現されていて、音色はとても人間的に聞こえます。実際のところ、ピアノ音をはじめ中域音ははっきりしていて解像感は高いですが、決してその解像度の高さをひけらかさないようにエッジの手掛かりは丁寧に丸め込まれているので、音が上から下までシームレスです。

 ここで気づいたことがあります。普段聞いているBQEYZ Spring 2の音はもっと高域がはっきりしていた気がするのですが、最近メインで使っているFiiO M15に比べて、Hiby R6 Proとの組み合わせは音の硬さが抜けて、Spring 2の音がより滑らかになり、甘く聞こえます。この滑らかで甘い感じは思わぬ発見でしたが、わりと癖になりそうです。

 

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BQEYZ Spring 2の周波数測定グラフ(右は自由音場補正済み)

 

BQEYZ Spring 2

 

BQEYZ Spring 2の技術仕様

  • トリプルドライバーハイブリッドセットアップ(13mm ダイナミックドライバーユニット×1、9層ピエゾドライバーユニット×1、バランスドアーマチュアユニット×1)

  • インピーダンス:32Ω

  • 感度:110dB

  • 周波数応答範囲:7Hz-40kHz

  • 5軸以上のCNC機械加工アルミニウムイヤーシェル(2色から選べます)

  •  2.5mm/3.5mm/4.4mmのエンドプラグから選べる4ストランド単結晶銅ケーブル

  •  ケーブル長:1.2m

 

まとめ

 BQEYZ Spring 2は自然でリラックスした低域、明瞭感と滑らかさのある中域、ピークが少なく透明で繊細な穂先の高い抜けを持つ高域を共存させたバランスの良いイヤホンです。ビルドクオリティは非常に優秀で、パッケージングも不満がなく、1万円台のイヤホンとしては完成度が高い仕上がりになっています。スムーズでストレスのない、のびやかで自然な艶のあるサウンドを求めているなら、BQEYZ Spring 2を検討してみてもいいのではないでしょうか。

 

BQEYZ Spring 2

BQEYZ Spring 2

BQEYZ Spring 2 New Tri-brid In-Ear Monitor IEMs Earphone

 

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