免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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こんな人におすすめ
- たくさんアンプやDAPを持っているほどのオーディオ好き
- 1つのイヤホンでいろんな音を楽しみたい
- リケーブルで本当の音の変化を味わいたい
Audiosense DT300の概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Audiosense DT300」です。
Audiosense DT300の完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- ドライバー:3BA
- 周波数特性:20Hz~22kHz
- インピーダンス:11Ω
- 感度:106±3dB/mW
- ケーブルコネクタ:MMCX
- 価格帯:10000円~20000円
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
パッケージ
Audiosenseのパッケージングは価格帯では標準以上です。
ペリカンケースに多くの付属品が入っています。2万円近い製品にしてはケーブルクオリティが少しチープに思いますが、概ね悪くないでしょう。
パッケージ内容
付属品は比較的揃っています。イヤーピースは十分あります。
- イヤホン本体
- 3種類9ペアのシリコンイヤーピース
- 3ペアのフォームイヤーチップ
- クリーニングツール
- ペリカンケース
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは悪くありません。フェイスプレートも透明度が高く、きれいですね。
装着サンプル
耳への収まりは比較的良好です。装着感は良いでしょう。
音質
今回は標準イヤピの中で、黒傘のLサイズを使い、Antelope Audio Amariで出力インピーダンス27.9Ω設定で駆動してレビューします。
Audiosense DT300は出力インピーダンスが0Ωに近いデジタルオーディオプレーヤーや高品質なアンプで駆動することは推奨されません。0Ω時の出力はウォームで滑らかですが、鮮明感に欠け、全体的に音が鈍く聞こえます。出力インピーダンスは5Ω以上の機種を選ぶことが推奨されます。当ブログでは測定値を元に評価スキームで詳しく判定した結果、DT300については30Ω前後の出力インピーダンスで駆動することを推奨します。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:A+
Audiosense DT300は個性派揃いのAudiosenseらしい製品です。
まず、それはアンプやリケーブルによって音質が変わりやすい傾向があり、しかもデジタルオーディオプレーヤーや高品質なアンプで駆動するとあまり良い音を出しません。デジタルオーディオプレーヤーで聴くより、スマホやiPhoneで聴いたほうが音が良い気がする可能性さえあります。
一方で出力インピーダンス30Ω程度で適切に駆動したDT300はサウンドバランスが良好なだけでなく、ノスタルジックで甘みのあるウォームで聞き心地の良い、幻想的で風雅な音を聴かせます。
そこからさらに負荷をかけると、今度はレンジ感が広がりますが、高域はきつくなりすぎる可能性があります。
つなぐ機器によって音質変化し、聞かせるサウンドが変わる玄人好みのイヤホンで、駆動について知識があるオーディオマニアほど夢中にさせられるイヤホンでしょう。
音質的な特徴
美点
- 適切に駆動すれば良質なサウンドバランス
- 中域への適切なフォーカス
- 落ち着いて上品な雰囲気
- 充実感のあるサウンド
- 聴き心地が安定している
- ノスタルジックなサウンド
欠点
- 低いイメージング能力
- クリア感に欠ける
- 輪郭感が緩い
- 構築感に欠ける
- 玄人向き
総評
Audiosense DT300はケーブルやアンプによって音が変化する、まさに本物のオーディオマニア向きのイヤホンです。もちろんスマホやデジタルオーディオプレーヤーで聴いてもそれなりに悪くない音かもしれませんが、駆動を工夫するとノスタルジックでバランスの良い、美しいサウンドを奏でてくれます。それはAudiosenseのブランド史上最上級に近い可能性がありますが、問題はそのサウンドを聞くのに多少の苦労が必要だということです。ただ、これ一つで様々なサウンドが楽しめ、そのどれもが悪くないサウンドなので、イヤホンマニアほど手に入れておきたいアイテムでしょう。
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