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こんな人におすすめ
- 解像度の高いサウンドが好き
- バランスド・アーマチュアのドライな音が好き
- 繊細な表現が好き
Fidue Gem4の概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Fidue Gem4」です。
Fidue Gem4の完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:10Hz~40kHz
- インピーダンス:50Ω
- 感度:112dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:50000円~100000円
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- イヤホン本体
- キャリイングケース
- イヤーピース(2種類)
- 3.5mm⇔6.35mmアダプタ
- クリーニングツール
- 航空機用アダプタ
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは価格の標準を十分満たしています。ただ、最近の中華イヤホンは1万円台ですら美しいデザインのものが多いので、あんまり驚きがありません。
装着サンプル
装着感はかなり良好ですが、少しステムが長いので、耳が小さい人には収まりづらいかもしれません。
音質
Fidue Gem4は独自の技術で解像度を高めたと主張していますが、たしかにそのサウンドは非常に高解像でくっきりと音楽を聴かせます。
全体のチューニングは原音忠実度が高めになっており、スタジオチューニングライクなドンシャリサウンドと言えるもので、中域を引っ込めて立体感を強調しています。中低域以下も少し強調されており、ややアグレッシブで派手に聞こえやすい音です。明るくはっきりと聞こえる音が好きなら悪くありませんが、癖が強いので好き嫌いはあるかもしれません。
また解像度を高めたせいか、バランスド・アーマチュアドライバー特有の歪みの多さが素直にサウンドに反映されており、はっきり聞こえる中域から中高域で歪が強く出るため、ボーカル帯域の表現に違和感を感じることが多いかもしれません。
今回は標準イヤーチップ(バランス) Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B-
全体の原音忠実度が高めで、何より解像度に優れているため、解像度重視のオーディオファンをかなり満足させる逸品です。ただし、そのサウンドは典型的なバランスド・アーマチュアっぽい音で、歪みが多く、ドライに聞こえがちです。
ニュートラルチューニングや原音忠実的なフラットサウンドを愛するオーディオマニアからしても、中域で奇妙に空間がねじ曲がったように聞こえやすいサウンドは好まれないでしょう。ボーカル帯域に弱点があるため、一般にボ-カル音像に特にこだわりを持ちやすいオーディオマニアを満足させるのは難しいと思われます。
一般的にアグレッシブに聞こえやすいのも人を選ぶところです。華やかなサウンドが好きな人には一定程度好まれるかもしれませんが、もともとアグレッシブな曲はギャンギャンガチャガチャして聞こえやすいので、音楽に落ち着いた雰囲気を求める人には全く合わないと思われます。どんな音楽を聞いても妙に押しが強い感じが拭えないでしょう。
わりと癖が強いイヤホンですが、解像度の高さは他にない魅力で、これで聴くChoucho「木漏れ日色の記憶」は繊細で美しく、個人的にうっとりしましたね。
音質的な特徴
美点
- 全体的な明瞭度が高く、解像度に優れる
- アグレッシブで楽しいサウンド
- 全体の原音忠実度がそこそこ高い
- 華やかで派手
- 強調されたダイナミズム
欠点
- バランスド・アーマチュアっぽいドライで人工的な音
- 深みのない低域
- 付帯音が多く、平面的に聞こえる中域
- 奥まって暗い中域
- 場合によって聞き疲れしやすい
- 充実感に欠け、安っぽく聞こえやすい音
総評
Fidue Gem4は非常に高解像なサウンドを実現しており、くっきりした音が好きな人に感動を与えることができるイヤホンです。しかし、そのサウンドはややアグレッシブすぎ、バランスド・アーマチュアっぽい歪の多さもあって、透明度が高いとは言いづらいものです。
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