- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにFloAudioから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.5/10.0
こんな人におすすめ
- 耳当たりの良い音が好き
- 重厚感重視
- シックで暗い、落ち着いた音が好き
- コスパ重視
FloAudio CALLAの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「FloAudio CALLA」です。
FloAudio CALLAの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 再生周波数:20-22000Hz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:106dB
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
FloAudio CALLAの特徴
- カスタマイズされた1DD
- ファインチューニング
- 3Dエルゴノミックデザイン
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。紙製のパッケージで処分しやすいですね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- 説明書
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。プラスチッキーなのは価格なりなところです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
FloAudio CALLAは低域を強調したV字型のサウンドバランスになっています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
FloAudio CALLAの低域はかなり深くまでほとんど直線的に拡張されており、歪みも少なく、見通し感に優れています。
重低域のランブルもかなりしっかりと描写することができるため、それはベースヘッド(低域好き)を相当程度満足させることができます。
ドラムキックは十分なインパクトがあり、エレキベースの黒さも音楽全体のコントラストの起点になることができるほど引き締まっており、それでいて中域を暗くさせすぎるほどには強すぎません。
中域
中域は少し奥で聞こえる位置関係になっており、やや前方定位的に定位します。
少し解像度が抑えられており、透明度ではやや物足りませんが、温かみがあり、聞き心地が良く、ぎらつきがほどよく抑えられた上品な聞こえ方をします。
音源との間に少し空間の感じられる雰囲気をうまく出しており、鑑賞しやすい距離感で快適なリスニングができます。ボーカルは子音の尖りやサ行の刺さりとはほぼ無縁で、少し空間に溶け込むように輪郭がやや滲んで聞こえますが、そのはっきりさせすぎない表現が心地よいバランスでなかなかに秀逸です。
それでいてTonality(調性)が狂って聞こえない範囲にとどめるように質感と立体感を丁寧に再現しながら、明度をうまくセーブしています。
この中域は個人的にはかなり感心させられました。
高域
FloAudio CALLAの高域もかなり上質でうまく調整されています。
低域がやや強めなのと、中域のやや不足しがちな明度を補うほぼ最適な位置近くに輝度が調整されています。そのため、全体的にやや暗く、中域の透明度も抑えめであるにも関わらず、相対的に優秀なディテール再現能力があります。とはいえ、好みと聴く曲にもよりますが、繊細さに不足感は少しあるかもしれません。
ボーカルのボディはややふっくらしており、嫋やかで輪郭も少しぼんやりして耳当たりが良いのに、ボーカルの子音や息遣いははっきりと聞こえ、ニュアンスの表現がわりと細やかです。
ハイハットの粒やバイオリンの穂先もややぎらつき感が弱めで透明に近いものの、比較的はっきりと際立つので、ダイナミズムも悪くありません。
ただし、高域の拡張性は少し物足りませんね。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:S-
- 個人的な好み:S+
FloAudio CALLAはこの価格帯でかなりよくできたリスニングイヤホンです。それはハイエンドでも稀なほど低歪で、中域の質感も正確です。しかし、同じ価格帯のTripowin LeaやMoondrop CHU、7Hz Salnotes ZERO、Tripowin Meleといったライバルたちとは異なり、より快適なリスニングに焦点が当てられており、それらと異なって中域の再現度を重視していません。
むしろCALLAは音楽を快適に聞くムードをうまく作り出すイヤホンです。それでいてCALLAはリスニングモデルにありがちな低解像サウンドやウォーム感を強調しすぎるモデルでは決してなく、全体では価格の水準以上の解像度を維持し、総合的にはハイエンドに遜色ない水準を実現しています。
低価格でハイエンド並みのオーディオスペックを持ちながら、上品でメロウなサウンドを聞かせるリスニングモデルを探している場合、CALLAは間違いなく、その候補としてふさわしいでしょう。
その水墨画のようなサウンドは中国文化と日本文化の基層にある「幽玄」を体現したかのような美しい音楽を聞かせてくれます。
音質的な特徴
美点
- 上品でシック
- 奥行き感のある音場
- 優れた質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 耳当たりがやさしく、聴き心地が良い
- 価格以上の解像度
- 低歪
- 前方定位的
欠点
- 不足している高域拡張性
- やや色づきが悪い
- 音が少し丸すぎ、構築感に欠ける
- 中域の透明度が少し物足りず、滲んで平面的に聞こえがち
- 場合によって少し不足する鮮明感
総評
FloAudioはCALLAのサウンドを高価格帯のイヤホンと同程度のパフォーマンスを持っていると自負していましたが、実際のところ、その主張はほとんどその通りです。それは非常に低歪で良質なリスニングサウンドを備えており、数万円の値札が付いた大抵の機種より優れています。
もちろんそのことは、同価格帯で競合がいないことを意味しません。Tripowin Leaをはじめ、Moondrop CHU、Tripowin Mele、7Hz Salnotes ZEROなど優れたイヤホンはCALLAと同じ価格帯に数多くあり、少なくともサウンドバランスと透明度の点ではCALLAは必ずしも優位ではありません。それでも競合とは異なる深みのある低域と奥行き感がある音場を持ち、聴き心地が良く、品格の感じられるサウンドはCALLAを特別なものにしています。
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