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audio-sound Score
- パッケージ:9.0/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
こんな人におすすめ
- サウンドバランス重視
- メロウで美音系のサウンドが好き
- 聴き心地重視
- 自然な倍音を聴きたい人
- ハーモニクス重視
- 良質なリスニングイヤホンを探している人
- コスパ重視
HarmonicDyne Devilの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「HarmonicDyne Devil」です。
HarmonicDyne Devilの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:5Hz-40kHz
- インピーダンス:5Ω±20%
- 感度:123dB/Vrms
- コネクタ:mmcx
HarmonicDyne Devilの特徴
- 高精度CNCマグネット回路方式
- バランスド・ナチュラル・ファインチューニング
- 着脱式同軸OCCケーブル
- 航空グレードCNCアルミ合金シェル
2年間の成果
音楽は耳で聴くもの。HarmonicDyne Devilは、2年にわたる献身的な研究と調整により、最終的に、驚くほどの音響性能と高い芸術的価値を持つイヤホンをオーディオマニアに提供できるようになりました。2つのフラッグシップカスタム10mmダイナミックドライバーを搭載したHarmonicDyne Devilのサウンドパフォーマンスは、特に深い低音、パワフルな高音、クリーンな高音において、大多数を上回っていることが証明されています。
デュアル10mmダイナミックドライバー
Devilは高精度CNCマグネット回路システムを採用し、超強力なNdFeBによりテスラ級の磁束を実現しました。16Ωの低インピーダンスと日本製輸入CCAWボイスコイルにより、携帯電話など日常的に使用する機器での使い勝手を向上させました。自社開発のLDM膜材は軽量かつ高剛性で、周波数応答速度や過渡変化の改善にも寄与しています。
バランスの取れた自然なファインチューニング
Devilのチューニングの特徴は、全体的に自然でバランスのとれた超低歪みと心地よい滑らかさです。入念なチューニングにより、Devilは、過度に目立つ粗さや、特定の周波数帯域の欠落による断絶のないパワフルなパフォーマンスを実現します。優れた周波数特性は、曲の中の小さな感情の変化を明らかにし、よりリアルで感動的なリスニング体験をもたらすことが可能です。
着脱式同軸OCCケーブル
Devilには、33×0.08mmと38×0.06mmの素線で構成された、よくできた同軸OCCケーブルが付属しています。特別な構造設計により、より純粋でクリアなサウンドパフォーマンスを提供します。さらに、PVC絶縁層を追加して優れた電気絶縁性を確保し、サスペンション層は高密度ナイロンで覆われてマイクロフォニックスを回避しています。より少ない干渉、より多くの充実感をもたらします。
航空グレードのCNCアルミニウム合金製シェル
Devilのハウジングは、多くのシミュレーション実験を経て、典型的な耳の角度と装着感にマッチするように設計されています。各ユニットは高精度な5軸CNCから製作され、音響室の均一性を確保しています。航空グレードのアルミニウム合金を採用し、軽量かつ高剛性で、日常的な磨耗に耐えることができます。ハウジングデザインからドライバーアセンブリまで、Devilの各側面には職人技、技術力、そして音響的なセンスが表れています。
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。おしゃれな化粧箱に入って届きます。開梱体験はかなり楽しいですね。
私のパッケージは4.4㎜バランスプラグモデルですが、3.5mm⇒6.35mmアダプタが付属していました。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース(2種類)
- 3.5mm⇒6.35mmアダプタ
- キャリングケース
- 説明書など
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
HarmonicDyne Devilはニュートラルに近い中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
HarmonicDyne Devilの低域は比較的リニアに深くまで伸びています。中域との存在感のバランスはほぼイコールかわずかに弱く聞こえるバランスに調整されており、多くの人にモニター的な印象の低域を聞かせてくれることが期待されます。
ドラムキックは重さはそれなりに感じるものの、浅く、引き締まりが少し足りず膨張的で、私にはインパクトに少し欠けて聞こえます。
エレキベースもやや明るく、広がりが足りない印象です。
中域が明るく聞こえるバランスなので、中域重視の人にはかなり良好に思えるかもしれませんが、低域マニアは量的にも質的にも明らかに不満でしょう。
中域
HarmonicDyne Devilの中域はやや論争を呼びそうです。非常に明るく、モニター的に前面に聞こえるバランスになっています。しかし、その中域は解像度で優れているものの、歪が多く、透明度では物足りない水準です。
この結果として、中域では個々の音像は背景との分離がよくありません。したがって中域はややぼんやりと耳になじむような柔らかい音に聞こえる構造になっています。中域はEtymonicなどのモニター系サウンドと同じようにかなり明るさが強い調整になっているので、透明度を抑えて聞き心地を調整する意図があったと思われます。Etymoticも中域で歪を多めに調整する傾向にあるので、それに倣ったのかもしれません。
Devilの中域は明るく非常にくっきりとしていながら、同時に少し平面的で、柔らかに調和的に空間に滲むように優しく聞こえる心地よさを生み出します。ここには精細感やエッジ感は少し抑えられ、音楽的でまろやかな後味を生み出す独特の美しさがあります。
高域
Devilの高域はスピーカーの定位感を意識してなめらかに減衰するように調整されています。
Devilの高域の魅力はこの非常に滑らかな減衰感が生み出す、スムーズでつながりが良く聞こえる高域で、耳につっかかるピーク感が全くと言っていいほどありません。
これにより、Devilのサウンドは自然な倍音を生み出し、同時に全体的に中域よりエネルギーを抑えられたセーフティな調整により、耳当たりの優しいサウンドを生み出します。
デュアルダイナミックドライバー構成でありながら、大抵のシングルダイナミックドライバー機より高域の拡張性が足りないため、高域で爽快感を感じることはほとんど期待できません。基本的に閉じた空間で音楽的に仕上げられた中域を濃厚に聞かせるバランスになっています。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A
HarmonicDyne Devilは全体的に滑らかに音楽的に仕上げられており、中域にフォーカスされる耳当たりの優しいメロウサウンドを持っています。解像度は非常に高く、フラッグシップを名乗るにふさわしい水準にありますが、デュアルダイナミックドライバーを採用している割に音域が狭い点は気になるかもしれません。
美音系のイヤホンが好きなら、かなりおすすめできます。
音質的な特徴
美点
- 良好な原音忠実性
- 正確な質感
- スピーカーに近い定位感
- 高い解像度
- 明るい中域
- メロウサウンド
- 中域への適切なフォーカス
- 自然な倍音
- 聴き心地が良い
- ハーモニクス豊かな中域
- 前方定位的
- 濃厚で密度感のある中域
- 優れた音像一貫性
欠点
- 中域の透明度に劣る
- 低域の深さで物足りない
- 高域の拡張性が不足している
総評
HarmonicDyne Devilは明るい中域にフォーカスされたメロウなサウンドを高解像で聞かせてくれるイヤホンです。全体的なビルドクオリティも高く、パッケージは豪華で、開梱体験でもかなりの満足感を得ることができるでしょう。ただし、デュアルドライバーモデルのわりにレンジ感は平凡で、透明度にも劣るところがあり、価格帯で最高の製品というわけではありません。しかし、いわゆる美音系のイヤホンが好きなら、かなりおすすめできる製品です。
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