- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
こんな人におすすめ
- 解像度の高いサウンドが好き
- モニタースピーカーの音が好き
- コスパに優れたイヤホンが欲しい
- とにかく曲の隅々まで確認したい
Moondrop KATOの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Moondrop KATO」です。
Moondrop KATOの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:123dB/Nrms
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:20000円~30000円
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- イヤホン本体
- キャリイングケース
- キャリングポーチ
- チューニングノズル
- イヤーピース(2種類)
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは価格の標準を十分満たしています。




装着サンプル
装着感はかなり良好ですが、金属ハウジングのせいか少し硬い感触です。また清泉イヤーピースは傘の形状のせいか、若干おさまりが悪いように思います。




音質
Moondrop KATOはかなりニュートラルに近くチューニングされており、わずかに奥行き感が強調されています。左右の音が少し耳元を離れて前方に位置する、前方定位するモニタースピーカーを意識してチューニングされているようです。
上に示したカプラーの測定値には共振ピークで周波数特性に違いが出ていますが、実際にはノズルの違いは周波数特性に影響をほとんど与えない(HATSの測定結果ではほぼ変わりません)と思われます。一方でノズルの違いにより耳元での音の響き方が変わるため、Brassノズルでは響きが増え、解像度が落ち、柔らかいマイルドな聞き心地になるでしょう。音の変化はレコーディングシグネチャーでご確認ください。
今回は標準イヤーチップ(清泉) LサイズとSteelノズルを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評(括弧内はBrassノズル)
- 原音忠実度:A+
おすすめ度:S+(A+)
個人的な好み:B-(A+)
この価格帯で最もクリアで解像度の高いモニタースピーカーのようなイヤホンが欲しい場合、Moondrop KATOがその最高の候補です。のみならず、この上の価格帯を探してもこれ以上はほとんど望めないというくらい、スペック的にも優秀です。
個人的にはSteelノズルの場合、よくできたイヤホンですが、とくに面白いとは思いません。むしろBrassノズルのほうが響きが加わり、まろやかになり、解像度は落ちるものの、味わいが出てきて好きです。
音質的な特徴
美点
- 全体的な明瞭度が高く、解像度に優れる
- ほぼ完璧なモニタースピーカーサウンド
- 全体の原音忠実度が高い
- 透明度の高い音
- ノズルシステムにより解像度を調整できる
欠点
- 没入感に欠ける
- 高域の拡張性が足りない
- クリアすぎて広がりに欠ける人工的な低域
- 低域の深さに欠ける
総評
Moondrop KATOは高い解像度と抜群に低いTHD、そしてモニタースピーカーにほぼ完全に近づけた前方定位感のあるフラットサウンドを提供する非常に優れたモニターイヤホンです。さらにノズル交換により響きを増大させ、解像度を調整することでよりリスニングライクな音を実現することもできます。個人的に全体のコンセプトと音作りに心から称賛を惜しまない機種ですね。これ以上のイヤホンはそうそうありません。
【関連記事】