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こんな人におすすめ
- モニタースピーカーの音に忠実なヘッドホンが欲しい
- スタジオのスピーカーのサウンドを再現して聞きたい
- 音場重視
Pioneer SE-MASTER1の概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Pioneer SE-MASTER1」です。
Pioneer SE-MASTER1の完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:5Hz~85kHz
- インピーダンス:45Ω
- 感度:94dB
- 価格帯:200000円~300000円
パッケージ
さすがにハイエンドだけあって、Pioneer SE-MASTER1のパッケージは高級感を意識してますが、26万という価格を考えると、特別豪華とも言えないでしょう。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- ヘッドホン本体
- ケーブル


ビルドクオリティ
26万円という価格を考えてもSE-MASTER1のヘッドホン部分の作りはかなりしっかりしており、価格以上の品質を感じさせます。
ただしmmcxプラグの耐久性は良くないようで、私のレンタルした個体は右側の接触が少し悪いですね。このプラグ部分の耐久性が少し低そうなことはネット上の情報からも伺えます。






装着サンプル
ヘッドバンドに無駄な高さがある気がしますが、装着感はわりと快適です。開放型なので通気性もよく、クッションはフカフカです。




音質
Pioneer SE-MASTER1は拡散音場に基づいて非常に合理的かつ丁寧にチューニングされており、ほぼ完全にフラットなモニタースピーカーサウンドをリスナーの耳元から少し前方に形成します。Pioneer(ONKYO)はスタジオリファレンスとして使えるモニタースピーカーサウンドの完全再現を目指したと述べていますが、その野望はほぼ完全に達成されており、この老舗オーディオブランドの確かな見識をサウンドから容易に伺い知ることができます。
26万円という価格を正当化できるかは難しいですが、スタジオリファレンスや音楽鑑賞のリファレンスとして使える、非常に優れた製品であることは間違いありません。
以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでテストしています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:S+
Pioneerがスピーカーサウンドの完全な再現を目指して作ったSE-MASTER1はそれにふさわしい前方定位するフラットモニタースピーカーのサウンドをほぼ完璧に再現します。そのサウンドは文句なく優れており、スタジオレコーディングやミキシングに関わるエンジニアに強力なツールを提供しますが、あまりに値段が高すぎます。最高峰のサウンドを持つヘッドホンの一つであるとはいえ、残念ながら音質自体は総合的には価格の水準に届いているとは言えません。
金に糸目をつけずに良い音がほしいという人は手を出してもいいですが、良質なモニターヘッドホンが欲しいだけであれば、あえてこれを選ぶ必要はないでしょう。万能な機種というわけでもありません。
音質的な特徴
美点
- ほぼ完全なモニタースピーカーサウンド
- 前方定位的
- 広さと実在感に優れた音場
欠点
- 低域の深みに欠ける
- 質感と定位が正確ではない
総評
Pioneer SE-MASTER1はヘッドホンで完全なスピーカーサウンドを実現したいと願った日英のサウンドマイスターが協力し、実現した驚異のプロジェクトです。それはたしかにかなり精確にモニタースピーカーの音を耳元で再現することに成功し、多くのレコーディングエンジニアやミキシングエンジニアにとって理想に近いヘッドホンと言うことができます。しかし、残念ながら実現されたサウンドに対して値段が高すぎるように思われます。
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