こんな人におすすめ
- 低価格でANC性能に優れた機種が欲しい
- ライブ感のある重低域を味わいたい
- 長時間の仕事や家事の間も音楽を聴きたい
- 外音取り込み機能が欲しい
- 使い勝手が良いイヤホンが欲しい
SoundPEATS T2の概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「SoundPEATS T2」です。
SoundPEATS T2の完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 連続/最大再生時間:10h/30h
- 防水性能:不明
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:018-210003
SoundPEATSについて
SoundPEATSはまだまだ日本で知名度が高いとは言えないかも知れませんが、ワイヤレスイヤホン市場では中華ブランドの中で最も成功したブランドの一つと言え、その高品質製品で多くのファンを獲得しています。低価格で変な中華ブランドを買うよりはSoundPEATS製品を買った方がサポートも品質も満足できるはずです。
品質の高い製品とサービスクオリティの高さからamazonなどECサイトから販売網を広げ、現在ではビックカメラなど日本国内の家電量販店でも取り扱いが拡大しました。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
SoundPEATS T2の特徴
異なる周波数が混ざった音を繊細に再現する12mmダイナミックドライバーにより、画期的なサウンド体験をもたらす
低音域だけではなく中・高音域の表現力も格段にアップされ、パワフルで深みのある低音をプラスし、透明感のある立体サウンドかつ爽やかな余韻の抜け味が心地よく耳に馴染んできます。
アクティブノイズキャンセリング、外部のノイズを遮断し、包み込むようなサウンドを生み出す
外部音取り込みモード、音楽を楽しみながら、周囲で起きていることが分かる
駅のアナウンスもはっきり聞き取れ、乗車の際に、音楽に夢中し過ぎて、うっかり目的地を通過してしまう心配がありません。
ヒアスルーを搭載しない一般的な完全ワイヤレスイヤホンと異なり、周囲の音を確認するためにイヤホンを外す必要がないため、イヤホンが落下して、傷が付いたり破損したりしてしまうリスクが少なくなり、イヤホン落下や紛失による損失の可能性が減ります。
パッケージ
SoundPEATS T2のパッケージは決して豪華ではありませんが、機能的でエコです。紙を中心としたパッケージ構成で処分に困ることはなく、地球環境にも優しいデザインです。
付属品は最低限揃っており、不足はありません。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格を考えると、悪くありません。SoundPEATSらしい黒でまとめられたシンプルでエレガントな外観です。
人によっては地味すぎると思うかもしれません。
装着感
耳が小さい人でも問題なく装着できそうです。収まりもよいでしょう。
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ベストセラーモデルがさらに進化
⼈気モデル「Soundcore Liberty Air 2」の音質・機能性をさらにアップグレードした上位モデル。Anker独自の「ウルトラノイズキャンセリング」を搭載。イヤホンの外側と内側に配置した2つのマイクで周囲の音を検知し雑音を除去することで、聴きたい音楽をクリアに届けます。また、あなたが今いる環境をアプリ上で選ぶだけで、そのシーンに最適なノイズキャンセリングを起動させることができます。
HearID 2.0
従来のHearing Profileの自動作成に加えて、ロックやポップ等の音楽ジャンルを掛け合わせて設定することが可能になり、より自分の好みにあったサウンドをお楽しみいただけます。
外音取り込み機能
音楽を聴いていても、イヤホンを付けたまま会話や公共施設のアナウンス等の外音を取り込んで聴くことがきます。(※本機能はアプリでの設定が必要です)
直感的なタッチ操作
イヤホンのタッチパッドを操作するだけで、着信への応答や音楽の再生、停止、曲送りが可能なほか、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の切り替えができます。
音質
音質総評
- 原音忠実度:C+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:S+
SoundPEATS T2はノーマルモードで運用する場合、わりと万人向きのイヤホンです。そのサウンドは人気機種であるTruengine 3SEを少し低域寄りのドンシャリにしたバランスで、伝統的なSoundPEATSのハウスサウンドを好む人を一定程度引き付けるかもしれません。
ただし、全体的な音場の拡張性と中域の印象は3SEのほうが優れています。3SEはディテールと明度がT2より高いため、印象的な解像感で優っており、3SEのほうがより好ましく思う人が多いでしょう。3SEに比べると、T2の中域は暗く、窮屈でボーカルのスポットライトのあたり方、のびやかさにも欠けます。超高域の抜けもよくありません。
一方で、T2のANCモードは完全に低域ジャンキー向きの味付けになっています。それは実際にはこの価格帯どころか全イヤホン探しても屈指の非常にクリアなサウンドを持っていますが、聞こえる音のほとんどが低域に影響されるため、低域ジャンキー以外はその恩恵を感じ取るのは困難でしょう。むしろ解像感が悪いイヤホンに思われる可能性が高いです。
結局のところSoundPEATS T2は「SoundPEATS Truengine 3SEのANC対応版を狙って少しいびつに完成された何か」です。
個人的にはかなり好きなイヤホンですが、ANCモードは明らかに万人向きではありません。そしてANCモードを使わないことを前提にするなら、Truengine 3SEやSonicのほうがよいと思う人も多そうです。
重低域好きは迷わずコレクションに加えるべき逸品です。常識的な一般人の方にはお勧めしません。
音質的な特徴
美点
- 低域ジャンキーを完全に満足させる重低音
- ノーマルモードではわりとバランスが良いサウンド
- シックで上品
- 心を落ち着かせる沈潜的なサウンド
- 歪みの少なさが完全ワイヤレスイヤホン史上最高クラス
- 重厚
- 映像観賞に向く
欠点
- 低域バカなANCモード
- ANCモード時の頭が悪いサウンド
- ANCモード時は埋没感が強い
- ノーマルモードはバランス的には多くの人にとって、劣化Truengine 3SE
総評
SoundPEATS T2はそこらへんの一般人が普通に耳につけている、おならのような音がする「音の出るおしゃぶり」とは似て非なるものです。それは別次元の重低音サウンドを持っています。
そのサウンドは万人向きなフラットカーブのおしゃぶりが大好きで、ノーマルモードの心地よいサウンドに騙されて、素敵で調和のとれた音楽を楽しみたいと願う一般人のささやかな期待を無慈悲に打ち砕き、静けさを求めてANCをONにしたとたん、音楽は騒音に変わり、落胆が待っています。明らかに万人向きではありません。
SoundPEATS T2のサウンドは本物の重低音を聴かせるためだけにあり、魂を揺さぶられる重低音とともに心の底から音楽と一体化したいと本気で願っている、一部の低域ジャンキーのためのものです。そこは低域好きのための聖域であり、一般人が土足で入り込む場所ではありません。あなたが低域ジャンキーでないなら、このイヤホンからはクソみたいな籠った音しか出ないので、手を出さないことです。
幸いにして、最近になって、この価格帯近くにはたくさんの優秀な「ノイキャン付き耳おしゃぶり」があふれているので、あなたの周りには十分な選択肢が残されており、あなたが進む道を見失って袋小路に入ってしまうことはありません。このイヤホンのことは忘れて来た道を引き返すべきです。たとえばEarfun Air Proを買えば、より満足できるでしょう。
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