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こんな人におすすめ
- ボーカルをはっきり聴きたい
- 色彩感のしっかりした明るいサウンドが好き
- 低域がうるさいのが嫌い
TAGO STUDIO T3-03の概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「TAGO STUDIO T3-03」です。
TAGO STUDIO T3-03の完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20~20kHz
- インピーダンス:70Ω
- 感度:102dB
- 価格帯:30000円~50000円
パッケージ
業務用製品のため、パッケージは簡素です。紙製でエコ、処分しやすくなっています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- ヘッドホン本体
- マイク
- マイクケーブル
- マイク無しケーブル
- キャリングポーチ
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準以上です。折りたたみ可能ですが、片耳モニタリングはできません。
装着サンプル
イヤーマフはやや小ぶりですが、装着感に硬さはなく、軽量で快適です。
音質
今回はFiiO M15で駆動してレビューします。
TAGO STUDIO T3-03は中域寄りのかまぼこサウンドを持っています。上位機種に当たるT3-01より低域が少なく、全体的に高域寄りになっています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B-
3万円も出してこれを買う必要があるかは少し疑問です。ゲーミング用に使うには定位感の悪さ、低域の臨場感の足りなさ具合がとくに気になり、どうも真面目にゲーミング用に作っているような音には思えません。これがゲーミングヘッドホンとして成立するなら、同等の解像度を持ち、同じようなサウンドバランスでより優れた定位を提供するCPH7000のほうがさらに優れたゲーミングヘッドホンと言えます。ただ、CPH7000にはマイクがありません。
自由音場フラット系の音が好きなら悪くありませんが、モニターヘッドホンとしてはCPH7000をはじめ、この機種の半額以内でもっと優秀な機種がたくさんありますし、低域が少なすぎてあまりおすすめできません。空間表現を重視する現代的なミュージックデザインに合っていない音響設計に思えます。
音質的な特徴
美点
- 原音忠実度が高い
- 明るくフラット
- 色気のあるボーカル、スネア、ギター
- 中域がはっきり聞こえる
- 解像度が高い
欠点
- うるさすぎる中域
- よくない定位感
- スカスカの低域
- 滑らかでない高域
- 扁平で前かがみな音像
- ダイナミズムに欠ける
- 窮屈な音場
総評
TAGO STUDIO T3-03は自由音場フラットに基づいてチューニングされたモニターヘッドホンです。サウンドバランスは全体的に高域に寄ったかまぼこサウンドで、中域がはっきり聞こえますが、前面に出すぎてうるさくなりやすいのをどう捉えるかですね。個人的には3万円もする割にパッとしない機種です。音はゲーミング用にチューニングされているとはとても思えないんですが、どうなんでしょうね。
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