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audio-sound Score
- パッケージ:9.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
こんな人におすすめ
- サウンドバランス重視
- スタジオチューニングサウンドが好き
- 聴き心地重視
- 自然な倍音を聴きたい人
- ハーモニクス重視
- 良質なリスニングイヤホンを探している人
- コスパ重視
TANGZU x HBB Wu Heyday Editionの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「TANGZU x HBB Wu Heyday Edition」です。
TANGZU x HBB Wu Heyday Editionの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz-20kHz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:100dB
- コネクタ:0.78mm 2pin
TANGZU x HBB Wu Heyday Editionの特徴
- HawaiiBadBoy(@badguygoodaudioreviews)とのコラボレーションでチューニングされた14.5mm Planarドライバーをアップグレード
- 5軸高精度CNCマシーンによるアルミニウム製エルゴノミックシェイプ
- アップグレードされた3-in-1着脱式4芯銀メッキブレードケーブル
- 中国の伝統的な吉祥雲のパターンが刻まれたプレミアムフェイスプレート
- 6組の交換可能なイヤーチップとプレミアムキャリングボックスを同梱
新年、新たなスタート。Tangzu Audioから新しくリリースされたアップグレードされたWu HeyDay IEMは、信頼できるHBB(HawaiiBadBoy from “Bad Guy Good Audio Reviews”)とコラボレーションした最新のイヤホンです。
HBBの長年の経験と大規模なIEM周波数測定データベースに基づき、Tangzuは従来のWu Zetianイヤホンの音の特徴をベースに低音と高音に変更を加えたこの新モデルを開発しました。HBBのチューニングと最適化により、この新しいイヤホンは大きな変化を遂げました。
アルミ製CNCフェイスプレートには、中国の伝統的な吉祥雲文が刻まれ、豪華さと上品さを両立しています。
Wu HeyDay IEMに込められた美学
中国の歴史に深く影響を受けたブランドとして、TANGZUが新たに発売したイヤホンWu HeyDayは、中国の唯一の女性皇帝にオマージュを捧げています。この製品は、細部まで丁寧に作られた精密なものです。王朝の偉大さを表現するために、この新しいイヤホンはメタルグレーをメインカラーとして採用し、高貴な出自を表現しています。
アップグレードされた14.5mm平面型ドライバー
今回、TANGZUは、平面戦の競争力を高めるために、スピーカーにOCCジョイントワイヤーを採用し、平面ドライバーをアップグレードして、Wu HeyDayを次のレベルへと導きます。
低域と高域を最適化した14.5mm平面ドライバーを搭載し、全体的に音楽的でありながら、よりニュートラルでバランスの良いサウンドを追求し、より厚みと広がりのある特徴を持つ、ブランドの新しい試みのイヤホンとなりました。理論的には、この平面駆動型ドライバーIEMは、多くの技術的な改善と解像度の向上が図られています。
5軸CNCアルミケース
新モデルの最大の改良点は、5軸高精度CNC加工機で加工されたフルアルミニウムケースです。このイヤホンに使用される素材はすべて厳選され、厳しいテスト工程を経て、私たちの期待に応える品質を実現しています。滑らかなシェルは、ほとんどの平均的なサイズの耳に簡単にフィットし、しっかりと堅く収まります。その結果、長時間のリスニングでも快適さを保つことができます。
3in1着脱式4芯銀メッキ編組ケーブルにバージョンアップ
付属品も充実させ、HiFiレベルの性能を実現しました。3in1の着脱式銀メッキケーブルが付属し、幅広い機器に対応すると同時に、バランスの取れたサウンドパフォーマンスを実現します。お手持ちのケーブルでワンランク上の音質を楽しみたい方にも、ケーブルを交換したい方にも、Wu HeyDayはその利便性を提供します。
人間工学に基づいた形状、快適な装着感
オーディオマニアにとって、フィット感は重要な要素です。TANGZUは、完璧なフィット感、優れた快適性、快適なリスニング体験を同時に提供するために製品を特別に設計しています。人間の耳の膨大なデータをもとに、シェルの寸法を正確に計算し、多くの人にフィットするスイートスポットを確保するよう設計されています。このユニークなデザインは、さまざまな好みを満足させることができると信じています。
なぜTANGZUのWu HeyDayなのですか?
TANGZUは、中国の芸術と文化の黄金時代である最も繁栄した伝統的な王朝、唐の時代にインスパイアされたブランドで、そのルーツを守り続け、3つの象徴的なモデルを次々と発表してきました。Li Yuan、Li Shimin、Wu Zetian、そして今回のWu HeyDayです。TANGZUは、広い視野と精巧な技巧を持つブランドです。
TANGZUは、中国の芸術と文化の黄金時代である最も繁栄した伝統的な王朝、唐の時代にインスパイアされたブランドで、そのルーツを守り続け、3つの象徴的なモデルを次々と発表してきました。Li Yuan、Li Shimin、Wu Zetian、そして今回のWu HeyDayです。TANGZUは、広い視野と精巧な技巧を持つブランドです。
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。紙製で処分は簡単です。
付属品のイヤーピースのFoamのところにフォームイヤーチップが入っておらず、シリコンイヤーピースが入っていたのは細かい点ですが、気になりますね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース(2種類)
- キャリングケース
- 説明書など
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。十分美しいですが、デザインは若干好みを分けそうです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TANGZU x HBB WU Heyday Editionはニュートラルに近いサウンドシグネチャーを持っています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
TANGZU Wu Heyday Editionの低域は比較的リニアに深くまで伸びています。Zetian Wuはかなり引き締まった細マッチョのような低域で、深いところまでスラリと伸びていましたが、Wu Heydayは太さが増して力感がより感じられるようになりました。しかし、深さは抑えられています。
バスドラムキックは比較的インパクトがあり、力強く聞こえます。エレキベースの黒さも十分ですが、広がりには少し欠けます。
存在感の上でも中域とよくバランスがとれている低域ですが、どちらかというとZetian Wuのほうが優れていました。好みによるとは思いますが、力感重視ならWu Heyday、見通し感重視ならZetian Wuが良いでしょう。
中域
TANGZU Wu Heyday Editionの中域はほとんど完璧にニュートラルに近く、質感は非常に正確です。
Zetian Wuは中域上部で歪が多くなる傾向がありましたが、Wu Heyday Editionも傾向は変わっていません。この点でライバルのMoondrop StellarisやLETSHUOER S12に透明度で劣るのはZetian Wuの頃から変わっていません。
Wu Heyday Editionはもともと優れたバランスであったZetian Wuからさらに中域に磨きがかかり、ほぼ完全にニュートラルになって定位感も改善したために、少なくとも中域に関してはZetian Wuの上位互換と言うことができます。
しかし、高域の構造が変わったため、凝集的な音場になり、左右の余裕がかなり減っています。Wu Heyday Editionの音場は前方定位感の強いサウンドになっており、Zetian Wuの開放的な音場感を期待していると、想定とはかなり違ってがっかりするかもしれません。
とくにWu Heydayの場合は中域の透明感と解像度がいまいちなため、付帯音も多いのと超高域で空気感が減ったことも相まって、中域の密度感と濃厚感が少し過剰な水準になっている可能性があります。
個人的にはZetian Wuのほうが没入感を感じるので、中域は好みでした。
高域
Zetian Wuとの差をかなり感じるのが高域です。定位感は改善されましたが、拡張性がかなり減って、開放感はだいぶ失われました。Zetian Wuの最大の魅力の一つは高域の拡張性の高さから生まれる繊細なサウンドにあったわけですが、それが普通のシングルダイナミックドライバー並みの水準になってしまったことで、平面駆動型を使うアドバンテージがほぼなくなりました。
この調整は個人的にはかなり疑問ですね。中域の質が高いなら、たしかに高域を抑制して中域にフォーカスさせるというのは選択肢としてまっとうなチューニングです。しかし、Zetian Wuはレンジ感にアドバンテージがあったイヤホンで、これまで述べたように中域の質ではライバルに解像度と透明度の両面で劣る品質です。ブランドとして中域の質の改善に失敗している以上、サウンドバランス面ではよりレンジを生かす調整にシフトすべきだったでしょう。たとえばKZ PR1 HiFiのように(KZが意図的にチューニングしたかは知りませんが)。
そういうわけで、Wu Heyday EditionよりオリジナルZetian Wuの高域のほうが優れています。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A
TANGZU × HBB Wu Heyday Editionは質感と定位感の改善が見られ、サウンドバランスの点では一定の進化と評価することができます。しかし、チューニングの方向性はZetian Wuの持ち味を殺す方向性に働いており、Zetian Wuの最大の魅力であった優れたレンジ感によって生み出された開放的な音場感が失われました。
私はZetian Wuのほうが好きですね。
音質的な特徴
美点
- 良好な原音忠実性
- 正確な質感
- 良好な定位感
- 高い解像度
- 一貫した位相特性
- 制動性に優れる
- 自然な倍音
- 聴き心地が良い
- ハーモニクス豊かな中域
- 音像一貫性に優れる
- 前方定位的
- 濃厚で密度感のある中域
欠点
- 中域の透明度に劣る
- 低域の深さで物足りない
- やや窮屈に聞こえる中域
- オリジナル Zetian Wuに劣るレンジ感
総評
TANGZU × HBB Wu Heyday EditionはオリジナルZetian Wuから質感と定位感を改善し、より濃密な音楽体験をもたらすサウンドになっています。中域へのフォーカス感は高まったので、Zatian Wuのやや薄く聞こえるかもしれない中域に不満があった場合はおすすめできますが、Zetian Wuの開放感のあるサウンドが好みで、そのアップグレード版を求めていた場合は、残念ながらWu Heydayはそういうイヤホンではありません。
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