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audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
こんな人におすすめ
- 低域の深さ重視
- 暗めの音が好き
TRN XuanWuの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「TRN XuanWu」です。
TRN XuanWuの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:12Ω
- 感度:117dB
- ピンタイプ: 2pin
TRN XuanWuの特徴
- XuanWuという名前は、中国天文学の4つのシンボルに由来しています。
- 専用10mm角平面ドライバー
- コンパクトで高耐久性
- 4芯撚り線ケーブル
- 画期的で革命的なドライバー
不滅と永遠
XuanWu(玄武)という名前は、中国の天文学の四象に由来しています。玄武は、亀と蛇が絡み合ったもので、動と静の組み合わせ、つまり陰と陽を表しています。冬の象徴であり、北の空を支配する存在です。また、宇宙のライフサイクルと調和を表しています。
スクエア平面ドライバー
Bellsingが独自に開発・製造した10mmスクエア平面ドライバーは、力強い低音と温かみのあるボーカルを実現し、日常の音楽鑑賞に最適なヘッドホンです。ダイナミック型ドライバーと従来の平面型ドライバーの長所を組み合わせることで、平面型ドライバーのヘッドホンとしては珍しく、全帯域の調和を保つことに成功しています。
コンパクトで高耐久性
TRN XuanWuは、アルミニウム合金製のフェースプレートと半透過性樹脂製のシェルで構成されており、シンプルさと高品質を完璧に表現しています。金属製のケースは耐久性に優れているだけでなく、見た目も高級感があります。
4芯撚り線ケーブル
TRN XuanWuは純銅と銀メッキ銅の4芯ケーブルを使用しており、両方の銅ケーブルの長所を生かして、出音の幅を広くしています。解像度が上がれば上がるほど、細部まで豊かな音声が出力されます。コネクターは3.5mm、2.5mm、4.4mmの金メッキを採用しています。
画期的で革命的なドライバー
TRN XuanWuに搭載された革新的なBellsing製ドライバーは、駆動に大きな力を必要とするかさばるスピーカーやアンプだけでなく、平面磁気ドライバーをヘッドホンに使用することを可能にしました。TRN XuanWuのインピーダンスは12Ωしかなく、スマートフォンでも十分に駆動させることができます。
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。シンプルで処分しやすいパッケージです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- マニュアル類
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TRN XuanWuは中高域と低域が強調されたサウンドシグネチャーを持っています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
TRN XuanWuの低域はかなり深くまでよく伸びており、かなりの臨場感を実現できます。
ドラムキックはインパクトが十分にあり、重さも相当に感じられ、ランブルも満足できる水準です。
エレキベースも黒く、しっかりとした広がりを持って聞こえます。
存在感の上でも中域とよくバランスが取れていると言え、低域マニアにかなりおすすめできると言えるでしょう。
中域
TRN XuanWuの中域はかなりニュートラルに近いですが、中域上部が強調されており、全体的に前屈みです。
ただし、エッジ感が少し悪いので、中域の構築感が悪く、もっさりして聞こえがちです。ギターエッジは色気に欠けますし、スネアはボコボコしたキレの悪い音になりがちです。
ボーカルもやや鼻にかかり、子音の活舌が悪く、声質もややハスキーに傾いています。少しふっくらした感触が出やすく、耳になじむ感覚はありますが、印象的には活発さに欠け、やや暗い雰囲気で聞こえがちです。ボーカルへのスポットライトが足りない感じが出やすく、暗い位置で歌っているように聞こえ、フォーカスがよくないと思う人も多いかもしれません。
高域
高域は拡張性で物足りません。全体的に高域のエネルギーは不足気味で、輝度は少し低めですが、精細感は悪くありませんから、ディテールには不足はたぶんないでしょう。
かなりセーフティな高域で、やや高いところが強調されているため、繊細さで少し優れているように聞こえます。ただし、空気感は物足りないので、ハイハットやシンバルクラッシュの広がりは悪く、木管やバイオリンも抜けがいまいちで爽快感はあまりありません。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B+
低域にこだわりがあり、少し暗い雰囲気でボーカルを楽しめるシックで上品な雰囲気が好きなら、TRN XuanWuは悪くない選択肢かもしれません。原音忠実度も悪くないので、全体的なバランスも悪くないでしょう。
とはいえ、同じ価格くらいの低域モデルとしては、たとえばFloAudio Callaのほうが一般的には優れているように思われます。
音質的な特徴
美点
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 上品でシック
- 価格以上の解像度
欠点
- 不足している高域拡張性
- 色づきが悪い
- 音が少し丸すぎ、構築感に欠ける
- 暗い中域
- 全体的に地味な音
総評
TRN XuanWuは重厚で深みのある低域とシックで上品に暗く聞こえる中域を持つイヤホンです。サウンドパフォーマンスやパッケージ全体の出来を考えても、価格帯で特別優れたイヤホンというわけではありませんが、低域好きならかなり魅力的に思うはずで、候補に入れてみてもいいんではないでしょうか。
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