- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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audio-sound Score
- パッケージ:9.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:11.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
こんな人におすすめ
- 優秀なモニターイヤホンを探している
- 音像一貫性重視
- ウォームなサウンドが好き
- ディテール重視
- 質感重視
- 定位感重視
- コスパ重視
TRUTHEAR x Crinacle Zeroの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「TRUTHEAR x Crinacle Zero」です。
TRUTHEAR x Crinacle Zeroの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 再生周波数:20-39500Hz
- インピーダンス:10Ω±15%
- 感度:117.5dB/Vrms
- ピンタイプ:2pin 0.78mm
Truthear ZEROの特徴
- ZEROデュアルダイナミックドライバー:デュアルポリウレタンサスペンション複合liquidクリスタルドームダイヤフラムN52 ルビジウム磁石ダブルキャビティ内部磁気回路ダイナミックドライバーを採用。DLP-3Dプリントキャビティ。通常はハイエンドのマルチドライバー製品やカスタムイヤホン用に予約されています。手作りの接着剤ドロップとキャッピングプロセス。より太い直径の銅メッキのシルバーケーブルが装備されています。
- 効率的で合理的なドライバー構成:ZERO は、直径10mm、その他の直径7.8mmのダブルダイナミックドライバー構成を収容しています。 ZEROは、柔軟なポリウレタンサスペンションコンポジットLCP液晶ドームダイヤフラムと連携した成熟した内部磁気回路構造のおかげで、スムーズでソフトな詳細なサウンドを提供します。
- 正確なハイブリッドダブル周波数分割:高精度のDLP-3D印刷技術に依存し、フィルタリング機能を備えたアコースティックノズル構造と正確に計算されたRC周波数分割を形成し、2つのダイナミックドライバーがそれぞれパフォーマンスし、対物インジケーターのより近い設計目標を提供します。
- 優れた対物性インジケーター:ZERO は、HRTF 特性に沿った適切な低周波ゲインと高周波レスポンスを持ち、ZEROはプロ仕様のモニターイヤホンと同等の対物指数を持ち、一般的なモニターイヤホンのように冷たく硬くなく、全体的なティンブルは自然で雰囲気に満ちています。
- グルードロップ成形キャッピングプロセス:ゼロホールキャビティはサンドイッチ構造(フロントキャビティ、装飾パネル、グルードロップキャップ)を採用しています。 ZEROはグルードロッププロセスによってキャップされ、紫外線によって固化され、成形され、ハンドポリッシュとニススプレーによって処理され、美しいデザインを保証し、グルードロップキャップによって処理された硬度を効果的に強化します。
パッケージ
Truthear ZEROのパッケージは価格の標準を満たしています。
付属品はこの価格帯ではかなり充実しています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- キャリングケース
- マニュアル類
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
フェイスプレートが美しいです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Trustear ZEROはほぼ完璧にニュートラルなサウンドシグネチャーを持っています。透明度や明瞭度の水準も高く、ZEROの欠点はレンジ感以外ほとんどないと言えるでしょう。それは私が高く評価するハーマンターゲット IE 2017にかなり近いようです。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
低域
Truthear ZEROの低域は重みがありますが、深さは少し物足りないために、膨張感を感じやすい傾向にあります。
ドラムキックはインパクトが十分にあるものの、ボンボンしており、少しウォームで膨張的です。締まりが悪いため、キレが悪く、リズム感は若干もたつく印象を受けます。またランブルは不足気味で臨場感や重みの生々しさに欠けます。
エレキベースも少し明るく、黒さが少し足りないように思います。
この低域は量的には悪くないものの、低域マニアには物足りない水準でしょう。また引き締まり感の不足は、モニター的な音を好む人にも見通しが悪い印象を与えるかもしれません。
中域
中域はほとんど完全にニュートラルです。質感はかなり正確で完璧に近く、透明度も十分な水準ですが、ややウォームに傾いて聞こえる傾向があります。
定位感もよく、全体的につながり良く音像が聞こえるため、どのジャンルを聴いても表現に一貫性が感じられます。立体感の再現度もよく、十分に低歪で透明度は優秀と言えるでしょう。
この中域は文句なくすぐれた水準にあると言えます。
高域
率直に言って、Truthearの高域はほぼ完ぺきな水準にあり、自然で滑らかな倍音表現とディテールを共存させていますが、拡張性だけは少し物足りません。とはいっても、価格を考えれば十分優れた水準にあります。
全体的に文句がほとんどない高域ですが、それでも難点を探すとすれば、高域の空気感の不足からくる爽快感の物足りなさと、ディテールのわずかな不足です。とはいえ、これは難癖に近いでしょう。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S+
Truthear ZEROは価格帯で優れたパフォーマンスを持っており、一般にハイエンドクラスに匹敵するかその多くを打ち負かしさえすると評価することができます。
圧倒的なパフォーマンスを誇るようにも思えますが、同じ価格帯にライバルはいるでしょうか?
まず、完全ワイヤレスイヤホンであるEarFun Air Pro 2は低域がより拡張され、高域ではTrustear ZEROに劣りますが、一般にほぼ同等のサウンドパフォーマンスを実現します。個体差のレベルの問題かもしれませんが、全体的な滑らかさではAir Pro 2のほうがより優れている可能性もあります。
TinHiFi C2は同じ価格帯の優れたモデルですが、そのサウンドデザインはZEROとは異なります。C2はより正統派のスタジオチューニングであるSonarWorksターゲットに近く、より原音忠実的です。つまり、よりスピーカーライクな定位感を持つイヤホンです。ZEROとC2は使い分け可能な同等の性能の選択肢ですが、スピーカーライクな音像把握よりも、原曲そのものの定位感やディテールを重視する場合、ZEROのほうが優れたパフォーマンスが期待できます。しかしとくに低域ではC2はZEROをアウトパフォームするでしょう。
音質的な特徴
美点
- 音像一貫性に優れる
- 優秀な解像度
- 低歪
- 優れた質感
- 良好な原音忠実度
- 艶やか
- 聴き心地が良い
- 温かみがある
- 優れた定位感
- 優れたディテール
- 自然な倍音表現
欠点
- 低域の深さに欠ける
総評
Trustear ZEROは価格帯で最も優れた水準の音質を提供するだけでなく、ハイエンドにも匹敵するパフォーマンスを持っています。パッケージも価格の水準以上で、全体的に購入して損はすることはまずないと言えるイヤホンでしょう。文句なくお勧めできる製品の一つと言えます。
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