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【比較録音レビュー】おすすめの中華イヤホン3機種を録音つきで解説![Whizzer Kylin HE01/TinHiFi T4/Moondrop SSR ]

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おすすめの中華イヤホン

おすすめの中華イヤホン

 

 

レビュー趣旨

 このシリーズでは、Antelope Audio Amariと様々なヘッドホンやイヤホンをつなぎ、日本ファルコムのサウンドをレコーディング用のHATSから録音して実際に聴き比べてもらいながら、各音響機器の特徴を解説します。

 

 今回は新作のWhizzer Kylin HE01と個人的に愛用している中華イヤホン2機種を紹介したいと思います。

 最初にそれぞれの機種を簡単に紹介します。

 

今回聴き比べる中華イヤホン3機種

Whizzer Kylin HE01

Whizzer Kylin HE01

Whizzer Kylin HE01

 

 Whizzerは中華イヤホンファンの中でもわりと無名に近いメーカーではないかと思いますが、低価格で品質が良い製品を作っているので一部では非常に注目されています。

 Whizzer Kylin HE011万円以下の価格でありながら、品質の高いビルドクオリティと良質なデザイン、パッケージの豪華さでコスパが良いと評判の最新機種です。

 高解像度技術HDSSを搭載し、歪みの少ないサウンドを持っているのが特徴です。

 音域バランスも比較的フラットに近く、バランス感覚の良いサウンドで、低域から高域までクリアに聞こえます。

 

管理人
管理人

1万円以下とは思えない、目を引く美しいデザインで大変コスパが良く感じられます。音質面でもやや低域寄りですが、エッジのある輪郭描写力に優れたサウンドを持っており、全音域の明瞭性に優れて聞こえるでしょう。話題性がありそうな機種ですね。

TinHifi T4

TinHifi T4

TinHifi T4

 TinHiFi T4は日本ではそれほど話題になってない機種ですが、1万円ちょうど付近では圧倒的なコスパ力を発揮する機種の一つです。

 カーボンナノチューブ振動板を用い、非常にバランスの良い音質と優秀な低歪みを実現しており、昨年のこの価格帯における勝者の一人といって過言ではないでしょう。

 日本ではなかなか店頭で見かけることが少なく、通販専売に近いため、一般には全く知られていないかもしれませんが、1万円台で非常にクリアな音を求めているなら、私は真っ先におすすめします。

 

管理人
管理人

独特のデザインが好みを分けるかもしれませんが、コンパクトで装着感はわりと良好です。音域バランス的にはエッジ感をWhizzer HE01より抑え、より鮮明感にステータスが振り分けられており、さらに深い低域がWhizzer HE01よりはっきり聞こえるように調整されているため、全体的なレンジ感でわずかに勝っているように思えるでしょう。それでいて、HE01より中低域が引き締まっているため、より階層性が高く、洗練された低域に感じるかもしれません。T4はもっと注目されてよい機種です。

Moondrop SSR

Moondrop SSR

Moondrop SSR

 

 Moondropは合理性の高いチューニングと合理性の高い高品質素材を組み合わせ、全体として隙のほとんどない製品群を作ることで知られる中国の工房系メーカーです。

 このSSRはMoondropが自らreference(音質評価の基準として文句なく使える音)と豪語する通り、非常にフラットに近いバランスにチューニングされ、とくに鮮明感に優れているのが特徴です。その高い鮮明感によって、小音量でも十分に音楽が聞こえるので、私のように普段音量小さめに聴く人にとっては、その歪みのなさも相まって神がかった機種です。

 ただし、その鮮明感と引き換えに歯擦音も目立ちやすくなっており、音量を上げるとボーカルがシャウティになりやすいのが目立った欠点でしょう。あくまで私の経験上で裏付けに乏しいですが、歯擦音は上質なソースで改善される傾向が大きい気がするため、廉価な機種ですが、その実力を思う存分堪能するにはわりと良質なDAPを必要とするかもしれません。

 この中では実際の深さはともかく、印象上の低域の深さに最も欠ける機種ですが、なぜか低域ジャンキーの私の愛用機種です。価格水準を超越する高い鮮明感は実用性の点で、これの代替機種がこの近辺であまりありません。ただし音場は少し平面的なので、今回の機種の中では、レンジはあまり広いように感じない可能性があります。

 

管理人
管理人

今回紹介する中では最も音域バランスが良く、フラットで、かつ期待される鮮明感が最も高いために、最も明瞭性の高いサウンドを持っていると言える機種です。真の意味でのクリスタルクリアサウンドをこの価格帯で求める場合、Moondrop SSRこそがまさにそれというべきかもしれません。

聴き比べてみましょう!

 というわけで、早速それぞれの中華イヤホンを聴き比べてみましょう。録音音源を用意しました。

 録音音源で使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

 

録音機材
  • SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
  • 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
  • レコーディングソフト:Audacity(ラウドネスノーマライゼーション:-23LUFS)

 

楽曲情報
  • 楽曲名:スピリ古代迷宮
  • アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
  • Copyright © Nihon Falcom Corporation

 

 録音音源は以下のページでご試聴ください。

 

 今回の聴き比べにテーマをつけるとすれば「おまえら低価格のくせに聞こえすぎてヤバすぎ3機種」って感じですかね。

 どれも低価格のくせにかなりきれいな音なので、どれがクリア感で優れているか判別しづらいと思いますが、一般に、この中でも最も歪みが少ないサウンドを聴かせる可能性が高いのはTinHiFi T4です。各音域の歪みが全体的に低く、上から下までクリアに聞こえるだけでなく、音量の上下による変化も少ないため、比較的多くの人が最も低歪みでクリアだと感じるでしょう。なにより低価格と思えないレンジ感が素晴らしいですね。

 Whizzer HE1はT4に比べると低域方向でボリューム感があり、豊かな雰囲気を感じますが、高域方向で鮮明感はわずかに劣り、それを輪郭描写で補っている形になります。音場がわりと広めで没入感があるのもいいですね。ウォーム感があるので聞き心地の点では、この中では最も優れていますが、印象的な鮮烈さでほかの2機種に劣るので、これでは物足りないという人もいるかもしれません。また深い低域をくっきり聞かせるのはT4のほうが得意です。公式でまろやかと言ってましたが、たしかにエッジが立っていながら、どこか物腰の柔らかい音がしますね。

 次にMoondrop SSRです。SSRは一見音場は平面的に思えるのでダイナミズムに欠けるように思うかもしれませんが、鮮明度が非常に高く、中域付近の情報量はこの中では抜群でどの音も丁寧にバランスよく拾ってクリアに聞かせてくれ、低域は深みが強調されていませんが、ストンと抜けるように伸びています。やや中域の透明感に耳を奪われがちになりやすいので、低域の存在感は希薄になりがちですが、低域にフォーカスすれば深さ自体はよく到達していることがわかります。

 今回紹介した機種はどれもとても1万円で買えるとは思えない機種ばかりで、歪みの少なさと鮮明感、レンジ感はハイエンド機種すら凌駕する機種たちです。少なくともクリアなサウンドにこだわるなら、最初に探すべきは、ドライバー構成などが複雑すぎてわかりにくい音が多いハイエンド価格帯ではなく、ここらへんですね。

 

まとめ

 オーディオスペックにおいて低価格機種が劣っているというのは過去の話です。少なくとも歪みの少なさにおいてはマルチドライバーのハイエンド機種の方がクリア感では劣ることが多いというのが現状です。より音楽を自然で原音忠実に聴きたい場合、意外と低価格を探した方が良い機種が見つかる近道になるかもしれません。 

 

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