- インイヤーイヤホンって何?
- 利点と欠点
- 低価格機種と高級機種の違い
- ストレートか耳掛け式か?
- ドライバーの数
- イヤーピース
- リケーブルモデル
- オーディオ仕様
- 一番大事なのは音質
- 個人の好み
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インイヤーイヤホンって何?
インイヤーイヤホン式のヘッドホンには、飛行機に乗るときにもらったりスマートフォンに同梱されているような使い捨てのモデルから、フルサイズのヘッドホンモデルに匹敵する超音域の音響を提供する高性能モデルまで様々なバリエーションが存在します。これらイヤホンタイプの特徴的な小型のイヤーピースは外耳に装着されるか、外耳道に挿入される必要があります。いくつかのモデル、特にスポーツ用のモデルには、フィット感を向上させるためにウィング状やフィン状のパーツが加わっていることがあります。
利点と欠点
利点
一般に極めてコンパクトで軽量です。最新のモデルのほとんどは、ワイヤーコードに組み込まれたマイク端子やトラックナビゲーションコントロールを備えています。外部ノイズに対しては中程度から最高レベルの遮断効果が期待できます。イヤリングや眼鏡、帽子、髪型にほとんど干渉せず、カジュアルな使い勝手があります。
欠点
フルサイズのモデルに比べて音質は劣ります。特に低音レスポンスはよくありません。また長時間使用すると不快感を生じることがあります。耳掛け式のものなど一部のモデルは取り外しが面倒で、外音を遮断しやすいため、オフィス環境向きではありません。両耳につながる2本のケーブル構造は絡まりやすくなっています。
低価格機種と高級機種の違い
インイヤーイヤホンは他の音響機器より耳に近い位置に装着します。したがって音量を上げすぎると、耳にひどいダメージを与えることになります。一般に低価格機種はこうしたダメージをもたらしかねない音響上の急激なトランジションを処理するようには設計されていません。一方でモニターモデルと言われるような高級機種は騒音環境下でも安定した素晴らしいサウンドを提供してくれます。
ストレートか耳掛け式か?
インイヤーイヤホンにはまっすぐコードを垂れ下げるストレートタイプと、耳にコードを引っ掛けて使う耳掛け式があります。どちらの方法でも音質面に大差は無く、趣味の問題です。比較的自然な付け心地のストレートタイプに比べて、耳掛け式の装着感を好まない人は一定程度います。
耳掛け式はコードを隠すことができ、耳への固定感もよいことから、オーディオマニアやステージ演奏者に好まれています。とくにプロフェッショナルモデルやカスタムメイドの耳掛け式イヤホンを体感した後には、ストレートタイプモデルに戻る気持ちはなくなってしまうでしょう。
ドライバーの数
あなたがイヤホンのスペックをよく見ているならば、価格が上がるにつれて、各イヤホンに詰め込まれるドライバーの数も増えていることに気づいているかも知れません。フルサイズのスピーカーと同様、ドライバー1基あたりの周波数帯域は狭く限られていますから、一般にはドライバー数が多い方が広い周波数帯をカバーできるために音質は良いと考えられています。ドライバー数が多ければ多いほど、シングルドライバーのモデルより魅惑的な音を奏でる可能性が高まります。1つのドライバーの時よりも2つ以上のドライバーの時の方が音域ごとの作業負荷を広範囲に役割分担することができ、シングルドライバーの比ではない深い重低音や突き抜ける高音域、音の明瞭感が得られます。
しかしドライバーの数だけがイヤホンの音質を決定するわけではありません。たとえば世の中には12ドライバーも搭載したイヤホンがありますが、そのうちの4つのドライバーは人間の可聴域を超えた音を出すことに専念していて、あまり音響に寄与していません。これは極端な例としても、実際にマルチドライバーだからといってシングルドライバーより音質が良いとは限らず、3ドライバーモデルが2ドライバーモデルより常に良いサウンドを奏でるわけでもありません。
イヤーピース
インイヤーイヤホンには最低でも3つのサイズのシリコンイヤーチップが付属していることが一般的です。ほかに気泡式のコンプライイヤーピースもあります。気泡式とシリコン式は音質や装着感において幾分異なった振る舞いをしますが、それは結局「味」の問題です。多くの場合、両者ともによく騒音を遮断し、音が混濁するのを防いでくれます。
シリコンイヤーチップは吸引力を利用して定位置にとどまります。遮音性では気泡式に劣りますが、付け心地が軽く汗も通すため、スポーツプレイヤーやパフォーマンスの多い演奏者に好まれる傾向にあります。気泡式コンプライイヤーチップはより高密度で遮音性に優れますが、外耳道に圧力がかかるので人によって不快感が生じ、汗を吸わないので蒸れやすいです。
前述したようにインイヤーイヤホンには最低3つのサイズ別イヤーチップが付属しており、高価格帯のモデルにはシリコンと気泡式それぞれの様々なバリエーションのイヤーチップが添付されていることが多く、わざわざイヤーピースを買う必要はありません。こだわり派の人は耳の型を取ってそれに合わせて特別なイヤーチップを作ってくれるサービスもあります。
リケーブルモデル
インイヤーイヤホンの中にはケーブル部分が取り外し可能になっているモデルがあります。ケーブルに不具合が生じたために、貴重で大切なヘッドセットを泣く泣く手放した経験がある人からすれば、これはとても便利なものに見えます。
最近のリケーブル可能なイヤホンモデルはほぼ全てMMCXコネクタ規格で統一されているので、ケーブルを自由に組み替えることができます。ケーブルの長さを変えたり、iPod用のコントロールパネル付きのケーブルにしてみたり、ワイヤレス化したり……。リケーブルモデルではこうした自由な楽しみ方を経験することが出来ます。
オーディオ仕様
遮音性(ノイズ低減、減衰とも呼ばれる)は、dB単位で測定され、外部音がイヤーピースによって遮られる量を示します。数値が大きいほど、より多くの音が遮断され、外界からの干渉を少なくして音楽を聞くことが出来ます。
周波数応答はイヤホンがどのような周波数を生成できるかを示します。多くの場合人間の可聴域は20hz~20khzに収まるので、その範囲を多くカヴァーしているほうが良いでしょう。
感度とインピーダンスは両方とも音量に関係します。感度が低く、インピーダンスが高いほど、一定音量を出すのに必要な電力が大きくなります。
一般にほとんどのインイヤーイヤホンは一様にかなり低いインピーダンス(20Ωないし30Ω)であるため、インピーダンス仕様のわずかな違いについて考慮する必要はありません。ただし一部のプロ仕様のイヤホンのインピーダンス値は非常に高く、場合によって100Ωくらいになることもあります。これらは一定のボリュームで音を生成するのに、デバイスから多くの電力供給を必要とします。
感度の仕様は特定の電力量でスピーカーを駆動するときに生成される音量(dB)を表します。インピーダンスと同様に、実際はほとんど考慮する必要がありません。
一番大事なのは音質
しかし結局のところ、上記のオーディオ仕様より重要なのは、イヤホンがどのように鳴るかです。基本的な周波数応答仕様では、そのデバイスがどの周波数を生成できるかということしかわからず、その応答カーブに関する情報は得られません。さらに製品の説明にはサウンドの特徴についてガイダンスが提供されていますが、残念ながら特定のイヤホンペアがどのように音を奏でるか判断するには、実際に聞いてみるしかありません。
個人の好み
最後は好みの問題です。快適性、音質、外観デザインなど気に入るものを選びましょう。個人個人の好みは異なっており、全ての人が同じイヤホンを好きになるわけではありません。ですからユニバーサルフィットを謳うイヤホンがあっても、それが完全にあなたにマッチしているとは思わないで下さい。