audio-sound @ hatena

audio-sound @ hatena

オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

MENU

【密閉型ヘッドホン Panasonic RP-HTX70 レビュー】優しく包み込む広い空間表現に生身感のある音が展開する。低価格では文句なくオススメなヘッドホン

Panasonic RP-HTX70

パナソニック 密閉型ヘッドホン マットブラック RP-HTX70-K

 

おすすめ度*1

Panasonic RP-HTX70

ASIN

B076W2N5XD

 柔らかイヤーマフで付け心地は優しい。耳をしっかり覆い隠すので密閉感もあるが、蒸れやすい。遮音性はそこそこ。音漏れは少しある程度。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は標準ステレオ変換プラグ、説明書。

 

Panasonic RP-HTX70Panasonic RP-HTX70

 

【2】音質

 空間はかなり広めに感じる。個々の音の立ち上がりも良く、自然な材質感のある色味があって、有機的な色彩感のある音。低域から高域まで連携がスムーズで歪んだ印象も受けない。低域は重量感はやや抑え気味だが、空間に反響と振動を感じさせる音で存在感十分。暖色に傾いた音響になるが、弦楽やピアノに鮮やかな材質感が出るため、ボケた感じにはならず、メリハリもつく。ボーカルも勢いよくのびやかで立体感も十分。総じて価格帯では群を抜いてよい音質に思える。

 

[高音]:天井感はなく、突き抜け感は良好。空間への拡がりも良い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽の色味が生々しく、艶めかしい。ピアノの音も材質感を感じさせ、温もりと自然な残響感の同居した音。これらの音が広い空間表現と情感に貢献している。

[低音]:ややおとなしい振動。スペックでは結構低域が出るようになっているが、実際は40hz以下はかなり弱い。鳴り方としては少し奥まる形に聞こえやすく、量感よりも深さや広さを意識させる音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右も広く奥行き感もある球状(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはバスンバスンという爆発力・反発力・地熱感が強い音。熱気と元気がある。肉感はそれほど強くないので、重量感はやや薄い。ハイハットは金属的な煌めき感と重みのある材質感を感じられる、この価格帯では珍しい生々しさのある音でJAZZなどアコースティックな曲では活躍する(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:立ち上がりはよく、勢いが出る。自然なふっくら感もあり、のびやかだが女性ボーカルの甘味もかなり感じられる。息遣いにも温もり感がある。

 

【3】官能性

 澤野弘之「Binary Star」は空間の充実感に感動する。ピアノの音の生々しさ、シャープに始まりながら溶け込むように空間に消失するシンバル、材質感があって情感の襞を感じさせる弦楽、快活に空間を躍動させるドラム。綺羅星が輝く深遠の宇宙に、確かに躍動するものを思わせる、生命感に満ちた味に仕上がっている。この価格帯では稀。

 下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」はまとまりよく軽快な色合いがある。アコースティックな楽器の材質感を重視した曲構成になっているが、このヘッドホンにはぴったりである。カントリーミュージック風のどこか懐かしい、家庭料理の風味のある曲調の中で、これまた温もり感のある甘いボーカルのハモリがおいしい。

 大原ゆい子「言わないけどね。」は全体的につるんとしている。音の色合いが明るく、コケティッシュなボーカルの甘味に個々の楽器のつやつやした音が綺麗に乗る。ドラムは軽快。

 下地紫野「プ・レ・ゼ・ン・ト」はまずピアノの精彩が素晴らしい。コロンとした丸みのある音で空間に瑞々しさを与えている。弦楽は逆に太く力強く、曲の骨格と情感に貢献する。ボーカルはつややかで甘味がよく出る。弾力もあるため、もちもちっとよく伸びて突き抜け感も良好。それでいてしっとりとした後味も感じる。

 

【4】総評

 5000円以下ではほぼ敵なしといえるほどの充実した表現力がある。とくに価格帯では随一の材質感の再現力でアコースティックな曲には強い。死角らしい死角はほとんどないが、強いてあげるとすれば低域だろうか。低域量感モデルにありがちな、前面に出てくるタイプではなく、中高域を引き立たせる鳴り方なため、低域ジャンキーには些か辛い評価をされがちだろう。装着感もよく、家でリラックスして音楽を聴くのには特にオススメできる。

Panasonic RP-HTX70

 

【5】このヘッドホン向きの曲 

 上品で優雅な、少し気取った弦楽とピアノが広く伸びやかな穏やかな空間を作る。高畑充希の声色の若い甘味は、気取った楽器音と歌詞との間に面白みのあるズレを醸し出していて、少女がちょっと背伸びする思春期的な味わいがある。この曲の雰囲気を丁寧に出してくれる。

 

 抑制的な弦楽・管楽・パーカッションはしかし、材質感だけは生々しく、プリミティブな雰囲気と重厚感を醸し出す。ボーカルは空間一杯に拡がり、サビでの充実感はこの価格帯では圧巻。

 

 エモーショナルなピアノ表現とハスキーで苦味と甘味の入り交じったボーカルがほぼすべてというわかりやすい曲調だが、それだけにヘッドホンの実力が試される曲。

 

 空間表現が素晴らしく、この曲の立体感がよく出る。ピアノの定位表現が、飲み込んでくるような森の奥行きを演出しているが、それがきれいに鮮明に生々しく聞こえてくるのはこの価格帯では珍しい。中盤以降は弦楽ものびやかに空間にたゆたってくる。圧巻の一言。

 

 生々しいピアノと弦楽を楽しむならこの曲。つま弾いたり叩いたりと細かな演出の多いこの曲の多彩な表現を、材質感たっぷりに丁寧に聞かせてくれる。そうした充実感がありながら、一方で広い空間表現のおかげで、どこか肩の力の抜けた、解放感のある味わいになっている。ドラムも軽快。ボーカルはサビでは弦楽とともに高く舞い上がり、気持ちを明るくしてくれる。

 

パナソニック 密閉型ヘッドホン マットブラック RP-HTX70-K

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。