友情の再生を描いた名作アニメ、Prime Videoで見ることができます。
この作品については比較的べた褒めされていますし、私も自作PCの一つをこの作品に捧げてコンセプトモデルを製作したこともあるくらい、入れ込んでますが、しかし、多くの人におすすめかというとそうでもありません。むしろ嫌悪感すら覚えるという人もいるかもしれません。
そういうわけで実際のところ、私はこの作品が大好きですが、あまり他人におすすめしません。それは単純に「私はこの作品をとても好きだが、はたしてこの作品をおすすめした人が私ほどこの作品を好きになってくれるだろうか」という点に大いなる疑問があるからです。この作品はかわいいキャラクターときれいな作画の割に、意外と残酷で醜いエゴの物語で、偽善と独占欲の物語でもあります。
エゴと社会の対立軸
この作品が意外と多くの人にウケない理由の一つは明らかです。キャラ設定の面で、とくに男性キャラクターはかなりクセが持たせられています。基本的にそれぞれのキャラクターがコンプレックスを持たせられていて、とくに現実社会で実際にコンプレックスを抱いて生きている人には非常に息(生き)苦しい作品に思えるところもあるかも知れません。そしてそうしたコンプレックスを抱えていることが、周囲から理解されない自分という図式を心的に構築し、さらなる劣等感に繋がり、人付き合いを難しくし、歪んだエゴイズムを生んで、個人を社会から孤立させるのです。
ここにいる人物たちは過去のある時点で人生を取り戻せなくなったと自覚しており、そしてその忘れられない過去に囚われ、生きたくもない自分の人生を生きているわけです。それはとても見苦しく見えるでしょう。共感しづらい苦悩もあるでしょう。しかし、作中でどのようにそうした苦悩が克服されていくかを見ていくことは大きな何かにつながるかもしれません。
生きていればどうしても取り返せない過去というものは蓄積されていきます。人は生きていくだけで痛めつけられるかも知れない、だから赦しが必要とされているのかも知れません。今のように苦しいときは特に。
さらに興味が湧いたら
あえて今回は3作品挙げようと思います。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」の2作品は私の中では連作として鑑賞したい作品です。
「俺はまだ本気出してないだけ」には笑いの先に深い含蓄があります。
見どころ
- 痛々しい話
- 心に刺さる
- 人間ドラマ
- 成長ドラマ
- 過去の克服
こんな人におすすめ
- 青春ものが好き
- 人情ものが好き
- 成長物語が好き
- 逆境物語が好き
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