エレコム ハイレゾ対応 ステレオイヤホン カナルタイプ 12.5mm ドライバ ゴールド EHP-CH2000GD
おすすめ度*1 |
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ASIN |
ELECOMのハイレゾ対応イヤホン。装着感はやや硬めでしっかりしており、遮音性はそこそこ高く、音漏れも目立たない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズはほとんどない。
【2】音質
独特の、アタック感の強いパーカッション表現とぎらつく感じのある弦楽・ピアノ表現が特徴的で、全体的にはドライ傾向が強い。ややビターな感じのドライな下味の上に、これらぎらつく音が炭酸のように刺激的で若干ひりつく味わいを加えていて、キレのよい爽快感につながっている。ただ重厚さはうまく出ず、表現としては厚みが出づらいところが人によっては軽薄でスカスカした感じに思えるかも知れない。
[高音]:天井感が少しある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:弦楽やピアノに金属的な精彩があり、パーカッションもシャリッとしたドライさがあって、アタック感も良好。空間表現はそれほど広くない印象。
[低音]:中高域に被らない。振動がしっかりしており、減衰は素直。ブーミーだが厚ぼったい感じではなく、上はしっかり床面を作り、残響は下方向に落ち着いていくような感じがする(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:頭を包み込むイメージ。奥行き感はそれほどない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:火花散るといった表現が良く似合う。ドラムは表面張力に粘りはあまりなく硬めでパチパチした感じ。アタック感が全体的に強めだが、シャリッとしていて硬質なところもあり、独特の臭みはある。アタック感のあるスカッとした爽快感と感じるか、薄っぺらいシャリシャリサウンドと感じるかは微妙なところで、閾値に近い感じであり、人によって好みが大きく分かれそう(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルはのびやかさはやや弱く、ややドライ傾向。
【3】官能性
Aimer「Noir! Noir!」はほどよく深みと躍動感のある低域がまず魅力的。奥の方の音はややガチャガチャするが、パーカッションにパンチがあってまとめあげ力強く前方に押し出していくので、雑然さは出ない。ボーカルは楽器の真ん中に位置している。
supercell「ヒーロー」はややブーミーな低域がしっかり。パーカッションはドライで硬質なので、パーカッションの利きが強いこの曲は全体的にその色合いに支配される。アタック感は良好。ボーカルののびやかさはそこそこでやや行って来いには感じる。
池田綾子「今逢いたい」は比較的重厚な曲だが、このイヤホンで聞くとあまり重さは感じない。それはおそらく弦楽の音が煌びやかなせいで、その華奢な色彩に意識が行くからだろう。ピアノの色彩も明るく、軽めでキラキラ。ボーカルはドライだが、楽器音の煌めきが曲を主導している印象だ。
いきものがかり「遅刻しちゃうよ」はかなりこのイヤホン向きの曲。パーカッションとギター、ベースの色彩とアタック感が思う存分出ていて、しっかりとリズムを刻みながら力強く前方に押し出していく展開性の高さが心地よく、疾走感に見落ちている。パワフルなドラムが音場そのものを元気に躍動させ、力強いボーカルが活力を与えてくれる。
【4】総評
音質が好みなら、コスパは文句なく良い。味付け的にはロック向き、それもドラムが元気な弾けるソフト路線のポップサウンドに合う。そういった意味でアニメ曲にも表現的にはふさわしいが、ボーカルの表現はやや物足りない。どちらかといえばパーカッションの表現を楽しむ感じになるだろう。クラブサウンドは若干ガチャガチャするところがあり、奥行き感もあまり出ない印象で中毒性には欠けるとは思うが、疾走感は出るので悪くないはず。
【5】このイヤホン向きの曲
弾けるパーカッションを楽しむならこの曲。ドラムの弾けがよい。やや硬質でパチパチとした火花を感じさせる。ハイハットも火の粉のように粒感とアタック感に満ちている。ボーカルはややドライ。
エレコム ハイレゾ対応 ステレオイヤホン カナルタイプ 12.5mm ドライバ ゴールド EHP-CH2000GD
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。