KINDEN WEウッドヘッドホン 密閉型オンイヤー ノイズキャンセリング ダイナミックHIFI WE-BK 胡桃木
おすすめ度*1 |
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ASIN |
木目調の外観に味わいがあり、高級感があるので物欲を満たしてくれる。しかも金属製のものに比べて軽量で頭の負担にならない。
厚みのある柔らかなもふもふしたイヤーパッドがなかなか良質。最初はかなり蒸れるかと思ったが、ほどよい通気性があるのか数時間使用しても意外と蒸れてこない。ヘッドバンドもクッションでくるまれていて装着感は良い。
遮音性はそこそこだが、半開放なので音漏れは目立つ。外出用ではない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品は携行ケース、二股変換プラグ、6.35mm変換アダプタ、着脱可能な3.5mmオーディオケーブル。このケーブルも編み込み加工されていて取り回しが良く、タッチノイズもない。
【2】音質
音質的には全体としてはフラットに感じる。やや下方向にやわらかに響く厚く深く低域の土台の上に、抜けが良くすっきりした味わいの中高域が広がる。低域をしっかり近くに閉じ込めながら、中高域はきれいにのばしていく典型的な半開放で、音に圧迫感がない。アタック感はそれほど強くなく、どちらかというとゆったりした感じだが、低域の基礎がしっかりしているので密度感は失われていない。なお半開放的な特性のせいか一定程度音量を上げないと中高域の背景的な楽器の精彩が落ちるので、十分な音量で楽しめる環境での利用に向く。音量が耳に刺さることを気にする方は半開放なので音量を上げても耳に痛くはなりにくい傾向はあることを一応述べておく。
[高音]:抜けが良く、高さもそこそこ出る(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中域は抜けが良く、音が篭もらずにスカッとしている。圧迫感がないので聞き疲れしにくい。
[低音]:厚めの存在感のあるややブーミーな音。振動に荒れはなく、60hz~50hzくらいでかなり沈む形で減衰していく。ドラムは熱量のあるボボンボボンという音。アタック感は強くないが重量感は満点でエネルギッシュ。中高域にはかぶさらない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:空間的には低域が目下近くに意識されやすいので、頭を包み込む球状に感じる。高さ的にはやや奥向きに開放されていくイメージ(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:熱量のあるドラム優位で展開する。抜けの良いハイハットにはふわりとした軽めの味わいがある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは自然な味わいだが高さは感じられ、奥向きに綺麗に抜ける。
【3】官能性
SPYAIR「Come on」は厚みのある熱気のあるドラムと重みを加えるベース、そして中高域で開放的に歌い上げるボーカルに妙味がある。表現としてはだいぶ重厚でややドライになっている。
May'n & 中島愛「サヨナラノツバサ ~ the end of triangle ~」は弦楽ののびやかで精彩のある音がいやおうなく情感を盛り上げる。アタック感はそれほど出ないので疾走感というか迫真さにはやや欠けるところはあるが、一方で重厚さは増していて、シネマティックな厚みのある表現になっている。厚い低域の雲の上を弦楽の光を纏いながら、mのびやかにデュエットが混じり合いながら飛翔していくような感じは圧巻。
さユり「フラレガイガール」はボーカルの抜けの良い、やや軽い淡い感じと、精彩感のあるピアノ、低域の重みとの対比が面白い。後半楽器が増えても充実した低域と重なってガチャガチャせず、篭もったうるさい感じにならない。
春奈るな「Stella Breeze」は躍動的で生命的な低域に元気に弾むボーカルが味わい深い。低域に圧迫感が出やすくボーカルもややガチャガチャしやすい曲だが、抜けが良いこのヘッドホンなら心配無用。密度をしっかり出しつつ、さっぱりと音が抜けるので爽快感が残る。
【4】総評
付け心地はなかなか良好で、デザインにも気品がある。最近流行のハイレゾ対応でないが、低域がしっかりしており、密度のある表現になっていて生命的な音場を感じる。低域の鳴りがよいが、アタック感はそれほどなく、振動感はないのでライブ音源はあまり臨場感は出なかった。抜けは良いのでロック音楽も悪くないが立ち上がりが若干緩い感じにもたつきを感じるかも知れない。弦楽とピアノがかなりきれいに出るので、サウンドトラックやヒーリングミュージックみたいなものは味わい深い。
音質面でのコスパは標準的なレベルと思えるが、使い勝手やデザインの良さを考えると良好。インテリアとして飾って楽しむことも出来る。
【5】このヘッドホン向きの曲
ピアノの鮮明な色合いと空間にきれいに溶け込んでいく抜けの良さ、生命的な音場を作る低域とのコラボレーションを味わうならこの曲。
抜けの良い開放感を味わうならこの曲しかない。ボーカルと金管ののびやかさを味わえる。
KINDEN WEウッドヘッドホン 密閉型オンイヤー ノイズキャンセリング ダイナミックHIFI WE-BK 胡桃木
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。