ONKYO ハイレゾ対応オープンエアー型インドア用ヘッドホン A800B
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「イヤーマフが柔らかく、装着感は良好です」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「レトロデザインです」
- 【3】音質「柱のある安定感がしっかりした床面と中域、疾走感のある高域」
- 【4】概括
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【1】装着感/遮音性/通信品質「イヤーマフが柔らかく、装着感は良好です」
ASIN | |
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B01N64JUOS | |
スペック・評価 | |
再生周波数帯域 | 4~40000Hz |
インピーダンス | 32Ω |
感度 | 100dB |
ドライバー |
マルチレイヤーダイヤフラム 50mmハイパワードライバー |
独特のレトロなデザインのヘッドホンです。なかなか最近見ないデザインで、ヘッドバンドが太いのが特徴です。開放型なので遮音性はありません。重量的にはやや重い感じではありますが、首に負担をかけるほどの重みは感じないと思います。長時間使用では多少疲れを感じるかも知れません。
テスト環境
今回のファーストインプレッションのテストはFiiO M15を使って行っています。ゲインは「高」設定です。
装着サンプル
【2】外観・インターフェース・付属品「レトロデザインです」
付属品は3.5mmステレオミニへの変換プラグです。
【3】音質「柱のある安定感がしっかりした床面と中域、疾走感のある高域」
周波数特性イメージ(試験運用中)
※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。
レコーディングシグネチャー(試験運用中)
レコーディングシグネチャーはバイノーラル録音されていますが、品質は良くありません。低域は抜けやすくなるので、イコライザーで低域を持ち上げていますが、それでも充分出ていません。したがって聴いたそのままの音質とは異なりますので、あくまで参考情報ということでお願いします。
原曲
銀の意志 Silver Will / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ファーストインプレッション
スマホで鳴らしてもまあ悪くないかもしれませんが、推奨しません
インピーダンスが32Ωです。感度的にもちょっとスマホで鳴らすのはぎりぎりかなと思ったのですが、Galaxy A30で鳴らしてみたところ、普通に悪くないような気がします。まあこのクラスのヘッドホンをせっかく楽しむのですから、DAPで鳴らしたり、アンプを通して鳴らした方が良いでしょう。
パワフルな低域とスピード感のある中高域、存在感のある女声ボーカル(TrySail「コバルト」)
低域にやや強調点があり、床面は充分にパワフルです。やや柔らかいキックかも知れませんが、アタックは充分にあるので埋もれることはなく、リズム感は良好です。
中高域以上は手がかりは多めですが、光沢感は抑えめで、高域はすっきりとした音でマイルドに聞こえると思います。スネアはアタックが強調されており、打ち込みにスピード感が感じられるようになっています。スナッピーのきらびやかさは抑えめになるので、スピード感はあっても派手さを抑えた、落ち着いた雰囲気があります。こういう調整の場合、鳴りにくいスネアを強く叩いている雰囲気が出やすく、やや使い古された感じはありますが、パワフルな打ち込み感が意識されます。
女声ボーカル好きにはこのヘッドホンは一般に好ましく思えるはずです。女声ボーカルには柱となる軸が感じられて力強く、媚びにつながる煌めき感もしっかりとあるので、この曲のような適度にパワフルで激しい曲でも埋没感はありません。
軸のしっかりした音楽、開放的な空間(ZAQ「Alteration」)
女声ボーカルの軸立ちが良好であるという話をしましたが、この曲でも同様にしっかりと実体感のある声色が楽しめます。やや情報量が多く、ガチャガチャしやすい曲ですが、ボーカルに埋もれる感じは全くありません。スネアが派手すぎず、硬すぎないのでリズムに弾ける感じは少し足りないかも知れませんが、その代わりパワフルな打ち込み感とボーカルを邪魔しない音の落ち着きがあります。
高域は奥行きを出しつつ、少し後退していくので、光沢感のある電子音の音像はやや安定的に聞こえますが、一方でその上側で明るいハイハットに近い電子音は派手目にアタックするので、こういうダンス曲でも充分なスピード感があります。
ロックは重厚感が強調されます(22/7「空のエメラルド」)
ロックでは重量感と柔らかみがありつつもパワフルな低域ドラムがまず特徴的です。重みはやや強めなので、どっしりした感じが好きでない人にはやや敬遠されるかもしれませんが、アタックはあるので鈍重というわけではありません。ライブ感を重視しているのか、どちらかといえばベースとは調和的な味付けになっているので、低域はどちらかというとブーミーと言え、クリアではありません。ただ穏和で暖かみがあり、朗らかな雰囲気を持ってしっかり下から音楽を下支えしてくれます。低域は胴鳴り感も充分にありますが、やや中域との分離が不明瞭かもしれません。
一般に量感で不足は感じることはないはずなので、女声ボーカルはじめ音楽は充分に張りのある音で聞こえます。音楽の軸はしっかり立っています。横の広がりも良く、楽器音が充分に広がりを持って聞こえてきます。エレキギターのクランチ感はやや強調されており、アコースティックギターには尖りすぎない穏和な黄金色の刻みがあります。このあたりの艶やかさや粒立ち感を出す感じが、手がかりと色づきとなって、ボーカルを支えるとともに曲全体のメリハリの焦点となっています。
色づきはよいが、ややのびやかさには欠けるかも知れない(FLOW「DAYS」)
中高域の色づきや手がかり感は悪くないので、結構艶やかな雰囲気が出ますが、バイオリンはコシがあるというか、少し太い雰囲気で感じられると思います。前に出てきて、少し横に広がる感じがありますが、人によっては高さを感じづらいかもしれません。アタックは良好で歯切れは良いので埋没感はありませんが、高域まですらっと伸びるスマートな弦楽が好きな人にはもうちょっと縦軸の雰囲気が欲しいと思うかも知れません。
男性ボーカルは太さがあり、柱が立っています。一般にこのヘッドホンは男女ともにボーカルフォーカスがよく、存在感はたっぷりに聴かせてくれます。またハイハットは煌めき感は清潔にアタック良く聞こえるので、清潔で細かな風切り感のある刻みのある疾走感の感じられる音になります。
【4】概括
やや低域が強めで、しかもベースとドラムキックがぶつかって聞こえやすいこともあり、モコモコした感じが強いかも知れません。アタックは充分なので混濁感は強くないと思いますが、それでもブーミーな感じはあるので、クリアでない低域が嫌いな人には好まれません。一方で調和的でライブ感のある雰囲気が好きなら、魅力的に映るはずです。
ボーカルの軸がよく立って柱のように力強く聞こえるため、ボーカルフォーカス感を好む人にもおすすめできます。中高域で手がかりと艶やかさを出しつつ、高域でクラッシュ感を少し清潔にアタックさせながら目立たせることも忘れていないので、ロックも充分に楽しめると思います。エレキギターサウンドには個人的に、ディストーションよりかはクランチ感重視といった雰囲気を感じます。とはいえ、ディストーションが出ないというわけではありません。
ONKYO ハイレゾ対応オープンエアー型インドア用ヘッドホン A800B
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