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【オープン型イヤホン final Piano Forte II(FI-PF2DBL3) レビュー】カナル型全盛の時代に登場したオープン型。清潔感のある中高域は魅力だが、カナル型と全く異なる装着感をどう捉えるか

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final Piano Forte II(FI-PF2DBL3)

final ダイナミック型イヤホン Piano Forte II BLUE FI-PF2DBL3-A

 

おすすめ度*1

final Piano Forte II(FI-PF2DBL3)

ASIN

B00ZEHRGRO

 カナル型全盛の時代に珍しい、オープン型のイヤホン。カナル型に比べるとやや心許ないような、ゆるっとした装着感で、最初はちょっとしたことで耳から外れないかと心配になるほど。プラスチックが直接耳に当たるため、慣れるまでは痛いところもあるかも知れない。

 遮音性については、最近はオープン型は稀なので、カナル型基準となるが、遮音性は低い。音漏れもさすがにカナル型に比べると漏れる。それでもだだ漏れな感じではなく、頑張っている印象はある。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 ケーブルはタッチノイズがほぼない。

final Piano Forte II(FI-PF2DBL3)final Piano Forte II(FI-PF2DBL3)

 

【2】音質

 装着方法によってかなり音質が変わり、最初は少しねじってみて音が良く聞こえるところを探す感じになる。音質的には中高域の発色がよく、低域はやや精彩に欠ける印象。高域寄りのフラットといった感じだろうか。中高域に限ればかなり良質に感じられる。

 

[高音]:しっかりと出ている印象。のびやかさもあり色づきもある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:全体的に発色が良いが、弦楽よりはピアノのほうが精彩がある。

[低音]:ボーッとした低めの音。振動の減衰は素直(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:やや平面的。密度が高め(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:立ち上がりはそこそこ。メリハリはあってキレはなかなか(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルに色彩感とのびやかさがあって、味わいがある。しかし音の傾向が素直で単調に感じられる声質になりやすく、量感が余って耳に痛くなりやすいところもある。

 

【3】官能性

 いきものがかり「茜色の約束」はややボーカルが強く出過ぎる傾向があり、耳に痛い場面がある。楽器音には精彩があり、艶が乗っている。また密度もしっかりしていて、空気感にもつながっている。一方で弦楽の表現は色気はあるが、揺さぶりがなくやや単調に感じ、情感がいまいちな気もするが、これは個人差がありそうだ。

 山崎あおい「恋の予感」はボーカルがやはり若干強めでキンキンするところがある。いきものがかりもそうだったが、ボーカルが力強く勢いのある曲は他の曲と比べて音量を下げる必要があるかも知れない。密度感はしっかりしており、色彩感は強い。

 大塚利恵「ワルツ」は密度感高めで濃密だが、低域が控えめなため、床面の重厚さは出ない。ボーカルは高みまできれいにすーっと伸びていくので妙味はある。

 分島花音「killy killy JOKER」はドラムの弾みが良く、弦楽も明るい色彩。全体的に軽快な味わいになっている。ただこの曲はライトロックの疾走感に弦楽の深みが交わることでその化学反応が起こすアンビバレントな味わいを楽しめる中毒性があるのだが、正直言って弦楽の渋みが足りず、その点はやや物足りなく思える。その渋みを多少味わおうとして音量を上げると、ボーカルのサ行の刺さりが出やすくなってしまい……。

 

【4】総評

 珍しい開放型でカナル型の付け心地がどうも好きになれないという人には選択肢になり得る。音質的にも価格以上の魅力は感じるので装着感が気に入れば素直におすすめ。問題はその装着感で、カナル型のしっかりした装着感になれてしまうと、このイヤホンの装着感は硬く、しかも危なっかしく思えてしまう。使っているうちにギャップは消えると思うが、最初はどうしても気になって音に集中できない。また外出時に携行するには遮音性や音漏れの問題がネックになる。

final Piano Forte II(FI-PF2DBL3)

 

【5】このイヤホン向きの曲

 密度感のある表現とその厚みを素直に突き抜けていくボーカルを楽しめる。力強いと言うよりは、細く貫いていくような声質なのでこのイヤホンでも耳に痛くなりづらい。高域はオープン型の特性で刺さり無くきれいに抜けてくれるので開放感が絶妙。クラブサウンド風のデジタルな音色も情感表現がやや不得手なこのイヤホン向き。(Choucho「Telescope」)

 

final ダイナミック型イヤホン Piano Forte II BLUE FI-PF2DBL3-A

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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