※この記事はLinsoulから許諾を頂いて翻訳したものです。著作権はLinsoulにあります。
ヘッドホンは、頭の周りに設計された個人的なコンサートホールと考えることができます。
部屋中に音を響かせるラウドスピーカーとは異なり、ヘッドホンは個人的な音楽鑑賞のためのものです。ラウドスピーカーのための音響空間を設計することは、音波が表面でどのように反射するかによって、非常に難しい場合があります。音響ダンパー、部屋の大きさ、平行な壁や表面などの要因によって、部屋の中での音の聞こえ方が変わります。
Hi-Fiヘッドホンの利点は、これらの要因を、周囲の部屋を変更することなく、ヘッドホン内でよりよく制御できることです。ヘッドホン内の「音響的な部屋」をコントロールする最大の要因の1つは、使用するバックのタイプ(オープンまたはクローズ)です。
クローズドバック(密閉型)ヘッドホンは、ヘッドホンの背面をしっかりと覆っているタイプです。このタイプは、外部の騒音とヘッドホンの音の両方から、より優れたサウンドアイソレーション(遮音性)を提供します。
オープンバックタイプ(開放型)のヘッドホンは、音が漏れることが多く、周囲の人にヘッドホンの音が聞こえてしまうため、オフィスなどでは問題視されることがあります。特に騒がしい場所やヘッドホンの音が気になる場所では、密閉型のヘッドホンを携帯用として使用するのがおすすめです。
一般的なダイナミックドライバーや平面駆動型ドライバーは、低音域のレスポンスをコントロールするために、一定レベルの空気の流れが必要です。ヘッドホンメーカーは、低音域のレスポンスをコントロールするために、ドライバーの裏側に音響ダンパーメッシュとフォームを使用しています。
この点、密閉型ヘッドホンは、ドライバーに利用可能なスペースと空気を明確にすることで、低音域レスポンスをよりよくコントロールすることができます。クローズドバックヘッドホンは、オープンバックヘッドホンに比べ、重低域が若干高くなることが多く、その低音は、よりドッシリとしたインパクトのあるサウンドになると言えます。
一方、オープンバックヘッドホンは、ヘッドホンの裏側に半開きの通気孔があり、空気の流れを妨げないようになっています。これにより、ラウドスピーカーに匹敵する、よりリアルな音場と音の「空気感」が生まれます。オープンバックヘッドホンは、よりニュートラルで自然な低音域のレスポンスが得られます。ハイエンドヘッドホンの多くは、より自然で透明感のあるサウンドを実現するために、オープンバック型が採用される傾向にあります。
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