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【中華イヤホン IKKO OH1S ファーストインプレッション】正統派モニター系サウンド。ディテール感に優れるが、多くの人にとって、リスニングで使うには明るすぎる音

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IKKO OH1S

IKKO OH1S

 

 IKKO AudioのIKKO OH1Sを手に入れたので、ファーストインプレッションをお届けします。

 

IKKO Audioについて

 IKKOの公式サイトによれば、IKKOのイヤホンデザインのコンセプトは、「自由」と「原音忠実性」にあり、外観と音質の双方で高品質な体験をもたらすことを目標としているようです。

 

  • IKKO aims to promote the new concept of “freedom” and high fidelity for music lovers in the context of the rapid development of modern digital music.
  • IKKO is committed to integrating the new era of digital life design concept into unremitting innovation, bringing superior audio-visual experience.

 

IKKO’s design philosophy:

  • Through our excellent product experience, our mission and value have been completely new interpretation. Through the concept of product design, modern people are closely integrated with the “mobile Internet” lifestyle.
  • Simple and clear operation, natural and comfortable experience, is our product design a consistent choice. At the same time. We require that all product designs, processes and performance be kept up to date and constantly innovated.
  • IKKO constantly explores the aesthetics of life and constantly presents the product concepts of the current era to the world, allowing consumers to fully enjoy the joy of life in unexpected ways.
  • What we insist on doing is to make IKKO bring you the sensory world and touch music’s soul experience with higher quality and simplicity.

 

Excellent ergonomic design:

  • Based on a wide range of ergonomic design principles and simulation of wear test data, IKKO designs a high-quality product appearance and experience
  • IKKO’s ultimate pursuit of products is reflected in its requirements for all details

 

Excellent tuning techniques:

  • Ikko has rich experience in audio tuning to ensure that the sound performance of each product is impressive enough.
  • Ikko makes full use of sound technology and carefully polishes every detail in order to meet your high-quality requirements for sound quality.

 

 IKKOは、現代のデジタル音楽の急速な発展の中で、音楽愛好家のために「自由」と「高忠実度」という新しい概念を広めることを目指しています。
 IKKOは、新時代のデジタルライフのデザインコンセプトを絶え間ないイノベーションに統合し、優れたオーディオ・ビジュアル体験をもたらすことを約束します。


IKKOのデザイン哲学

 優れた製品の経験を通して、私たちの使命と価値は全く新しい解釈を得ました。製品デザインのコンセプトを通じて、現代人は「モバイルインターネット」のライフスタイルと密接に融合しています。

 シンプルでわかりやすい操作、自然で快適な体験、これが私たちの製品デザインの一貫した選択です。それと同時に。私たちは、すべての製品デザイン、プロセス、パフォーマンスが常に最新の状態に保たれ、常に革新され続けることに意を注いでいます。

 IKKOは常に生活の美学を追求し、今の時代の製品コンセプトを常に世界に提示し、消費者が思いがけない方法で生活の喜びを十分に享受できるようにしています。

 私たちがこだわっているのは、IKKOがより高い品質とシンプルさで、感覚的な地平を広げ、音楽の魂に触れるような体験を実現することです。

 

優れたエルゴノミクスデザイン

 IKKOは、人間工学に基づいた幅広い設計理念と、摩耗試験データのシミュレーションに基づき、高品質な製品の外観と体験を設計しています
IKKOの製品に対する究極の追求は、すべての細部に対する要求に反映されています。

 

優れたチューニング技術

 IKKOは、各製品のサウンドパフォーマンスが十分に印象的なものとなるように、オーディオチューニングの豊富な経験を持っています。

 IKKOは音響技術を駆使し、細部まで丁寧に磨き上げることで、お客様の高品質な音質へのご要望にお応えします。

www.ikkoaudio.com

 

これまでのIKKOについての簡単な紹介

 正直なところ、IKKOについては私は複雑です。IKKO OH1を初めて見て、聴いたとき、それは私の完全なお気に入りの一つになりました。OH1が出た当時はMoondropやFiiOと比べてもおしゃれで豪華なパッケージデザインで、中華イヤホンでここまで作り込めるブランドが出たのかと驚きましたね。

 IKKO OH10はOH1をさらに低域、高域両方で拡張したサウンドと言え、上位互換とも言えるようなところがありました。

 この頃のIKKOはかなり好きでしたね。

 

 個人的にあかんと思ったのはIKKO OH7 Musikvです。聴いた途端に「は?IKKO、これはちょっとどうかな?」と思ったサウンドで、低域がとにかく濃ゆい、チューニングした人の趣味丸出しの音で、デザインも妙に貴族趣味的なところもあり、万人受けしないだろうなというイヤホンでした。どっかのレビューでもサウンドがユニークすぎるって書いてあったかなw

 聴いてみて私も「うん、クセ強すぎ。売れなさそう」って思いましたね。ただIKKO的には本物の低域を実現するのは高域より難しいと考えているらしく(私はイヤホンの原理を考えると、そう思わないけど)、Musikvの低域の深さはイヤホン史上最高クラスだと思っているそうです。私は低域好きには、MusikvよりSoundPEATS T2をおすすめしますけどね。

www.audio-sound-premium.com

 

 1万円~5万円未満くらいでわりといい音作りをしてたのに、5万以上クラスになるととたんに変な音作り始める、中華イヤホンあるあるです。中華イヤホンは基本的に1万円未満要警戒、5万円以上要警戒です。

 

 さて、最新のOH1Sはどうでしょうか。

 

サウンドインプレッション

 IKKO OH1Sを聴いてすぐに理解したのは、IKKOがOH1Sでは、明らかにこれまでの考え方を捨てたということです。彼らはOH1→OH10→OH7と進むうちにどんどん低域の沼に嵌っていくように、その深みと重み、濃さを強調していきましたが、OH1Sはむしろ低域をばっさりカットしましたw

 OH1Sを聴いた途端、私が「あれぇ?」と首を傾げたのはそういう理由です。第一印象はブライト系のかなりキンキンしたモニターイヤホンのサウンドになっていたので、びっくりして「イヤーピースのサイズ間違ったかな?」とか考えたくらいです。

 

IKKO OH1S

 

 IKKO OH1Sのサウンドの私の印象を一言で言えば、それは「SONY MDR-7506のようなサウンドをイヤホンで実現している」といったところです。MDR-7506のほうが実際にはもっとボーカル重視ですが、ディテール感重視で分析的に聞かせようという傾向は似ていますね。

www.audio-sound-premium.com

 

 客観的サウンドバランス(原音忠実性)での評価となるオーディオステータスを確認しても、高域は歯擦音がちょっときつすぎる印象を受けますが、全体のバランスはかなりよく、原音忠実度は高いと言えます。

IKKO OH1Sのオーディオステータス

IKKO OH1Sのオーディオステータス


 実際の聴き心地では、明らかに歯擦音が強く、子音が尖りがちで、サ行は刺さりやすく、たとえば下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」を聞けば、「シ」やら「ツ」やら「チ」やらがことごとくピーキーで、楽器音も全体的に輪郭が強調されすぎてガチャガチャして聞こえやすいですが、反面、分離感は強調され、音像はシャープで音数は多く感じられるので、モニター的に聴くには悪くないでしょう。スースーしがちで風通しが良すぎる印象を受けますが、清潔感があるサウンドと言えます。

 まあトレブルヘッドなディテールジャンキーには合いそうですが、一般人には曲によって女性ボーカルがいきなり尖って聞こえるようなところがあり、リスニングに使うには情緒不安定に思うかもしれません。

 

 しかし、私の評価スキームでは原音忠実度、Neutralityともに完璧に近いので、質感や定位感の表現も秀逸で、モニターイヤホンとしては最高クラスに優秀と言えます。

 

まとめ

 IKKO OH1Sには率直に言って、非常にアンビバレントな感情を懐きます。それはたしかにIKKOが少し道を踏み外しかけていた自らの目標である「原音忠実度」の高いサウンドに時計の針を戻したと言えるところがあり、歓迎すべき点もあります。ブランドが行き過ぎた奇妙な低域偏重主義から帰ってきました。

 少なくともサウンドバランスについて、それは私がこれまで聴いてきたどのイヤホンよりも良いと言うことは不可能ではありませんが、高域のピーク感と基本的に過剰なブライトネスがすべてを台無しにしています。非常に詳細で素晴らしいバランス感覚がありながら、そのサウンドは明るすぎ、歯擦音をコントロールできておらず、一部の曲を聴くと、単純に不快な印象しか受けません。ちょっとやりすぎています。低域偏重主義が治ったのは良いが、今度は高域偏重に傾いたようです。

 巷に溢れるOH1Sに対する失望の声の原因は明らかです。OH1SがIKKOのこれまでの多くのファンを置き去りにしたことは間違いないでしょう。彼らがこういうものを求めていなかったことは、これまでのIKKO製品の歩みを見れば明白です。しかし、私は彼らが言うほど、OH1Sのチューニングは実際には悪くなく、それは実用的だとさえ言うことができますが、それを多くの人におすすめするのは困難です。結局Moondrop AriaStarfieldThieAudio Legacy 2TForce Yuan Liといったイヤホンがより良好なモニターイヤホンとして推奨されます。

 

 このサウンドは明らかに一部のディテールジャンキーやトレブルヘッド向きです。つまり非常に輝度と明度が高い、眩しすぎるくらいの高精細なモニターサウンドが好きな場合、OH1Sを検討する余地があるでしょう。低域は基本的に埋没するので、ベースヘッドには向きません。中域の音像、とくにボーカルを重視するオーディオマニアにも歯擦音が強調されすぎる点が難点となるでしょう。人によってはこのイヤホンが耳を殺すとさえ思うかもしれません。

 

 最後にOH1Sには製造品質が一定していないという指摘があります。実際のところ、私のカプラーでの測定値はCrinのそれTechpowerupのそれとは少し異なっており、Super Reviewのもの(とくにSample2)と比較的一致しています。これについては測定に使用したイヤーピースの違いの可能性もあるので、まだ詳しくはわかりません。しかし、真偽は不明ですが、Techpowerupが手に入れたサンプル間の音質的不一致を指摘している点は興味深いと言えるでしょう。

 

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