audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン デュアル・シンフォニックドライバー ATH-IM70
おすすめ度*1 |
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ASIN |
シュア掛けスタイルのカナル型イヤホン。装着感はそこそこ。遮音性はそれほどなく、音漏れもそこそこ目立つ。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。リケーブル可能。標準添付のケーブルのタッチノイズはほとんどない。
【2】音質
音質的にはモニターイヤホンということで生の音の鳴り方を重視している印象がある。フラットに近く、バランスが取れた印象で演出はほとんど感じられず、生臭いといった表現が合うほど生音剥き出しっぽい音がする。音には全体的につややかさがあるが、空間的には少し奥まるところがあり、個々の音はおとなしめに感じる。立ち上がりはよい感じだが、アタック感などの演出はほとんどなくややぬぺーっと抑揚のない感じがする。
[高音]:やや暗めに感じるが、つややかさがある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:広めの空間表現に貢献する。やや奥まるところあり。
[低音]:ドラムはほどよく弾け、ほどよく深く、ほどよく沈むとバランスが良い印象で好感が持てる。振動は柔らかく太め。100hz~30hzくらいまで素直に減衰する印象(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:立ち上がりは良い。全体的になめらかで空間はやや広め(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムの表現は丁寧に感じる。全体的に細かいが演出感は抑えめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルはつやつやしてのびやか。息遣いもよく出ている。ただ生音っぽいところがあるせいか少し暗めに思う。
【3】官能性
GARDNiDELiA「BLAZING」は緻密感は強いが、やや暗め。ボーカルは艶やかだが高域では若干暗くなる。息遣いは良く出ている。
Rasmus Faber「海の見える街 JAZZ Ver.」はなめらかでつややかなピアノに妙味あり。低域は大人びたビターな味わいで、全体的に音の表現は細かく、緻密さを感じさせる。
やなぎなぎ「ユキトキ」は立ち上がりが良い楽器音とボーカルの生々しい息遣い、自然な肉厚さに、ややすっきりとしながらもなかなかの味わいがある。
今井麻美「朝焼けのスターマイン」はしっとりしていて音にみずみずしさがある。ボーカルはやや暗め。
【4】総評
演出、味付けが少なく、音に自然なみずみずしさがある。上品で丁寧な表現に思うが、一方で迫力に欠け、やや暗めに感じるところもある。全体的にビターに味わえるので、どちらかといえばジャズ向きな印象だ。価格を考えるとバランス感覚よく、標準以上のレベルでまとめられている印象があるが、突き抜けた表現力は感じられない気がする。
【5】このイヤホン向きの曲
細かな音の表現の緻密さを味わうことができ、立ち上がりの良さのおかげで展開の楽しさもなかなか秀逸に出ている。(nano.RIPE「サクゴエ」)
audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン デュアル・シンフォニックドライバー ATH-IM70
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。