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【ワイヤレスヘッドセット SoundPEATS A1 Pro レビュー】ジューシーでスパイシー、弾けるスタイリッシュな表現力がクール。明朗かつ爽快なサウンドを求める人にはとくにおすすめ

ヘッドライン

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SoundPEATS A1 Pro

SoundPEATS(サウンドピーツ) A1 Pro Bluetooth ヘッドホン 高音質 AACコーデック対応 ワイヤレス&有線両用 [メーカー1年保証] 最大25時間再生 40mm大口径ドライバー CVCノイズキャンセリング搭載 マイク付き ハンズフリー通話 ブルートゥース ヘッドホン Bluetooth イヤホン ワイヤレスヘッドホン ブラック

 

おすすめ度*1

SoundPEATS A1 Pro

ASIN

B0761LGHCP

 硬めのバンドと厚みがあって柔らかいイヤーマフの組み合わせは比較的装着感がしっかりしている上に、耳当たりも良好。レビュー時期は冬なので蒸れ具合については質感から判断するしかないが、熱は篭もりやすいので結構蒸れるかも知れない。コンパクトなデザインで持ち運びも可能だが、折りたたみ式ではないので、若干かさばる点には配慮が必要。遮音性は高く、没入感があるが、一方で音漏れは結構目立つので外出時に使う場合は音量に注意。

 aptXには対応しない。通信性能は比較的安定していて、ごくごく稀に途絶というか細かい音飛びがほんの少しだけ見られたが、日常使用で今のところ再現率は極端に低いので、まず気にならないだろう。遅延はほとんどなく、動画鑑賞にも問題ない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリイング用の布袋、充電用USBケーブル、有線接続用AUXケーブル、日本語含む多言語マニュアル。

 

SoundPEATS A1 ProSoundPEATS A1 Pro

 

【2】音質

 このヘッドホンはAUX有線接続可能であるが、一般的な使用状況を考慮して、ワイヤレス環境での音質でレビューしている。

 

 音質的には爽快系で表現は低域を比較的薄く張りよく、中高域をしなやかに聞かせる。ドラムや爆発系の弾ける音の輪郭は出やすく、また弦楽にはリニアでシームレスな感じがあって、引っかかりが少なくスタイリッシュでのびやかな印象が強い。低域の量感には乏しいので、そういう方向の味付けを好む人にはサッパリしすぎて感じられるだろうが、曲に輪郭的なメリハリがしっかり出てくるので、中高域での多彩な表現を味わいたい人にはかなりおすすめできる。とくに曲の瞬発力は比較的きれいに出るので、展開の激しいロックサウンドやクラブサウンドの変化を味わうのに向く。全体的に曲の変化が強く出やすいので、曲展開に面白みのあるトリッキーで技巧的な曲に強い。かなり鮮明かつ細かく音が聞こえる感じがあり、若干聞き疲れしやすいかもしれない。

 

[高音]:印象としてはかなりクリアですっきりとした見通しの良い音でのびやかさも素直に感じやすく、中域との連携がスムーズ。中域での充実した展開をそのまま持ち上げて伸び上がっていくこの感覚は低価格ではあまりないだけでなく、類似品がそれほどないように思うので、ちょっとクセになるかも知れない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:個々の音がかなりまとまりよく味を出してくるので、定位感もそこそこあるが、それ以上に音の多彩さが織りなす密度に意識がいき、充実感のほうが感じられやすい。サントラ曲などを聞いてみるとわかるが、まず個々の音それぞれが中高域の高低がシームレスで分断される感じがなく、そのうえで音同士の関係もお互いが中心からのまとまりをクリアに残していてどれかがどれかに潰される感じがない。この価格帯のワイヤレスヘッドホンでこういう傾向の丁寧な表現はちょっと聞いた記憶が無く、正直本当にこれはワイヤレスなのかと疑ったほどだ。

[低音]:明らかに最初の印象では低域は魅力不足に感じるかも知れない。量感という面では中高域の明度もしっかりした密度感ほどの迫力は感じられず、いつもの低域の床面を感じなくて、足元の土台を外された印象があるかも知れない。深掘り感もない。しかし底が抜ける感じがないのは中低域の弾けと弾力性のある膜と中域そのものの充実が曲を支えているからだ。低域の音自体はたとえばドラムなら表面の張りと弾け、その下のわずかな振動といった感じで心許ないように思うが、実は中域の密度に目を奪われているだけで実際低域に意識を集中すると音は潰れず丁寧に響いており、いわゆる良質な低域といわれるようなタイトな音が音楽空間の全体を素材ごと支えていることがわかる。低価格モデルにありがちな、単純な量感で低域をやっつけようとはしていない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右と奥行きは結構出ているが、感覚的には何より個々の音の充実度が高いので、どちらかといえば音がクリアに近く感じられるだろう(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムやシンバルの質感がかなりクリアに出る。ドラムは重みと存在感は感じるが、重たくならないので、全体的になめらかで細かにきれいに塩をふるように展開していくように感じる。軽快傾向の味付け(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:低価格モデルでは久しぶりに聞いた気がするアルデンテな音。震えとのびの感覚がしっかりとあり、アルデンテパスタのようにのびて消えていく音の終端に震えの芯みたいな残響感が残る。同価格帯のaptX対応機種でもこの表現力はなかなか見ない。ボーカル表現を味わう目的だけでもこのヘッドホンに手を出す価値はあるんじゃないかと思う。

 

【3】官能性

 Choucho「優しさの理由」はリズムを中心にメリハリがしっかりしており、推進力の強い元気で明るい展開がよく出ている。そのうえ自由を感じさせる跳んで跳ねるボーカルののびやかさと止めの切り替えもよい。

 鈴木このみ「DAYS OF DASH」ではこの曲のかなり重要な表現ポイントである、低域の躍動感を伴ったドラムの重い沈みはこのヘッドホンではなぜかうまく出ない点だけは非常に残念なことである。中高域が低域を飲み込んでしまうところがあるのだろう。躍動感の上のほうのドラムの革張り感は感じられるが、どうしても地熱は出ない。さすがにこのヘッドホンも万能ではないということであろう。それを除けば、駆け足のステップを感じさせるリズム、吹っ切れたように貫いていくボーカルの勢いなど総じて満足度は高い。

 山崎あおい「伝える日」ではドラムの弾みはしっかり感じられ、メリハリに遜色はない。ボーカルの精彩と弦楽の色づきもよく、のびやかで情感も満足度は高い。ただし曲調としてはむしろ「君のいない夏なんて嫌いだ」のような情感表現と空間性の強い曲の方が断然薫り高い。

 Traysail「オリジナル。」は低域はステップを踏む足場だけを作る印象で厚みは感じられず、きらびやかな中高域を優しく受け止めている印象。この曲は多彩な表現で味わいポイントは多いが、デジタル色の強いはっきりした輪郭感のある効果音も弦楽も丁寧に表現されており、サビでの情感もしっかり出ている。

 

【4】総評

 安定した通信性能と中高域の明朗で緻密、爆発力もある表現に最大の旨味があるが、低域の存在感も薄くなりがちなものの、曲によって十分引き立って感じられる。鮮明でフレッシュな表現は楽しく、解像度もよく思えるが、聞き疲れしやすいところもあり、装着感も価格なりで長時間使用には向かないかも知れない。しかし価格を考えると、表現力はかなり「本物」でちょっとした感動を味わえるほど。ボーカルの表現力も価格を考えると申し分ないので、アニソンも問題ない。個人的にはロックサウンドやクラブサウンドをスタイリッシュな味付けで聞きたいときに最もその真価を発揮するように思う。

 

SoundPEATS A1 Pro

 

【5】このイヤホン向きの曲

 このヘッドホンでゾクゾクきたのがこの曲。実はこの曲の中毒性を満足に表現できるヘッドホンは個人的にかなり少ないんじゃないかと思う。というのも、ただ単に低域に量感を持たせただけではこの曲の味は出ず、タイトなシャープさがないと爽快感が味わえないからだ。そして量感重視のモデルだと大抵はボーカルが楽器に埋没してしまうようなバランスになってしまっているものも多い。このヘッドホンは個々の音はボーカル含めてクリアな上、エッジとメリハリが丁寧に表現されており、一見雑に見えて実際は高品質のガラス細工のようにスタイリッシュに仕上げられているこの曲の魅力を低価格ではちょっと他ではなかなか味わえないレベルで実現している。

 

 このヘッドホンの表現力を感じるのには、単純ながら技巧的な表現の強いこの曲も良い。曲名どおり、和楽器表現のエッジ感が出ないと単調でつまらない。とくに龍笛風のものと三味線風の表現が明瞭でシャープに聞こえてこないとこの曲の中毒性は出てこない。気が抜けてヒョロヒョロ出ると途端に興ざめだが、このヘッドホンでは震えがしっかりと余韻の芯になって心地よく耳に残るので軽薄にならない。また一方でこの曲は沈みと深みを感じさせる低域の表現力もうまく出ないとボリューム感に乏しくなる傾向にあるが、この曲の聴き応えからも単純に低域が出ないヘッドホンでないことはわかる。(祖堅正慶「The Edge」)

 

  個人的には多くの音響機器ではこの「言ノ葉」よりはカップリング曲である「Rain」のほうが魅力的に聞こえるが、それはこの曲の音が比較的チープに表現されやすく、わかりやすいリズム感の出る「Rain」より充実感を感じづらいからじゃないかと思う。だが、このヘッドホンで聞けば、霧が晴れたようにこの曲の繊細な充実感が味わえる。今までチープで単調だと思った音が鮮明さを増すととたんにさわやかで甘酸っぱい芳香を放ってきて、キラキラとした雨上がりの陽光が感じられるようになる。水木しげる的というか浅野いにお的というか新海誠的というか、背景のディテール感で引き立たせるこの曲の味わいをうまく表現してくれるヘッドホンだ。

 

 最近耳から離れず、朝も昼も夜も聴き続けている曲だが、この曲を濃厚かつ爽快なクリームソーダ風味に味わうなら、このヘッドホンは低価格では敵なし。効果音が多く、その表現の違いで途端に景色が変わるところのあるこの曲だが、このヘッドホンは明瞭な旨味をしっかり出しながら酸味を足した感じでシャッスチャッという感じのエッジの利いた輪郭感と濁りや湿りのない明朗な音を出してくれる。カップリング曲の「Endless Journey」も芸が細かく、緻密に味わわせてくれる。(水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」)

 

  この曲も印象的には比較的わかりやすいようで、実は結構技巧的で気持ちよく味わうためには意外とバランス感覚に優れる必要がある気がする。このヘッドホンで聞くと音が明瞭で味がしっかりと感じられ、低域が弾みよく返ってくるので曲が重くならず、中高域にも被らない。注目すべきはクライマックスとも言うべきサビ前から楽器音の傾向が入れ替わって味がぎゅっと変化するところの表現がいい。サビ前で上方向に一度開放されたエネルギーがもう一度凝縮されて下からこみ上げてえぐってくるその落差を、個々の楽器の「入り」を丁寧に描くことで、この曲の独特のカタルシスを遺憾なく表現してくれる。なおこの曲のカップリング曲である「カタオモイ(5th Anniversary Live ver.)」も必聴で、ギターとピアノの材質感まで感じられる充実したものとなっている。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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