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【DJヘッドホン OneOdio A71 レビュー】ほぼStuido Pro 002と同等の音を奏でることが出来るが、ドライバー口径の差かディテールと音場には差があり、より中域にフォーカスされて音が近く感じる。おすすめ

ヘッドライン

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OneOdio A71

OneOdio A71

【音源ミックス&音楽シェア】OneOdio モニターヘッドホン 音楽シェア機能 低音強化 DJヘッドホン 有線ヘッドフォン 密閉型 室内 宅録 A71

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」

おすすめ度*1

OneOdio A71

ASIN

B07WW57FH8

スペック・評価
再生周波数帯域 20-20000hz
インピーダンス 32Ω
感度 110±3db
ドライバー構成

40mmCCAWボイスコイルドライバー

音質傾向 低域重視、濃厚、ズドンズドン、どっしり、ズンドコ、ぎっしり、密度が高い、重みがある、音が太い、前進的、もっさり、ツヤツヤ、潤いがある、ぽかぽか、ウォーム

 本体は比較的軽量で側圧もそれほど強くありません。イヤーマフが吸い付くように側圧を抑えてくれます。遮音性はそこそこ高めです。

 熱は篭もりやすいので、夏場は汗がべっとり付くこともありそうです。

 

テスト環境

 今回のテストはAstell&Kern KANN CUBEHiby R6 ProONKYO GRANBEATで行っている。なおゲイン設定は低設定で聴いています。


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【2】外観・インターフェース・付属品「ケーブルは両出し」

 付属品は3.5mm/6.3mm両用出力ケーブル、3.5mm出力ケーブル、キャリイングポーチ、説明書です。

 興味がないので試してないためわかりませんが、有線接続時に左右に別の音源を繋ぎ、ミックスが可能だそうです。

 

OneOdio A71OneOdio A71



【3】音質「低域方向で豊かで、重厚感がある。中域にも厚みがあり、高域は閉じているものの、中高域に一定の艶やかさがある豊満なサウンド」

 で、音質なんですが、このヘッドホンは以前紹介したFuSion A7とドライバーは全く一緒で、A7の有線接続時の音質と変わりません。

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 音響のコンセプト的にはOneOdioのDJホンのスタンダードな音を踏襲していて、とくにStudio Pro-002と似通っている印象を受けます。おそらくPro-002のほうが上位機種的な扱いだと思われますが、価格と使い勝手はほぼ同等です。

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 相違点としては、Pro-002は50mmm口径ドライバーでしたが、こちらは40mm口径になっており、低域の量感と高域の発色、そして音場の広さに若干の差を感じ、こちらのほうがより音が近く、密度高めにはっきりしている印象を受けます。ボーカルフォーカスは相対的に向上している印象を受けますので、音楽全体のメリハリより、ボーカルをより聞きたい感じであれば、A71のほうが好まれる可能性は高いです。

 

 音楽的にはやや中域で押し出し感が強い、豊かな感じがあり、すでに述べたように必ずしも一番前ではありませんが、ボーカルフォーカス感は良く、低域にも充分厚みがあるので床面もしっかり感じられます。やや下に重い豊満傾向の音場になりますが、中高域もほどよく鮮やかで、やや上で奥行き感があるような音響になっています。

 ややパンチが強く、ボリューム感を重視した音楽になっているので、もっさりしやすいところはあり、人によってはやや篭もった感じに聞こえることもあるかも知れません。

 ボーカルはやや上で天井感を感じるところがあるので、のびやかではなく濃厚系の中域で厚みのある声色になります。楽器音も一般的にどっしりした厚みと深み重視で、地平線に音が落ち着く重厚感と安定感が感じられるでしょう。どっしりした音です。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
色味は濃いめで濃厚感がある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。低域のドンドコ、中域でも音の広がりを感じさせるところがあり、金管に一定の粒立ち感があるが、シンバルも少しマイルドでどちらかというと全体的な印象は柔らかい。
明るさ
(明るい/暗い)
普通。低域も重めではあるが、黒くなりすぎない。高域はやや暗い印象を受けるが、中高域でのツヤに光沢も感じられ、自然な明るさがある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域でツヤを強調する感じもあり、音もぎっしり系で前進的。全体的にやや音色を濃厚にたっぷり聴かせてくる感じがある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
柔らかい。ボーカルや楽器音は中域で温和で、低域もドラムが基本的にかなり膨らんで聞こえるので、全体的な印象は柔らかめになる。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。中高域以外で鮮やかにキラキラする感じがわずかに刺激的だが、基本的に音は膨張的で丸みを感じる。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。暖かみが強いので温和な印象を受けるが、低域の量感や中高域のツヤはやや強調するところがあり、人によってはやや押し出しが強く圧迫してくる感じに聞こえるだろう。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。低域にどっしりとした重みはしっかりと感じられ、低域は迫力重視になる。音場も前進的でしっかり密度を出してくる。
豊かさ
(豊か/貧弱)

豊か。全体的に前屈みで頭を囲んでくる没入的なサウンド。音も太く、色づきもしっかり。

太さ
(太い/細い)
太い。全体的に音が太い。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。基本的に膨張感があり、滑らかな感じがあるが、息感とギターエッジに少しシャープネスを感じる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
やや粗い。基本的に少し輪郭はぼけやすい。
清潔感
(澄んだ/濁った)
やや濁っている。ほとんどの曲で熱気が強い印象で、もやの中で音を聴くような感じはある。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。しっとり感は出やすい。
重さ
(重い/軽い)
重い。低域のどっしり感は強めに出る。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや濁っている やや濁っている

明るいか

(明るい/暗い)

普通 やや暗い

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

普通 やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

しっとりしている しっとりしている

太いか

(太い/細い)

太い 太い

濃いか

(濃い/薄い)

濃い 濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 普通

 

空間因子評価
ボーカル因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや深掘り感がある
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや前屈み

 

美点
  1. 音が全体的に太く、ボリューム感がある
  2. ウォームで豊か、聴き心地が安定している
  3. 低域が充分に膨らみ、足場をしっかり作る
  4. ライブ感が強い
欠点
  1. 清潔感に欠ける
  2. 女声ボーカルが暗く聞こえやすい
  3. 音楽がもっさりしやすい

 

[高音]:高域は基本的に閉じている。中高域では充分に鮮やかな色彩感が感じられるが、高いところに向かうともやっと消えていく感じがあるだろう(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はやや膨らみが強く、たとえばボーカルピアノは広がりが強く、豊満な印象を受け、甘味が少し強め。みずみずしい感じもたっぷり感じられ、ポップスなんかは非常に充実感して聴かせてくれる。

[低音]:振動のはっきりしたブーッという太い振動。100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域弦楽に厚みがあり、しっかり濃く深掘り感を出す。ドラムもどっしり、ベースはじんわりした感じをかなり感じさせてくれる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に密度感が高め。高域は閉じており、熱気が中域に集中する感じがある。床面も量感多めのパワフルサウンドで重い。選ぶ曲や好みによっては篭もっているという評価も出そうではあるが、ライブ感が高く、没入感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは床面方向が力強く、キックのズドン、フロアタムのどっしり感が強く出て重くパワフルな感じがある。反面、上辺はややゆるい感じがある。ドシンドシンに近い、バツンバツン。ハイハットはチリチリしたあたりに強調があるが、少し目立ちにくい。重厚でパワフル(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは濃く太め。女声ボーカルも濃い目の音で、やや天井感が出て厚みが出る。全体的に豊満なボーカル表現になるが、子音はほどほどはっきりしている。一般に派手さを抑えた輪郭のディテールの良い、歌詞の聞き分けやすいボーカルになる。

 

【4】官能性「量感的には低域重視だが、中高域の表現は意外と丁寧」

Kylee「大好きなのに」

大好きなのに

大好きなのに

【GRANBEATで鑑賞】わりと重厚な表現になるので、床面が分厚く、安定感がある一方、中高域は安定的でギターはディストーションが伸びるというよりは黒みを重視した重みのあるマッチョな音色になります。ボーカルも暗めで伸びに乏しく、むしろ肉厚にどっしり聞かせてくる感じになります。力強く迫力がありますが、高域のグルーヴ感は抑えめで、全体の印象は安定感重視のじっくり聞かせる感じになります。ボリューム感が楽しめ、聴き心地も安定していますが、外連味に欠ける印象はあるかも知れません。ライブ感は高めです。

 ぶっちゃけるとパワフルで力強く迫力もあるのですが、ボーカルが突き抜けに乏しく、安定的で切迫感に乏しいので、感情の昂ぶりがイマイチ感じられないかも知れません。

 


大好きなのに

 

Machico「TOMORROW」

TOMORROW

TOMORROW

【KANN CUBEで鑑賞】このヘッドホンが意外とモニター的で丁寧だなと感じられるのは、こういうノリの良い曲を聴いたときです。低域のドラムに重みと厚みがありながら、鈍重にならずに弾みよく走り、スネアとタムにも疾走感があります。一方でこの曲では走りやすいシンバルの方は逆に少し色味をくっきり、金属的な粒立ちを丁寧に出して、派手さはセーブして丁寧に一粒一粒を聞かせる感じがあります。ギターもエッジが上に歪まずに抑制的なので、ノリがよい感じはほどほど維持されつつ、目立ちすぎず、音の流れを追いやすい冷静な分析力を感じます。

 一聴した印象では必ずしも解像度の高さを感じないのですが、こういう元気な曲を低域ノリノリで気持ちよさ重視に聴かせているように見えて、実際には意外に丁寧に分析的に中高域でディテールを出しています。ボーカルものびやかすぎないので、媚びた感じが強くなくて臭みが少なく、中高域の楽器音がかなりはっきり聞こえるようになっています。

 


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』オープニング・テーマ「TOMORROW」

 

富田美憂「Present Moment」

Present Moment

Present Moment

【Hiby R6 Proで鑑賞】ボーカルは少し太く力強い感じになります。この曲は元々ボーカルが明るく伸びやかなので、甘味は若干抑えめで自然な声色になりますが、充分に突き抜ける感じがあります。ボーカルはややドライですが、色味を抑えているおかげで、弦楽のつややかさやシンバルの金属的なカチカチした光沢感がよりはっきり聞こえ、中高域で強調が強い感じはそれほどないにも関わらず、丁寧な粒立ち感があります。また音場を支える低域はパワフルで床面はドシンドシンと重量感満点です。全体的に押し出し感は強めですが、中域から中高域にかけて、奥行きを出すような立体感もあります。

 


【Amazon.co.jp限定】Present Moment【初回限定盤】(デカジャケ付)

 

【5】総評「低域から中域で抱擁感を感じさせてくれつつ、モニター的に中高域も丁寧に聴かせるザ・DJモニターといった味付けが秀逸」

 やや暖かみ強めの低域と一定の厚みのある中域が聴き心地を安定させている音場に、中高域音がノリは抑えめなものの、充分に分析的に緻密に聞こえてくるバランスになっています。全体像としては低域リズムはノリノリでグルーヴ感がありますが、意外と上は冷静という、なるほどDJサウンドを意識していると思われる味付けがなかなか秀逸です。

 ボーカルフォーカスは悪くありませんが、甘味を抑えて、色づきの派手さも抑えた輪郭のディテール重視の、やや無機質な声色になるところが好みを分けるかも知れません。

 

まとめ
  • 低域と中域で充実感のある音質
  • モニター的な中高域
  • 人によっては出音が暖色的すぎるかもしれない

 

OneOdio A71

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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