KINERA - NANNA ELECTROSTATIC IEMS Hybird 1 mids BA + 2 Electrostatic drivers Earphones
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元記事
Kinera Nanna:ファーストインプレッション
Kineraは中国の有名なブランドで、秀逸な音響表現のイヤホンで好評を博してきました。
Kineraのラインナップは豊富で、だいたい30ドルから850ドルまでカヴァーしており、どれも驚異的でディテールに優れたIEMですが、エントリークラスは明確に機能が限定されており、高級機になるほど材質のクオリティーやチューニングのレベルが上昇します。
このブランドの最新フラッグシップモデルはKinera Nannaと名付けられており、「ナナ」と読み、2つの静電ドライバーを含むハイブリッド構成マルチドライバーのIEMになっています。
このたびパッケージ紹介用のサンプルを手に入れたので、第一印象をお伝えしたいと思います。
しかし、その前にこのフラッグシップモデル、Kinera Nannaの技術仕様を確認しておきましょう。
技術仕様
- 4ドライバー構成:7mmダイナミックドライバー×1、バランスドアーマチュアドライバー×1、静電ドライバー×2
- インピーダンス:60Ω
- 感度:110dB at 1mW
- 周波数帯域:5Hz-50kHz
- ケーブル:単結晶銅ケーブル(2Pin 0.78mm コネクタ)
パッケージ
まず、Kinera Nannaはちょうど中心に製品名が書かれ、その下にKineraのブランドシールが貼られた六角形のボックスデザインのパッケージになっています。
Nannaは辞書の項目表示のように書かれており、その下にNannaの発音が「ナナ」と書かれています。
上蓋を取って箱を開けると、パッケージの中身がすぐ見渡せるようになっており、そこにはシリコンとウレタンフォームのイヤーピース、クリーニングブラシ、3.5mm→6.35mm変換アダプターが入っています。
さらに下にはKineraのブランドロゴがあしらわれたきれいなレザーバッグが入っています。
黒色のレザーバッグには、Kinera Nannaの本体と3.5 mmシングルエンドの単結晶銅ケーブルが入っています。
全体的なパッケージの印象は、シンプルながらも上品でエレガントといったところで、付属品の品質はプレミアム感を与えてくれ、849ドルの値打ちは充分です。
パッケージ内容は以下の通りです。
- Kinera Nanna本体×1
- 単結晶銅ケーブル(2Pin 0.78mm コネクタ)×1
- 革製キャリーバッグ×1
- final E イヤーピース×5
- 形状記憶フォームイヤーピース×2
- 3.5mm→6.35mm変換アダプター
工作精度
Kinera Nannaの工作精度は精巧で美しく、ハウジングは透明で美しい樹脂製のシェルになっていて、シェルの中にドライバーユニットが少し透けて見えるようになっています。
シェルにはビビッドに塗装された樹脂製のフェイスプレートがあしらわれていて、耳に付けるとまるで宝石を身につけている印象を与えます。
イヤーノズル部分まで樹脂で覆われていて、IEMに統一されたデザインをもたらしており、しかも樹脂製であるにも関わらず、シェルは頑丈で工作精度は高く、この点でKineraに妥協は一切見られません。
イヤホンには0.78mmの2pinコネクタがついており、付属の非常に精巧な編み込み単結晶銅ケーブルをつなぐことができ、ケーブルの単結晶銅によって、雑音やジッタは一切排除され、優れたサウンドディテールが提供されます。
パッケージに含まれている付属品もまたクオリティが高く、たとえば付属のシリコンイヤーピースはfinal E シリーズが提供されていますが、このイヤーピースはかなりグレードの高いイヤーピースで、良好で快適な装着感をもたらします。
付属の革製キャリーバッグの色は黒で、上質なレザーを使用しており、Kinera Nannaを安全に持ち運ぶことが出来ます。
全体的に、パッケージに含まれているイヤホン本体と付属品の工作精度は非常に良く、フラッグシップにふさわしいものと言えます。
音質
さて、ようやくにして製品を手に入れてから待ち焦がれていた、Nannaの音質を楽しみ、Kineraのフラッグシップの素晴らしさを理解し、Kineraによる4ハイブリッドドライバーの音質を体験する瞬間が訪れました。
ハイブリッド多ドライバー構成がありふれたものであることは紛れもない事実ですが、Kinera Nannaを特別なフラッグシップイヤホンにしているのは、2つの静電ドライバーの存在です。
静電ドライバーは、構造上非常に複雑であり、歪みがかなり少なく、高レスポンスで広い周波数応答を持ち、広大な音場を実現しています。そのサウンドは非常に豊かで没入感があるものの、ほとんど使われることがありませんが、Kineraが静電ドライバーのIEMの研究を蓄積させていたことは明らかです。
KineraはフラッグシップのNannaでそれを確実なものにしました。
そしてKinera Nannaは期待を裏切ることはありません。デフトーンズの「デジタルバス」のドラム音はじつに驚嘆すべきものですし、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のギターコードやダミアン・ライスの「アニマルズ・ワー・ゴーン」のボーカルはじつに傑出していて、なにもかもが非常に自然であり、とても自然な楽器の音色、とても自然なボーカル、それらがまさに目の前で体験できるかのように感じられるのは、Kinera Nannaのナチュラルなサウンド表現のなせる業です。
イメージングとディテーリングは歪みなく完璧で、我々がずっと欲しいと望んでいたIEMがこれだったのだと思わせるほどに、じつに甘美な経験でした。
深く打ち付ける低域では、ドラムの叩く音1つ1つに深さが感じられ、ベートーベンの 「月光のソナタ」 で演奏されるピアノの奥深さに気づかされ、あらゆる楽器に詳細なディテールがあります。
4つのドライバーユニットのチューニングはまさに完璧で、歪みがなく自然な感触があり、広い音場が感じられ、ヨシ・ホリカワの楽曲は実に素晴らしく、このIEMは耳に装着すれば、かかっている音楽のあらゆるビートが粒立って楽しめるような、ディテールの高さに没頭させてくれます。
全体的に、このIEMのサウンドは自然でバランスがとれており、低域には良好なパンチがあり、鮮やかなディテールの豊かなボーカルを持ち、スムーズでディテールに富んだ高域はのびやかで、デスのような、デスメタルのテンポの速い曲でも楽器のディテールを丁寧に表現します。
総評
さて、Kinera Nannaと素晴らしい時を過ごしてきましたが、これは驚くべきIEMで、丁寧にチューニングされた中域と躍動的な低域レスポンスを持ち、高域では鮮やかにディテールを描き出し、とても詳細な音楽を奏でます。
このイヤホンの工作精度は高く、パッケージに含まれるさまざまな付属品とともに素晴らしいサウンドのIEMがあり、このパッケージをフラッグシップにふさわしい大変値打ちがあるものにしています。
Kinera NannaはHiFiGOで購入できます。
- 元記事の公開日:2020/01/10
- 著者:Candice Song
KINERA - NANNA ELECTROSTATIC IEMS Hybird 1 mids BA + 2 Electrostatic drivers Earphones
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