おすすめ度*1 |
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ASIN |
左右独立型のワイヤレスイヤホン。ケーブルがないので、タッチノイズや引っかかりを気にせず利用できる。ハウジングの形状はイヤーフックが付いていて、かなり装着感している。遮音性はそこそこ。音漏れはやや目立つ。
aptXには対応しない。通信は安定しており、音飛びや遅延はなく、動画鑑賞にも十分使える。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、日本語マニュアル。
【2】音質
音質的には以前レビューしたQ29と同様に、小型の片耳イヤホンを2つ付けているような感じで、片耳イヤホンの立体感に乏しい感じが感じられる。左右でだいぶ立体感は高められているものの、低域の鳴り方が淡泊で広がりを感じづらく、大抵の両耳イヤホンと比べても平面的な味わい。縦方向の高さは感じられる。また若干奥まって篭もって感じられるところもある。ピーキーなところもあって、小さな音量では篭もりやすく、大きな音量では音像がボケやすい。満足できる適正な音量の幅が狭くて、聞きやすい音量の選択肢が少ない。
[高音]:高域はシャープで若干暗い。天井感が若干感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:どちらかといえばシャープな傾向。シャリシャリした傾向は出やすいが、一方でピアノなどには精彩があり透明感も出ている。
[低音]:低域はかなり薄く、ドラムは麺かうどんでも打っているかのようなバンバンという粘りがある薄めの音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:左右はそこそこ感じられるが、奥まった音は潰れがちで平面的に聞こえ、全体的に音に圧力があまりなく淡泊(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムは軽快。ハイハットはシャリシャリというかチャラチャラというか若干軽薄な音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:やや奥まっているように思える。楽器に少し近い。
【3】官能性
鹿乃「Stella-rium」はドラムの弾みがかなり硬く、やや浮き上がって感じられる。本来綺麗なエコー感を伴うはずのボーカルは音像がやや荒れてしまっていて、ぼけたようなノイズがあるような若干聞き取りづらい声質になってしまっているのが残念だ。
秦基博「言の葉」はボーカルが音像が少し粗く、やや拡散しやすいというか凸凹したようなところがある。具体的には落ち着いたところとのびやかに歌い上げるところの落差がかなり激しく、またのびやかな音は音像の荒れが感じられやすいので、印象として声質の変化に感じやすい。そのせいか曲の一貫性がいまいちには思える。
雨宮天「奏」は比較的シャープで輪郭のある音が楽しめる。ピアノの明度が高すぎて若干キラキラしすぎ、耳に痛いような感じもするものの、ボーカルは比較的耳当たりが優しい。
Origa「Inner Universe」は音にシャープネスがあり、比較的メリハリが良い。全体的に伸びやかさもあり、スピード感も出る。若干ギスギスして耳に痛くなりそうなところもあるが、キレがよい音楽を楽しめる。
【4】総評
聞き始めた当初はあまりにピーキーでギスギスした音だったが、ドライバーのエイジングによるものか通信デバイスの安定によるものかはわからないが、明らかに聞きやすい音に変化した。それでもコイル感というか機械っぽいノイズ感を音の端に感じ、音量を上げると荒れやすい傾向は変わらないが、さらに月単位で時間をかければ変貌するところもあるかもしれない。
コードレスなイヤホンとはいえ、正直装着感はコードつきのワイヤレスイヤホンと代わらず、タッチノイズから自由になったというくらいしか利点がない。それに見合うコストかと考えると、やや値段が高めに感じられる印象はぬぐえない。
【5】このイヤホン向きの曲
ややもっさりではあるものの、サビでのボーカルの突き抜けはそこそこ感じられる。おとなしめのピアノの音も粗が出にくくて、弦楽ののびやかさもそこそこ味わえる。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。