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【ゲーミングヘッドセット SADES SA-738 レビュー】耐久性があり、耳当たりもよく、音質的にもバランスが良く音楽向けに十分行ける優等生的低価格ゲーミングモデル

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SADES SA-738 ステレオ 3.5mm ゲーミングヘッドセット 有線ヘッドフォン ブラック + ブルー

 

おすすめ度*1

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 パッと見、ゴツくそしてなんとなくチープに見えるが、頭頂の厚みのあるクッションも利いていて、イヤーマフも耳当たりよくふんわりしており、安っぽそうな見た目に反して装着感はよい。頭頂部分のクッションはなかなかに気が利いていて、首掛け時にも首の後ろに来てくれ、ゲーミングチェアでの仮眠時にも首の支えにできてしまうほど。マイクも出っ張りが強くないので邪魔にならず、仮眠の首掛け寝ホンとしての使い勝手は気に入っている。もちろん正規の使い方ではないし、快適性には個人差やチェアの構造などの差が出るだろうからあくまで参考程度にしてほしい。とはいえ、意図的なものかはわからないが、妙に気配りできる機種だ。

 遮音性はそこそこ。音漏れは少し漏れる。首掛けしても音が聞こえる。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は日本語説明書。ボリュームコントロールが左耳裏にあり、操作インターフェースがケーブル途中にないタイプ。ケーブルはゴムコーティングだがタッチノイズはない。

 

mixcder MAT2mixcder MAT2

 

【2】音質

 径の大きいネオジムマグネットドライバーのおかげか低価格にしては量感と深みのある低音を中心に、高域まで比較的バランス良く聞かせてくれる。ゲーミングモデルとしては音楽鑑賞に使っても比較的不自然さを感じづらい調整で、動画鑑賞にも向く。弦楽の高低も色気はないが比較的しっかり出るので、曲の輪郭はしっかり味わえる。全体の雰囲気は色気が出づらいこともあって暗めに感じやすいところはある。

 

[高音]:高域の高さはよく出ている。鮮明で透明に傾いているが、ありがちな尖りが意外となく情緒不安定感が出づらい。音の余韻にも割れる感じがなく、価格を考えると丁寧な印象(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:奥行き感と左右の定位感は良く、広さが感じられやすく、高低の感覚も良好。密度感の出し方もよく、音の色気が足りないことを除けば、聞きづらくなったり歪む感じが少なく、意外と死角を感じない。

[低音]:低域は厚みと深みと衝撃度のバランスが良く、衝撃の出し方も強すぎず空間に一定程度溶かす配慮が見られて、低価格ゲーミングモデルにしてはバランス感覚の良さを感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域とボーカルが近いが側面の張り出しも良く、頭を囲むドーム状の構造が感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムの重みもしっかりしておりややブーミーだが中高域を邪魔する感じはなく一体性を感じさせる。シンバルの色気はやや落ちるが、輪郭がはっきり。リズムの輪郭感は明確(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルの分離感はしっかりしており、埋没する感じがない。声色としては艶やかさに若干欠けるので少し野太い感じで出る。

 

【3】ゲーミング体験

 ゲーミング用であるが、付属にサラウンドソフトウェアはついていない。以下は手持ちのサラウンドソフトウェアを用いてテストしている。ゲーミングの音質に関しては直前にレビューしたmixcder MAT2を定位感はそのままにややディテールダウンしたよう鳴り方。MAT2とのゲーミングの実用面での差はほぼ感じず、音の表現では高域の表現はこちらがやや勝る気がするが、空気感や臨場感の面ではこちらがやや落ち着いて鮮明さが少し足りない形になる。

 

 「Shadow of War」のプレイでも定位感はしっかりしており、風切り音などの演出音の存在も確かで、輪郭面での不満はほぼない。劇伴調の音楽の表現に関してはMAT2のボリューム感がやや薄れ、その代わり外連味が落ち着いて耳に優しく感じる。個々の音の鮮明度の面での差はそれなりに感じられ、没入感は価格帯では高い方だが、MAT2とは差を感じる。

 

【4】マイク

 マイク位置は調整できず、人によって声が入りづらい場合も考えられる。環境音も入りやすいため、こもった感じも出やすく、チャットはともかく、クリアさが求められる実況で使うには心許ないだろう。

 

【5】総評

 この機種の耐久性については折り紙付きである。個人的に安いから潰しがきくという理由から、この機種を2年にわたって寝落ち用ゲーミングヘッドホンとして使ってきて、普段からヘッドホンスタンドにも乗せずに置いておき、眠くなったら取り替えて、これを首掛けしながらゲーミングチェアで寝たり、結構ぞんざいに使用してきたが、イヤーマフが一度外れたことがあった以外トラブルはない。音質的なバランス感覚にも優れ、低価格ではかなり使い勝手が良い。SADESがこれの日本での取り扱いをやめてしまい、一番の問題は現状日本国内で入手困難になってしまっていることだ。SADES製の低価格ゲーミングヘッドホンの中では良機種だったのに残念なことである。

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【6】このヘッドホン向きの曲

  「BEST OF GREEN MIND '09」に収録されていた「キミ、メグル、ボク」のライブ弾き語りバージョンの感じが良かったので、類似の音源としてこれを選ぶ。会場の観客の存在感もしっかり感じられ、熱気が感じられる。ギターは色づきはうまく出ず、訴えかける面ではだいぶ足りないように思うが、輪郭感はしっかりしており、ボーカルも埋没せずに雰囲気をよく伝えてくれる。ボーカルが若干野太く聞こえる感じもライブっぽくて欠点としてよりは味を感じさせる形で評価できる。(秦基博「キミ、メグル、ボク」)

 

 低価格ではかなり丁寧な定位表現はこの曲の空気感と密度感もよく味わわせてくれる。ボーカルの色気は価格なりだが、不自然なところは感じられず比較的忠実に広く表現している印象だ。高さも出ている。(池田綾子「風の谷のナウシカ ボサノヴァ Ver.」)

 

 この曲はこの機種の傾向をよりはっきりさせたいと思うのでmixcder MAT2との比較になるが、基本は両者とも似た傾向で変わらない。しかしMAT2のほうが中低域方向の色気が強く、足回りも機敏で瞬発力を感じ、量的に充実した印象と野性味がやや強く感じられる反面、こちらはMAT2で高域音に感じられた情緒不安定感がなくなって空間への溶込みも良く感じられ、色気が増している。表現の迫力ではMAT2だろうが、全体的なバランス感覚ではこの機種のほうが優れていると思う。( 蓜島邦明「Railtown」)

 

 高級機種ほどの色気はさすがにないが、分離感がしっかりし高さも良く出る上に色気もそれなりに感じられ、ギスギスした不快感なく出る高域ボーカルは低価格では絶妙。ドラムの重量感も申し分なく、しかもドラムの衝撃に歪む感じもほぼない。不満点はないわけでなく、楽器の表現にいまいちディテールの足り無さを感じるが、定位感がしっかりしているのでうるさげになりやすいこの曲をよく表現していると思う。

 

SADES SA-738 ステレオ 3.5mm ゲーミングヘッドセット 有線ヘッドフォン ブラック + ブルー

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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