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【特集】注目の「完全ワイヤレスイヤホン」おすすめ6機種を課題曲で聞き比べてみた。

 恒例の完全ワイヤレス特集です。最近、いろいろと情報もそれなりに仕入れ、いくつかの機種を手に入れて携行し、いろいろ聴き歩いた結果、なんとなくトレンドというものがわかってきました。これからも少しずつゆっくりではありますが、いろいろ完全ワイヤレスについて書いていきたいと思います。なぜなら彼らはいろいろ欠点があるのは事実ですが、それに劣らぬ魅力もたくさんありますし、何より今、伸び盛りでますます個性的な機種が出てきているので素直に面白いからです。

 

【参考情報】海外でのトレンドについて

 参考までにいくつか紹介しましたが、海外のレビューサイトを暇なときにだいぶ回りました。評論家の観点を知るのも楽しかったですし、国ごとの着眼点の違いや専門家の論点などを自分なりに整理することが出来ました。

www.ear-phone-review.com

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 内容の詳細は各記事に譲りますが、個人的使用感も含めて、完全ワイヤレスモデルにとってまず重要なのは連続再生時間です。これはどの記事も一様にバッテリーを気にしていることからもわかります。私の実感としてもバッテリーはかなり完全ワイヤレスの使用感を左右します。

 一般にスポーツモデルと言われている機種はイヤホンで再生出来る連続再生時間が長く、4~6時間程度連続再生出来ます。一方で標準的で廉価な完全ワイヤレスイヤホンは大抵3時間ほどしか連続再生出来ません。

 通勤通学用途であれば、イヤホンの連続再生時間は3時間もあれば普通は十分です。完全ワイヤレスイヤホンは収納ドックとなるバッテリーケースを備えていて、バッテリーケースに充電機能があり、大抵は短時間でイヤホンが再充電されます。多くの機種で2~3回バッテリーで再充電可能なので、移動時間に少しずつ音楽を聴くような使い方だと総合で十分実用的な時間が確保されています。私の日常使用における実感でも、一般的な移動時に音楽を楽しむ目的であれば、どの完全ワイヤレスモデルを選んでも不満を感じません。

 一方でスポーツに限らず、長時間音楽を楽しむにはスポーツモデルと言われる連続再生時間の長いものを選んだ方が良いです。スポーツモデルの機種は大抵防水性能や耐久性も高いので、長時間使用でのアクシデントに対応力があるのも利点です。サイクリングやツーリング、長距離ドライブ、レジャーでの使用などにはスポーツモデルが向きます。

 

【「完全ワイヤレス」モデル共通の特徴】

  完全ワイヤレスモデルには固有の特徴があります。まず普通のイヤホンよりも小型な筐体にバッテリーなどを詰め込んでいる分、ドライバーは小さめでケーブルつきのイヤホンに比べて音質面での不利は隠せません。

 同価格の有線イヤホンや無線イヤホンと比べると、音楽の輪郭感の表現にそれほど劣っているようには思われません。目立って音質が粗悪というものはメーカー品では珍しく、シャリシャリとした形になることが多いものの、それなりに明瞭感のある形で音楽を楽しめます。音響機器としての実用性は十分にあるということです。

 ただ低域は一般的なイヤホン以上に出ません。後ほどそれでも低域の表現力に頑張りが見られる機種をいくつか紹介するでしょうが、全般的に薄味に思うか、量感に乏しく思うか、深さを感じないといった物足りなさがあるのは事実でしょう。何よりウーファーが奏でるようなブーム感は味わいづらいですから、それを低域の唯一の魅力と感じている人にはどれもつまらない製品に思えるかも知れません。

 それと立体感は全般的に乏しく、音が近いモデルが多いです。小型ドライバーで音に鮮明さを出そうとすると、どうしても近くなってしまいますね。

 

完全ワイヤレスイヤホンの特徴
  1. コードノイズがない
  2. 軽くて小型。持ち運びに便利
  3. 稼働時間が短め(電池容量に限界があり、高級機種でも2~3時間が標準)
  4. 低域は薄味
  5. 音はどうしてもシャリつく傾向にあり、機械的に感じられるかもしれない
  6. 音の立体感が希薄で、平面的

 

【今回の課題曲】

 さて、漫然と紹介していくのもつまらないので、今回は課題曲を選定して、それを聞き比べる形で紹介したいと思います。

 今回は鹿乃さんの歌う「君がいる世界へ」です。この課題曲を選んだ一番の理由は個人的な好みであり、次に公式動画として正規に公開されているものなので消されることはないでしょうから、この記事にアクセスできる人はみんな聴くことができると思ったからです。

 曲調としては軽妙でほどよく変化に富み、衝撃音もいくつかあって音のエッジ感と味を比較しやすく、パーカッションが比較的音味の乗りがよくてわかりやすいデジタルドラムで、ほどほどの重厚感もある曲であること、そして鹿乃さんのボーカルが比較的声優系に近い声質でボカロに近いような、良い意味で技巧味がそれほど感じられない素直な透明感があり、甘味の色合いを感じやすいと考えたからです。長い一文ですので、整理しますと、以下のような感じです。

  1. ボーカルが素直で色づきが分かりやすい
  2. パーカッションの色味が把握しやすい
  3. 衝撃音が適度に使われていて、音のエッジ感の傾向が分かりやすい
  4. 曲の変化に富み、8bit的な電子音からアコースティックに近い音まで多様

 そして最後には何より、構成と音質的に完全ワイヤレスで楽しみやすい曲だと思ったからこそ選びました。

 

 ちなみに、本来ならここで鹿乃さんの紹介をするべきでしょうが、率直なところ私はよく知りません。「放課後のプレアデス」というガイナックス製作のアニメがあって、それのOP曲「Stella-rium」を聞いたのがきっかけだったような気がします。

 個人的に「放課後のプレアデス」はヴィジュアルで興味を持ったものの、作品自体はあまり肌に合わなかったのか、あまり思い入れがありません。そのため、どういうアニメか忘れました。なんか「きららタイム」系のゆるい百合バナを期待してたら、違ってましたというような感覚を今でもうっすら覚えています。いや、もしかすると、本当に良く覚えてないので適当なこと言ってしまっているかも。ファンの人たち、ごめんなさい。どちらにせよ妄人の戯言です、読み流して下さい。

 で、鹿乃さんですが、そのあと「ヘヴィーオブジェクト」というアニメのEDで「ディアブレイブ」って曲も歌っていました。ちなみに個人的に「ヘヴィーオブジェクト」はよかったです。ストーリーは少し強引な展開だった気がしますけど、重機動兵器に少女って世界観で、ボーイミーツガール物ってだけで「天空の城ラピュタ」の系譜を感じてころりと引き込まれました。原作はラノベだそうです。

 ということで、話は戻りますが、鹿乃さんのCDは買っていますし日常的に好んで聴いているのですが、鹿乃さん自身のことはよく知らない俄か勢で申し訳ありません。ということでペタッ↓

 ↑この課題曲を聴きながら、手持ちの中からいくつかの完全ワイヤレスイヤホンを味わい、その素直な感慨を道標に、徒然なるままに紹介したいと思います。

 

【完全ワイヤレスモデルの紹介】

1. JVC HA-ET900BT

JVC HA-ET900BT

 まず最初に紹介したいのはJVC HA-ET900BTです。JVCとしてはスポーツモデルとして出しており、IPX5の防水性能を持っています。しかしイヤホンの連続再生時間が3時間と標準的でスポーツ向けにしては短く、完全ワイヤレスとしてはでかいハウジングなので、装着感に癖があってスポーツで使うと揺れを感じるので結構耳が痛くなります。というか自分は買い物なんかのちょっとした移動に付けても痛む感じがあるので、お世辞にもコンセプトの面で成功しているとは言えないイヤホンです。

 しかし、音質を考えるとコスパが良く思われ、たぶん一番か二番に愛用しています。音にシャープなエッジ感があり、音楽に瞬発力を感じます。ロックを少しドライなのどごしで聴かせてくれ、意外と弦楽の表現ものびやかさと色づきを感じます。

 課題曲を聴くと、まずデジタルドラムは若干ウェットです。ズシャッという輪郭と衝撃でリズムを表現しようとします。こういう音は粘着力があって好きな人には味わい深いですが、嫌いな人も多いでしょう。ただHA-ET900BTの場合、音に全般的にシャキシャキした感じがあるので、ドラムの粘りは後を引きません。音のエッジ感は尖り気味なので、シャリ感を特に不快に思う人には合わないでしょうが、透明感は出るのでボーカルとの相性は悪くありません。終盤付近のアコースティック味のあるピアノや弦楽から一気にデジタルサウンドに変化していく場面では、妙味を感じます。透明感のあるピアノとのびやかな弦楽の音がなめらかに電子音に変わっていき、やがてシャギーなスプラッシュ感のある音に飲まれていくあたりの表現は、個人的にはなかなかよいです。

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2. Lesoom S1

Lesoom S1

 次に紹介するのはLesoom S1です。比較的装着感が良いモデルです。何より廉価です。しかし、いろいろと使い勝手が悪いです。この点は個別レビューを参考にして下さい。比較的最近使い始めましたが、音が好みなので持ち歩く頻度は高めです。

 このモデルの特徴は価格の安い完全ワイヤレスモデルにしては比較的低音が出ることです。3000円台の製品なのですが、この価格の完全ワイヤレスはシャリシャリした中高域で音を出している機種がほとんどです。元々小型ドライバーゆえに低音の能力の低い小型ワイヤレスですが、低価格ではさらに中高域の尖った音に埋もれてほとんど存在感を発揮できません。しかし、この完全ワイヤレスイヤホンは比較的フラットな音質を実現しており、低域から高域までよく表現します。これは完全ワイヤレスの低価格モデルでは稀です。音源を用いた音質のテストでも50hzまでの振動は確かなものでした。そこからの減衰は極端で40hz以下は振動はおとなしく、20hzはほぼ無音なので、本当の重低音の表現が出来るほどではありませんが、多くの同価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの低音が薄っぺらいのに対し、このイヤホンには確かな低域の厚みを感じます。

 音も全体的に同価格帯の中では丸いほうで耳当たりが良く、とくに弦楽の伸びやかさは根元太めに力強く出ます。課題曲でもデジタルドラムには粘りと厚みがなかなかにあり、振動感も感じさせます。ボーカルは少しふっくらして甘味が少し強く、個人的にはこのバランスも好みなほうです。やや暖色で少しもっさり感はあるので、シャリのあるシャープエッジを好む傾向の人は、キレの悪さに辟易する場合があるかも知れません。

 

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3. Tamoo T900

Tomco T900

 次はTamoo T900です。この機種は廉価版の完全ワイヤレスイヤホンの中では使い勝手は悪くありません。まずこの価格帯では音質が妙にシャリシャリしていたり、操作性がピーキーだったり、通信が不安定だったりするものが多いですが、この製品は比較的品質が安定している印象を受けます。少なくとも私の持っている個体は今のところ調子良いです。

 音質的な特徴は価格なりのところも多く、音が近かったり、高域が少しキンキンしやすかったりと弱点らしきところもあります。しかし、若干透明感と煌めき感が誇張され、衝撃音もキレよく出るので、案外印象のよい音を出します。そしてボーカルがけっこうつるんとしたつややかさが出て、耳当たり良く思えます。

 このイヤホンのボーカルの表現は課題曲向きと言えます。透明感も出やすく、キラキラした光沢感も中高域で感じられるので、全体的に明るく聞こえます。一方で音の衝撃力もなかなか強く、パンチ力を感じさせ、曲にメリハリも出ます。若干クラブサウンド色が強く、スカッとして感じられます。

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4. BOSE SoundSport Free

BOSE SoundSport Free

  次はBOSE SoundSport Freeです。この機種は最初に紹介したJVC HA-ET900BTの2倍以上の価格の高級機種です。値段なりの実力はあり、音質は多くの評論家を唸らせ、完全ワイヤレスモデルのランキングでは上位常連です。JVC HA-ET900BTがいまいちスポーツモデルとして完成されていなかったのに対し、こちらはイヤホンの連続再生時間も長く、バッテリー計測に熱心だったフランスのランキングの情報によると、実測5時間20分。個体差があるにしても5時間は大丈夫そうです。実際、私はこの機種を電源切れするまで使ったことがないくらいです。

 ただ私が電源切れするまでこの機種を使っていない理由は、電池容量の長さのおかげだけではありません。個別レビューでも書きましたが、この機種、妙に重いのです。イヤーウィングもよく選んだのですが、いまいち収まりが悪く、重心が外側にあって耳から外れそうで安定感に欠けます。付け心地が少し不安なのです。そのため値段が高いこともあって、家の外では長時間耳に付ける気になれません。最初はしっかり嵌めても、時間とともに重みで耳から浮くので環境音もだんだん聞こえてきます。音漏れもなんだか目立つ気がします。ただここらへんの問題は耳の形によるものでしょうから、個人差はありそうです。

 音質的には低域の存在感が今のところ完全ワイヤレス随一です。低音にまともな重厚感と量感を感じさせる完全ワイヤレスイヤホンは今のところ、これを含めて数機種しかないように思われますが、その中でもダントツだと私は思っています。課題曲でもしっかりと重厚感が感じられ、全体的に太めの力強い音でぎっしりした音の密度を感じさせてくれます。課題曲は比較的軽妙な曲で、大抵の完全ワイヤレスイヤホンで聞いても、すっきりした爽快味の強い曲ですが、こいつだけは肉付きのある形で重みを持って聴かせてきます。

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5. Jabra Elite 65t

Jabra Elite 65t

 課題曲本来の軽妙さを追究していくと、たどり着くのはJabra Elite 65tかもしれません。清澄な透明感のある中高域の表現は、この課題曲にはいかにもふさわしいです。ただ、この機種のコスパは高くありません。決して使い勝手が悪いわけではなく、連続再生時間はスペック以上の6時間超えを記録してフランス人評論家を唸らせました。しかし同じ評論家が過剰な音質表現と釘を刺したように、私も高級機種の割に妙に落ち着きのない尖った音の鳴らし方をする部分は気になります。もちろん多くのランキングでTOP10入りする製品ですから、パフォーマンスが高いことは確かです。ただ純粋な音響機器としての魅力には何か物足りなさを私に感じさせる音質です。

 それは何なのか、使いながら考えていましたが、たぶんほかの完全ワイヤレスモデルと音の傾向に共通点が多すぎて、目新しさが少ないのが原因のように最近思えてきました。音質のレベルは低価格機種以上の表現力を持っていることは事実です。でも音から受ける印象が低価格機種とあまり変わりません。同じように低域が薄く、腰高で、少しシャリ味があって音が鋭く、透明感も強い。傾向として明るく快活。よく考えると、大抵の完全ワイヤレスイヤホンはその特性上こんな音です。これ1台を愛好している人は満足感を持って使うでしょうけれども、すでに完全ワイヤレスモデルを持っている人にはあまり目新しさが感じられないと思われます。

 とはいえ、私はこの音質は嫌いではありません。課題曲の清涼感をよく表現してくれるのはこの機種です。衝撃力を伴って弾けるフレッシュな躍動感と透明に澄み切る突き抜け感を共存させ、シャープで明るく快活な色合いをとことん味わわせてくれます。

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6. JVC HA-XC70BT

HA-XC70BT

 課題曲を聴きながら、心の赴くままに綴ってきたこの記事ですが、しかし私にとって、このちょっとした散歩の終着点に立つべきは、目下のお気に入り機種であるJVC HA-XC70BTです。私はこの機種の使い勝手の良さと音質を愛しています。

 イヤホン本体の連続再生時間は3時間ですが、バッテリーケースと合わせると半日は十分に使えます。錯覚を利用したものなのかもしれませんが、バスブーストモードの低音の出は私にはよく思えますし、鳴り方もほどよいタイト感があってブヨブヨしない、好みの音です。比較的粘りなく、張りと衝撃力をスカッと感じさせるドラム表現も好きで、私が日常的に聴く快活なクラブサウンド風の曲にはよく合います。

 この課題曲においても、私はこのイヤホンの音質に妙味を感じます。ボーカルには甘味が感じられ、全体的にエッジ感の良い音はメリハリに富んでいます。完全ワイヤレスにしては珍しく、低域の存在感もあり、しかもBOSE SoundSport Freeほど重くぶっとくぎっしり聞こえてこない、ほどよい締まりのある音で、音と音の間に隙間をしっかりと感じさせて見通しよく思えます。

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