ノーベル賞ウィークだった今週。日本人の本庶佑さんが医学生理学賞を受賞した。中国からはファンビンビンさんの脱税の最新動向が報じられ、さらにインターポール総裁も汚職容疑で拘束中との報道。そしてトランプ政権がますます対中貿易層戦争を強化する姿勢を見せたり、ハードブレグジット問題が再燃したりとややめまぐるしい一週間であった。
【今週の注目製品】
今週もさまざま製品をレビューしましたが、個人的に感慨深い4機種を取り上げます。
1. Fender NEWPORT
Fenderの超かっこいいワイヤレススピーカーです。比較的小型なワイヤレススピーカーなのに、音がとにかくロックでガリガリ攻めてくる秀逸な機種。デザインもレトロでインテリアスピーカーとしても魅力的です。イコライザー機能も標準搭載で、とにかく楽しく曲を聴かせてくれます。
2. NuForce BE FREE 8
メーカーモデルのエントリークラスの価格帯にいますが、さらに下位にBE FREE 5があり、一応ミドルエントリークラスという位置づけです。ライバルはJVC HA-XC70BTといったところでしょうか。HA-XC70BTに比べるとより音が太く、ロックなエッジ感が増している印象です。この価格でaptX対応なのもアピールポイントです。
3. final SONOROUS II
このヘッドホンには見事にやられました。3万円クラスでは抜群に好みの音質と装着感で、一目惚れに近いですね。とにかく広く感じられる音場と自然な厚みがあって色気のある音にメロメロです。
4. NUBWO N9D
低価格のゲーミングヘッドセットとしてはかなり優れた使い勝手と音質です。落ち着いたデザインで普通のヘッドホンとしてもかっこいいです。マイクが取り外せれば、DJホンとしても使えてなおよかったのですが。音は近めで迫力を出してきます。前屈みに包み込んでくる音楽空間は圧巻です。
【今週の特集記事】
今週は特集記事はありませんでした。
【今週の読書】
さて、オーディオとは関係なしに今週読んだ本の中から良書を紹介したいと思います。
1. 驚くべきCIAの世論操作
CIAのプロパガンダ戦略についての本です。豊富な事例で大手メディアとCIAの癒着関係を明らかにしており、報道の自由とは何かという問題について深く考えさせられる一冊となっております。日本でもメディア批判が活発になっている昨今ですが、官邸によるメディア統制などがまことしやかに言われております。自民党のネット工作なども一部では度々話題になりますね。
こうした世論操作では、政府機関側の積極的な働きかけだけでなく、それに迎合してしまうメディアも共犯関係にあるということを、実例を示して、記者の立場から鋭く指摘する著者の見識は心に響きます。訳者あとがきまで読むと、我が国も対岸の火事と笑ってはいられないですね。インターネットの台頭で世界中でメディアの在り方が問われている今、本書は大きな示唆を与えてくれます。
2. キリスト教の創造―容認された偽造文書
宗教学・古代文書・聖書学の一流研究者である著者が、外典や異端として退けられた数多くのキリスト教偽文書と、聖書内に含まれる偽書について詳細に論じた一冊。著者は、センセーショナルな日本語タイトルで一部で大ヒットした『捏造された聖書』も書いたバート・D・アーマン。
本書は古代世界の文書偽造問題や識字率の話題にもつっこんでおり、古代ローマ世界に興味がある人にも面白い内容になっています。アーマンはどうした意図でこうした偽文書が作られ、流布していったかについて個別に丁寧に見通しを示しており、キリスト教偽文書のガイドブックとしても格好の書です。面白くてすらすらと読めました。
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