- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好、通信品質ほぼ安定」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「使い勝手は良い」
- 【3】音質「重厚だが、重すぎないバランス」
- 【4】官能性「重厚なJAZZ、ロックを楽しめる音」
- 【5】総評「ほぼあらゆる面でiKanzi X9を凌駕している」
- 【6】このイヤホン向きの曲
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好、通信品質ほぼ安定」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
装着感は低価格完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなりよい。装着方法はマニュアルや商品ページにも詳しく書いてないので厳密には私の我流になるが、イヤーフック部分を後ろ向きに耳に入れ、そこからイヤーフックを斜め上に立てるように回すと良好な装着感が得られる。
遮音性はそこそこ。音漏れは少し。
AAC/SBCのみ対応。通信は基本安定している。遅延・途絶はないが、ごく稀に右側の音が途切れてポツポツ鳴ることがあった。このイヤホンのレシーバーは左である。通信が混雑しているところでは途切れが目立つかも知れない。
【2】外観・インターフェース・付属品「使い勝手は良い」
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。
充電ケースは同価格帯ではデカイほうで、iKanzi X9と同じような大きさ。イヤホンの取り出しはスムーズ。
イヤホンの連続再生時間はスペック上4-6時間。私の大まかな実測で一応4時間半は持った(タイマー掛けてプレイリスト再生し、定期的に充電が切れているか確認するというやり方)。ケースは圧巻の容量3600mAhで最大再生時間は120時間というから驚きだ。この充電ケースはモバイルバッテリーも兼ねており、付属の充電ケーブルを使ってスマホへの充電も可能だ。
イヤホンをケースから取り出すと自動でペアリング、接続モードになる。収納すればそのまま充電モードに。低価格では自動接続を充分に実現している機種は少ないが、この機種は問題なく実現していた。ただし最近気づいたが、私のように複数のDAPで複数の完全ワイヤレスイヤホンを気分で使い分けている希有なタイプには、この自動接続は些か煩わしいところがある。起動すると勝手に近くのDAPにつながって、それを解除しないといけなくなったりするからだ。
操作はタッチパッド式。この点は少し好みじゃない。
防水性能はIPX7でかなり優秀。水没させても大丈夫なレベルで、雨の中で使っても全然大丈夫という性能だ。
【3】音質「重厚だが、重すぎないバランス」
音質的には重厚な低域が目立つ感じでiKanzi X9に近い。iKanzi X9に比べると低域の地熱感はやや劣り、弾力感でやや勝るといった感じに聞こえるが、ほとんど双子のようであり、差を感じない。バランス的にこっちのほうが中高域側にかすかに寄せて、発色と輪郭感が少し良いように思うが、ほとんど誤差で印象はあまり変わらない。こちらの音の方が締まっている気がするが、それはiKanzi X9のイヤーピースが少し緩く耳穴に隙間があるせいとも思われる。途中まで躍起になって音質の差を一生懸命認識しようとあがいたが、めんどくさくなってやめた。ほぼiKanzi X9という情報を伝えれば用を為すと思ったからだ。ゆるい装着感のiKanzi X9よりはこちらのほうが装着感がしっかりしているだけ、人による音質差が少ないという意味で万人向けかも知れない。
下の部分はiKanzi X9からコピペして相違点だけ変更しようとしたが、そのままこの機種で再利用可能であった。ドライバー自体はもしかすると共通部品でハウジングや装着感の差で若干印象が違うだけかも知れない。
[高音]:突き抜け感はあまりない。自然な色味で煌めき感や透明感は普通(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:金属光沢はややドライに聞こえる。ピアノの色味も情緒が落ち着いていて、ほどよく透明感があるが浮き上がらない。やや下方向に音がまとまりやすい傾向があって、高域方向に向かうほど少し空疎な雰囲気がある。
[低音]:はっきりした太い振動で100hz~40hzまでしっかり。30hzでも少し振動を感じ、20hzはほぼ無音。太いベース音で深掘り感もある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:音の太さの割に音場は少し広めであまり圧迫感を感じない。大抵の完全ワイヤレスイヤホンは音が近いので、そういう音場表現に圧迫感を感じている人は、密度感と広さのバランスが良く感じられるかも知れない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムはやや膨張感があるが、地熱と爆発力のバランスがよいように思う。少し膨らむ感じのバッシンバッシンという音。ハイハットは色味がドライで浮き上がる感じがない。粒感は結構良く、ライドシンバルなんか結構締まっている印象。どちらかというとパーカッションは暗い方向ではあるので、大人びて聞こえるかも知れない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルやや太め。高域は少し天井感があり、色味は抑えめではあるが、暗い感じでもなく、意外と自然な色合いでバランスは良い。無難。
【4】官能性「重厚なJAZZ、ロックを楽しめる音」
saya「The Girls Are Alright!」
正直iKanzi X9とあまりに音質差が少ないので、途端に興味を失って官能性については焼き直しのような形になってしまうのだが、たとえばイヤーピースを両方ともTS-200に交換して装着性の差を極力なくしてsaya「The Girls Are Alright!」を聞き比べてみても、印象に差がほとんど感じられない。どちらも比較的重厚に、中高域をまあまあ発色良く自然な感じで聴かせる印象でドライバーいっしょなんじゃないかと思わせる。こうしてイヤーピースを変更して装着感まで一緒にしてしまうと、目隠しして聞き比べしろって言われても常人じゃまず無理なように思える。
聞き比べ方は一方のHi-TWSをSONY NW-A27に、もう一方のiKanzi X9をSONY NW-ZX300に繋げて試しているんだけど、これだとかすかな差はDAPのワイヤレス音質差とも考えられるし、差を感じられない。プロやちょっとした凝り性のレビュアーなら波形とったりするのかもしれないけど、私はそういうのめんどくさいからほぼ一緒ってことがわかれば満足。ほかにも聞き比べたけど、語るほどの差がなかったし、レビューとしてはそれを深掘りしてもしょうがないんで、iKanzi X9そっくり問題についての追究はこれで終わりとする。使い続けてればそのうち差がわかりそう。一つだけ相違点を挙げるとすれば、音量はたぶんHi-TWSのほうが出るようだ。
TVアニメ「 宇宙よりも遠い場所 」オープニングテーマ「 The Girls Are Alright! 」
ヨルシカ「冬眠」
ヨルシカ「冬眠」は気持ちよく聴ける。ドラムにほどよい膨張感と躍動感があり、シンバルもキラ味が強すぎるにほどよい粒感があって、うるさくならない。ボーカルの太さもしっかりしていて、安定感のある声色で個人的に満足。
三月のパンタシア「フェアリーテイル」
大好きな三月のパンタシアの「フェアリーテイル」も安定感がある。低域はボリューミーで充分に足場を作るし、ベースもほどほどに深掘り感があり、楽器音にギスギスした感じがない。ボーカルは自然で細く尖ったりしないし、ほどよい厚みがあって温かみがある。
下地紫野「プ・レ・ゼ・ン・ト」
あとはこのイヤホンで聴く下地紫野「プ・レ・ゼ・ン・ト」なんて結構イイ。この曲はTVアニメ「ステラの魔法」の主題歌「God Save The Girls」のカップリング曲だけど、低域弦楽に厚みと深掘り感が出て、ピアノも濃厚に出るとかなり楽しめる。つまり、このイヤホンの音質はこの曲向きだ。
God Save The Girls (DVD付初回限定盤)
TVアニメ「ハクメイとミコチ」ED主題歌「Harvest Moon Night」
下地紫野の声色をこのイヤホンで楽しむなら、「Harvest Moon Night」もいい。フィットしていれば重厚感は充分なはずだが、物足りなく思ったら大きめのイヤーピースに替えるかコンプライ製の低反発ウレタンイヤーピースのT-200やTS-200に替えてみるといい。どちらにせよ「プ・レ・ゼ・ン・ト」と同じように重厚感のある低域弦楽が楽しめる。楽器音の色彩も自然な感じで煌めきすぎて明るくなりすぎたり、細く軽い感じにならない。充分楽しめるはずだ。
TVアニメ『ハクメイとミコチ』ED主題歌「Harvest Moon Night」
【5】総評「ほぼあらゆる面でiKanzi X9を凌駕している」
くどいようだが、位置づけ的にはiKanzi X9の上位互換と考えてしまってほぼ問題ない。音質的にはそっくりだし、防水性能やバッテリー容量などスペックは明らかに上。装着感的にもこちらのほうがしっかり耳に嵌まるという人は多いだろう。ついでにいえば技適証明に関してもしっかり取っているので、この点もiKanzi X9と差はない。一点だけ欠点があるとすれば、私の手に入れた個体は通信品質だけはiKanzi X9にやや劣る印象を受ける。
iKanzi X9もamazonで大ヒットした商品でカスタマーレビューの評判が良く、品質安定感があるが、こちらはそれよりも全般的に良い。通信品質だけ少し気になるが、この点は個体差や相性問題が結構大きく出るところもあるので、一概に批判しづらい。少なくともずっと途切れるというひどい状況ではなく、稀にポツポツという感じである。
どちらにせよ私の中ではiKanzi X9+といったイメージが確定してしまった。iKanzi X9がとびきりおすすめできる機種なので、当然のごとくこの機種もおすすめである。
【6】このイヤホン向きの曲
渕上舞「グラヴィティ」
個人的に渕上舞の曲では一番好きな「グラヴィティ」。このイヤホンはやや音が全体的に近めかなとは思うが、重厚感のある形で聴かせてくれるので心地よい。こういうロック色の強い曲は比較的得意。
花澤香菜「ざらざら」
あとは花澤香菜「ざらざら」。花澤香菜の曲で一番好きなこの曲も、このイヤホンで聴くとかなり心地よい。ただし、この曲の花澤香菜のボーカルは息感が少し強いので、音量次第では息が少し刺さって感じられるかも知れないところだけ注意。まあこれはこのイヤホンに限った話じゃなく、低価格イヤホン全般共通するところで、むしろこのイヤホンでは目立たないくらいなんだけど。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。