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【特集】名曲「hectopascal」を聞き比べて、味わう!低価格完全ワイヤレスイヤホンの緻密感と発色を比較する

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hectopascal

hectopascal

 毎回、私が愛する名曲を紹介するとともに、オーディオ製品を聞き比べようという不定期企画です。今回で5回目になりました。

 毎回名曲を好き勝手に味わってはいろいろ言ってますが、結局のところプレイリスト作成用の個人的なメモっていう実用目的の記事でもあるんで、また例の妄言始まったな程度でくつろいでお楽しみください。

 

 

【試聴する完全ワイヤレスイヤホン】

 今回もいままで同様、6機種を手持ちの低価格完全ワイヤレスイヤホンから取り上げます。ラインナップは相変わらずメジャーとは言えない製品ばかりです。まあ元々趣旨としてはレビューが少ないこういったマイナー機種の情報をなるべく詳しく提供しようという目的でやっていますから、当然の結果です。メジャーな製品にはネット上含めたくさんレビューがありますからね。

  1. CANAVIS J29
  2. Hihiccup Hi-TWS
  3. ifancier KD-66
  4. iKanzi X9
  5. Lesoom S1
  6. SoundPEATS Truengine

 

 今回も入れ替えました。新しく手に入れた機種の音質を確認するって意図もあるんで、比較的最近レビューしたものに偏ってますが、今回はこれでいきます。

 

【音質比較レビュー】

課題曲について

 今回の課題曲はTVアニメ「やがて君になる」ED主題歌「hectopascal」です。カップリング曲は「好き、以外の言葉で」という曲で、そちらはもう少しウォームでゆったりした叙情的な曲になります。このカップリング曲も私は大好きなので、このシングルは個人的には大当たりでおすすめです。

 TVアニメ「やがて君になる」は2018年秋アニメで比較的最近の作品です。原作は仲谷鳰さんによる「月刊コミック電撃大王」の連載作品。テーマ的には女子と女子が同性どうしで愛し合う百合モノということになりますが、この作品の特徴としては百合モノにありがちな女の子だけの世界に閉じていないという点が挙げられます。思春期モノとして男女の恋愛関係や友人関係も描いている中に、主人公とヒロインの百合も含まれているという作品世界構成になっており、男女の恋愛と同性の恋愛はどう違うのか、どこが同じなのかという緊張関係が持ち込まれています。そのおかげで作品世界に重みがあり、百合モノが苦手という人でも惹き込まれる作品なんじゃないかと個人的には思っています。2018秋アニメの中でも個人的におすすめの作品であることは確かです。

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第1話 わたしは星に届かない

 

 その主題歌「hectopascal」については簡単にまとめると、最近流行のエレクトロダンス系の表現を多用した爽やかなデュエットボーカル曲ということができます。どこかありがちな曲という感じがあるのは事実で、Claris「DROP」なんかに近いところがあり、個人的には「DROP」が好きなのでこの曲に惹かれたのかも知れないと思うところもあります。そのため、「2018年のベストアニソン TOP10」に含めましたが、秋アニメとして新鮮な印象があるのと曲調が好みすぎて、評価が甘いんじゃないかと思って10位にしました。たとえばハルカトミユキ「17才」といった曲と比べると、斬新性で優れている曲ではないことは確かでしょう。

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 しかし、私はこの曲が大好きです。最近はプレイリストの常連になっていて、外出時に気分を盛り上げたい時のプレイリストではいつも快活なエネルギーを与えてもらっています。あくまで私のプレイリスト上の話ですが、ClariS「DROP」はどちらかというとリラックスするときのプレイリストに入れているので、同じような表現を多用しているところがあるとはいえ、「DROP」と「hectopascal」とでは呼び起こす感情には差を感じています。

 全体的な味わいの方向としては「DROP」と同じように調和的な密度感があるほうが好ましいですが、一方で緻密な音の表現が感情表現に味を加えていますから、繊細な表現力も必要になるように思います。ClariSと比べてもボーカルはふっくらしている上に息感は強くないので、細身の音を鳴らすイヤホンでもギャンギャンするところはなさそうです。また発色が良くないと煌めき感は出ないでしょうから、一定程度の透明感を感じさせるくらいの発色は欲しいと思います。

 

CANAVIS J29

Hihiccup Hi-TWS

 これまで何度か説明してきたように、ドンシャリ系のイヤホンになります。この曲でも中域が奥まり、ややスカスカした感じはあります。一方で低域のデジタルドラムのスマッシュ感はなかなか良好で、背景のグロウ表現の煌めき感の表現も良いです。音は近めな印象ですが、前述のように中域の引っ込みがあるので、このイヤホンでこの曲の奥行き表現をしっかり味わうためには一定程度音量を多めにとる必要はあります。

 音量を一定以上取ってやれば、発色良くメリハリの利いた音楽を楽しめます。今回の「緻密感」と「発色」に着目すれば、発色はなかなかよいレベルですが、緻密感には少し劣り、定位感がやや前屈みで、音量を上げるほど圧迫してくるところはあります。

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Hihiccup Hi-TWS

CANAVIS J29

 中低域に充実感があり、この曲ではかなり安定感よく味わえて好印象です。音が背景まで全体的にしっかり聞こえてくるので、CANAVIS J29よりは音量を取らなくて大丈夫です。中域の背景音は近めでやや狭く感じるところもありますが、その分緻密感のある表現がわかりやすくなっているので、満足度は高いです。音に軽いところはなく、重厚感も一定程度あります。

 そのうえで問題点として指摘しなければいけないのは、個別レビューでも指摘した途切れやすさです。再現度は高くないですが、この曲を2回連続繰り返しで聴いている間に1回わずかに右耳が途絶する現象が起きました。一瞬ぽつぽつ音像が乱れるといった具合で完全な途絶ではないですが、屋内の安定した空間での話なので少し気になります。それを除けばこの価格帯ではかなり満足できる音質で、おすすめできます。

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ifancier KD-66

ifancier KD-66

 まずこの機種については前回に続き、今回も接続時に謎の動作を始めたので、それから説明します。前回はなぜか音声ガイダンスが中国語モードになってしまい、その後いろいろいじったら英語ガイダンスに戻ったという話を載せました。今回はなんと、起動すると右耳側が英語で左耳側が中国語という言語分裂を起こし、左右の接続が出来ません。しかたないので電源ON/OFFを繰り返し、タッチパネルを連打するなどの行動をとったあと、両耳英語モードに戻りペアリングに成功しました。このように、この機種の動作は時々謎です。

 さて、曲の聞き比べの方ですが、味わい的にはCANAVIS J29とHihiccup Hi-TWSの中間くらいといった感じです。中域はJ29ほどではないものの奥まっていて、ややおとなしめです。デジタルドラムのスマッシュ感はそこそこよく、爆発力も感じますし、色味も明るめに感じますが、一定程度音量を取らないと緻密感は出ないところはJ29と共通な印象です。音は音量を上げるとやや音像が荒ぶるところはありますが、全体的になめらかに感じるところがあり、バランス感覚は相変わらずよい印象です。

 今回テストした機種の中では一番安い部類に入る機種ですが、相変わらずよいバランス感覚で、この価格でこのレベルの音が味わえるなら現状大満足です。音の輪郭感はそれなりによく、曲の骨格がよく味わえます。

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iKanzi X9

iKanzi X9

 

 Hihiccup Hi-TWSのレビューで、Hi-TWSの音の印象がこのX9にそっくりだということを申し上げました。この曲を聴いても中低域に密度感があって充実した印象は変わりません。ほぼ完全に代替可能な印象がありますが、ややこちらのほうが音の膨張感が強く、そのせいか音場が全体的に近い印象を受けますが、ほとんど誤差でしかない感じです。

 低域の量感をしっかり出した上に肉厚なビルド感のある音を奏でるので、密度感は味わいやすいです。音の発色も高域で少し暗いところはわずかにありますが、ほとんど気になりません。個人的には好きな鳴らし方でこの曲に関しては評価は高いです。www.ear-phone-review.com

 

Lesoom S1

Lesoom S1

 このイヤホンについては全体的に音が膨張するところがあり、しかし音場はやや広く感じるところがあります。このイヤホンだとボーカル周りの見通しが良く聞こえるところがあり、個々の音は膨張してやわらかい感じですが、すっきりとしているところもあって滑らかに心地よく味わえます。グロウ表現の光沢感が抑えめなところはあって、点としての発色はよくないように思いますが、全体的な発色は悪くなく、意外とこの曲の明るさが素直に味わえます。

 率直に言って売れている機種でもなく、ネット上でも高く評価されている機種ではありませんが、私は大好きな機種です。これをamazonで売っている業者が明らかなレビュー水増しを行っているのに目を瞑れば文句なくおすすめしたいのに惜しい機種です。今回の機種の中でも聞き疲れしにくいという意味での聴き心地のよさは一番です。

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SoundPEATS Truengine

SoundPEATS Truengine

 

 ダブルドライバーの機種です。そのパワフルさは健在で、ドンシャリ気味の中域が引っ込むところのある鳴らし方ですが、全体的に音圧があって活き活きして聞こえてきます。低域音がやや支配的になりやすいところがあるのは事実で、そのせいか全体的な色味はやや暗く感じられるところはあり、ボーカルは今回の機種の中では一番暗い印象を受けます。輪郭感は良く、音のメリハリ感は高いので、背景音の緻密な感じやデジタルドラムのスマッシュ感は良く味わえます。音は全体的にやや近めです。

 聞き疲れしにくい感じだったLesoom S1とは対比的に、圧迫感は強い感じなので、聞き疲れしやすいところはあります。しかしぎっしりした肉厚さを感じさせる密度感は今回テストした機種ではNo.1です。

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【総評】

 今回も低価格完全ワイヤレスイヤホンの聞き比べを楽しませてもらいました。それぞれに個性があり、毎回いろいろ悩みますが、今回はiKanzi X9を最も好印象な機種として推します。

 次点はまったく違う音のSoundPEATS TruengineとLesoom S1、そしてiKanzi X9に大差ないHihiccup Hi-TWSを同率とします。SoundPEATS Truengineは一番パワフルで密度感もあるのですが、圧迫感が出やすく、音が耳に重く響くところがあって聞き疲れしやすい感じがあります。Lesoom S1は反対に聴き心地よい音で、調和的であり、緻密感には優れないところがありますが、この中では長時間リスニングするのに最も向きます。Hihiccup Hi-TWSについてはiKanzi X9に比べてわずかに低域の膨張感が足りない感じがしたので、その差を重視しました。この曲は個人的に低域は強くなくて良いですが、一定の厚みがないと楽しみが減る印象があります。その厚みの差を重視して評価を分けました。

 次は今回もいろいろ苦戦させてくれながらも安定した表現を感じさせたifancier KD-66で、不足感が比較的少なく、バランス感覚が発揮されています。

 今回最下位としましたCANAVIS J29はドンシャリすぎる表現の仕方が仇となった感じです。かなり大きめの音量まで上げないと背景音が聞こえず、そこまで音量を上げると圧迫感が強くなってしまい、この曲ではピーキーで聴きづらい印象を受けました。

 

 さて、このささやかなレビュー記事はこれでおしまいです。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この記事が皆様の参考になり、楽しい音楽ライフにつながれば幸いです。

 皆さんの音楽ライフを応援しつつ、今回もお別れしたいと思います。

 

 

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