今回取り上げるのはAudirect ATOM 2のUSB type-Cモデルです。
この機種は比較的小型にも関わらずMQAフルデコードと32bit/768kHz、ネイティブDSD512までの再生能力をつめこんだ野心的なDACアンプです。スマホとこれさえあれば、DAPはいらない、そんなことさえ言われています。本当でしょうか?
この記事では実際にATOM 2を使いながら、販売元であるHiFiGOとやりとりした内容を記録します。これによりAudirect Atom 2の生の使用感だけでなく、HiFiGOのサポート体制についても有益な手がかりを読者に与えると思うので、今回はあえてこういう形で記載しました。
以下やりとり内容。
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私:
昨日話してたAudirect Atom 2だけど、実はちょっとトラブってる。どうも動作が安定していないようで、いろいろな機器につないで試したけど、音量調節ができず、発熱もひどい。いろいろ試してたら、今度は音自体が出なくちゃった。IEMを接続しても、うんともすんとも言わない。対処法を考えてたけど、あまりに時間がかかったので、困ってる。ちなみにテストした機種は「PC、A&K KANN ALPHA、Samsung Galaxy A30、FiiO M15、Hiby R6 Pro、Shanling M6」。
HiFiGO:
それは本当に申し訳ございません。もしよかったらATOM2をどんなふうに機器に接続してるかビデオを送っていただけると嬉しいです。私たちもその症状を理解したいので。
私:
OK!今日中にビデオを撮って送ります。
HiFiGO:
ありがとう。
私:
以下のURLに動画をアップロードしたよ。ブラウザで簡単に確認できるはず。説明にはKANN ALPHAを使用していますが、どのDAPやスマートフォンでも同じように動作します。動画の英語はあまり上手ではないから、質問があれば気軽に尋ねてください。
私がビデオを送る。
HiFiGO:
ビデオをありがとう。スマホとの接続について、もう一度撮影していただけますか?atom2がスマホの通知バーに表示されるかどうかを確認したいです。接続した時のスマホの通知が表示されているものがいいですね。ありがとうございます。
私:
実は、同じ状況をスマートフォンで撮影することはできないのです。なぜなら、私はスマートフォンで撮影しているから。とりあえず、スマートフォンがATOM2を「ESS USB Audio」と認識して、「Wavelet」や「Hiby Music」などを使っているアプリケーションのスクリーンショットを撮って送ります。
私がスクショを送る。
HiFiGO:
今、Atom2について添付ファイル付きのメールを送ったのですが、メールシステムのサイズ制限のためか、返ってきてしまいました。そこで、添付ファイルを分けて送ることにしました。添付ファイルは、このメールで送ったガイド、0601_atom2-ldet_THD 3、5_audirect_FWBurnerの3つです。
全ての添付ファイルを受け取った後、Windows10のパソコンでツール(5_audirect_FWBurner)を使って、ガイドにあるようにHilidacのファームウェア(0601_atom2-ldet_THD 3)をアップグレードしてください。まずガイドを読み、ツールを開き、ガイドにあるようにファームウェアをクリックします。ガイドに記載されているファイル名は微妙に違いますが、基本的には同じです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご不便をおかけして申し訳ありません。
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ここから注釈
5_audirect_FWBurnerのURL:
https://drive.google.com/file/d/15C-5rNlV23nbS6qwF06oPef_vWAgv_pR/view
※出荷される製品はつねにファームウェアが上書きされているので、動作が不安定で最新版がほしい場合は、sales@audirect.ccに連絡してください。私が受け取ったバージョン(0601_atom2-ldet_THD 3)はネットでは手に入らないようです。
ファームウェアアップデートソフトの使い方:
注釈ここまで
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私:
情報を送っていただき、ありがとう!とてもわかりやすい!早速、試してみます。何か進展があったらお知らせします。
私:
最新のファームウェアでAtom2が動作することがすぐに確認できました。要約するとこんな感じです。
- Samsung Galaxy A30:音出しOK、音量調整OK
- Shanling M6:音出しOK、音量調整OK
- Hiby R6 Pro:音出しOK、音量調整OK
- AK KANN ALPHA:音出しOK、音量調整なし
- FiiO M15:音出しOK、音量調節なし
- iBasso DX220 MAX:音出しOK、音量調整なし
上記の傾向は、Androidのバージョンの違いや各メーカーのAndroidシステムの再現度が影響していると思われますが、設定を変更することで改善できる可能性があります。ただし、それらの詳細はまだ試していません。
次に、手持ちのヘッドホンの中で最も音量が出にくいbeyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ωで音量を確認してみました。
ATOM 2のボリュームコントロールは、スマートフォンに接続するとかなり大雑把になってしまいますが、最大ボリュームでSamsung Galaxy A30でも十分な音量が出ることがわかりました。
高域が少しぼやけているような気がしますが、測定で確認したわけではないので、詳細はわかりません。音像がぼやけているとは感じませんので、音楽鑑賞に不足はないと思います。
IEMを駆動してみました。私が持っている中で最も出力インピーダンスに敏感なAudiosense DT600を使ってみましたが、この機種は変化の方向が一定で分かりやすいことが特徴です。このイヤホンは、出力インピーダンスが低い機器に接続すると、より暖かみのある音になる傾向があります。私が聴いたときは、DT600がかなり暖かみのある音だったので、このアンプであればIEMの駆動も問題ないと思います。
現在の個人的な感想を言えば、この価格とこのサイズでこの音質というのは驚きです。動作安定性は少し劣りますが。
私:
追加情報です。
Samsung Galaxy A30でATOM2の音が出なくなりました。
端末を再起動すると症状が直り、再び音が出るようになりましたが、それによってなぜかUSBの音量調整がオフになってしまい、設定を修正する必要がありました。この症状の再現性はわかりませんが、ファームウェアをアップデートしてから短時間で現れたことは事実です。以上のように、ATOM2の動作は日常的に使用するにはあまりにも不安定であるという印象を受けました。
HiFiGO:
お忙しい中、このような体験談を詳細にお寄せいただき、また問題点を教えていただき、本当にありがとうございました。これはブランドにとって非常に有益なことです。
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以上のような感じです。ファーストインプレッションの感じだと、この機種は音質面ではコスパが良さそうですが、使い勝手は少し不安定で、玄人向きの印象を受けます。
HiFiGOのサポートは非常に丁寧に教えてくれます。ただし当然日本語ではないので、英語に苦手意識がある場合は敷居が高く感じるかもしれません。ただ、Aliexpressに溢れている、無言サポートやチンプンカンプンな受け答えをする業者より、はるかにまともで誠実に思えます。
私のように、Audirect Atom2が突然音を出さない症状にあった場合は、HiFiGOで買った場合は、とりあえずHiFiGOに連絡してみるのが良いと思います。それ以外の店舗で買った場合はHilidacに直接コンタクトしてみるのが良いでしょう。
Audirect Atom2 MQA DSD512 32bit/768kHz HiFi Portable USB DAC Amplifier
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