JVCケンウッドは「Victor」ブランドから、同社自慢の木製振動板を採用したWOODシリーズの初完全ワイヤレスイヤホンモデル「Victor HA-FW1000T」を発表しました。
木製振動板モデルによる完全ワイヤレスイヤホンはJVCファンが長く待ち焦がれており、その声に応えた製品となります。同時にJVC自慢のワイヤレス・オーディオ高音質化技術「K2テクノロジー」も搭載され、ブランドとして現時点の総力を尽くした最高峰モデルとなります。お値段はオープン価格で実売¥39,600(税込)程度となる模様。発売日は11/5。
完全ワイヤレスイヤホンで存在感を高めるJVC
JVCはONKYOやSONYと並び、日本の大手ブランドとしてはかなり早期に完全ワイヤレスイヤホン市場に参入するとともに、それらのブランドよりも価格帯や音質において幅広く、多彩なモデルを継続的に展開し、多様化する完全ワイヤレスイヤホンユーザーを大きく包含する製品群を築いてきました。
日本の大手オーディオブランドとしては最も積極的に完全ワイヤレスイヤホンの低価格化にも取り組んでおり、国民的ブランドとしての底力を見せています。
とくに2020年に発売されたVictor HA-FX100Tでは、ANCや付属アプリなど機能を重視しがちな市場の動向に反して付加機能はそれほど設けず、音質と装着感、デザインで勝負するオーディオメーカーらしい勝負を仕掛け、見事多くの支持を集め、JVCサウンドの確かなチューニング力、音響設計能力を見せつけました。
JVCは完全ワイヤレスイヤホンでも音の最高峰を目指す
JVCは独自の木製振動板技術を持っており、フルレンジスピーカーやヘッドホン、イヤホンに搭載しています。その響きは生楽器のように美しく、自然な広がりを持っているとファンから絶賛されており、JVCファンの間ではそれが完全ワイヤレスイヤホンに搭載されることを求める声が絶えることはありませんでした。
今回、JVCは長年のファンの要望に応え、しかも完全ワイヤレスイヤホンとして最高レベルの品質を実現した製品に搭載します。ハイレゾ相当のaptX Adaptiveコーデックに対応し、アクティブノイズキャンセリングを搭載、さらに独自技術であるデジタルオーディオ高音質化技術「K2テクノロジー」を初めて完全ワイヤレスイヤホンクラスで実現しました。
サウンドチューニングはHA-FX100Tで好評をもって迎えられたVictorスタジオとJVCのエンジニアのコラボによって、日本の音楽が生み出されるスタジオサウンドを最高に引き出すことができる調整が加えられており、JVCが今持てる最大限の資源を振り向けて、この製品を作り上げたことがわかります。
VictorスタジオとJVCのコラボ製品はモニターヘッドホンの「Victor JVC HA-MX100V」も非常に高い評価を得ており、このコラボに今のところ失敗はありません。
Victor HA-FW1000Tの特徴
改めてこの期待できる新製品「Victor HA-FW1000T」の特徴を確認してみましょう。
- 完全ワイヤレスイヤホンで初めて“木”の振動板を搭載
- 最新ノイズキャンセリング技術Qualcomm®アダプティブノイズキャンセルを採用
- ハイレゾ相当の高音質が楽しめるデジタル高音質化技術「K2テクノロジー」を完全ワイヤレスイヤホンに初搭載
- 新開発「スパイラルドットProイヤーピース」により音質と装着感がさらに向上
- 音楽制作現場のプロが認めた音「Tuned by VICTOR STUDIO」
- 96kHz/24bitまで対応したハイレゾ対応高音質コーデックQualcomm® aptX™ Adaptive audioに対応
- マスクモードや通話マイクのオン/オフ機能を新搭載、テレワークでも高品位で快適なハンズフリー通話が可能
- イヤホンを着けたまま会話が可能なタッチ&トーク機能を搭載
- 安定した装着感を実現する形状を採用
- 100段階のボリュームステップなどを新たに採用し、快適な操作性を実現
- 最大27時間の長時間再生とクイック充電に対応
- IPX4
個人的に注目しているのは新しい「スパイラルドットProイヤーピース」と100段階ものボリューム調整を搭載しているところですね。JVCがフラッグシップモデルとして、音質面にこだわり、かなり作り込んでいることがわかります。
一方でフラッグシップモデルにも関わらず、他社と異なり、高機能な付属アプリなんかがないのはJVCらしいところです。JVCも一時期、一部機種でアプリの提供をしてたんですが、やめました。この点をどう見るかはユーザー次第ですが、私はデジタルオーディオプレーヤー(DAP)で完全ワイヤレスイヤホンを聴いているので、正直あんまりアプリを使わないタイプです。
主な仕様
- 型名:HA‐FW1000T
- ドライバーユニット :口径11mmウッドドームカーボンドライバーユニット
- 通信方式 / 出力:Bluetooth® 標準規格 Ver.5.2 / Power Class 1
- 対応コーデック:SBC、AAC、Qualcomm® aptX™ audio、Qualcomm® aptX™ Adaptive audio
- 対応コンテンツ保護 SCMS-T方式
- 電池持続時間 :イヤホンで連続最大9時間、充電ケースで最大18時間(計:最大27時間)
- 付属品 スパイラルドットProイヤーピース5サイズ(S/MS/M/ML/L)各2個、充電用USBケーブル、充電ケース
まとめ
DENONやV-MODAなど、人気オーディオブランドの完全ワイヤレスイヤホン製品が立て続けに発表され、Panasonicも製品群を拡充するなど、日本のオーディオ製品の趨勢は完全にフルワイヤレスが主流になりつつあります。
その中でいち早く完全ワイヤレスイヤホン市場に乗り出し、パイオニアとして牽引してきた自負があるJVCだからこそできる、今の時点の最高のオーディオ体験が目指されているであろう「Victor HA-FW1000T」。ほかのメーカーとは異なり、明らかにブランドの資源を全部入りで投入しているので、本気度の違いが明確です。個人的には今年の大本命ですね。
……LDACには対応してほしかったかな。あとマルチポイントも……。
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