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こんな人におすすめ
- バランスの良いニュートラルサウンドが好き
- ディテール感重視
- すっきりしたサウンドが好き
TForce Yuan Liの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「TForce Yuan Li」です。
TForce Yuan Liの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:103.5dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
パッケージ
1万円台のイヤホンですが、パッケージに気品があり、付属のキャリーケースも高級感を意識していて、豪華です。
パッケージ内容
付属品は比較的揃っています。イヤーピースは十分あります。
- イヤホン本体
- シリコンイヤーピース
- ワニ革風キャリーケース
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは悪くありません。指紋が残りやすい傾向があります。
装着サンプル
耳への収まりは比較的良好です。装着感は良いでしょう。
音質
今回は標準イヤーチップの中で、バランスタイプのLサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
すでにプレファイナル版のレビューをしましたが、Yuan Li製品版はプレファイナル版より周波数特性全体がよりフラットなサウンドになりました。それにより、SonarWorksターゲットに近いスタジオチューニングサウンドであったプレファイナル版と異なり、RTINGSターゲットをさらにテイムしたような穏やかなニュートラル系リスニングモデルとなりました。
これによりYuan Liのリスニング体験は非常にスムーズになりましたが、一方でプレファイナル版にあった構築感、色彩感の良さが失われて、彩度の低い感じになり、イメージング能力は低下しました。音楽本来の立体感情報(音場感とは異なります)は少し曖昧になり、プレファイナル版と聴き比べると、音源の鮮明度が少し低いように思うでしょう。
反面、全体的にすっきりして音楽の角張った感じや刺々しさはセーブされて聞こえるようになったので、聴き心地はマイルドになり、より万人向きになりました。ボーカルフォーカス感はわずかに向上し、ウォーム感も増したため、少し包容感のあるサウンド表現になっています。
音楽の正確な表現を重視するオーディオマニア的観点では明らかにプレファイナル版のほうが素晴らしい出来ですが、多くの人にとっては製品版のほうが心地よく、音が整理されていて、音楽が聞きやすいと思うでしょう。製品版は万人向きの優れたニュートラルリスニングイヤホンです。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:S
- 個人的な好み:A-
TForce Yuan Liはこの価格帯で最も優れたニュートラル系リスニングイヤホンです。どんなジャンルの曲でも聞き苦しいところなく、比較的優れた解像度で、スムーズに、心地よく聞かせてくれます。真の万能機に近いと言っていいでしょう。Yuan Liに対する巷間の高い評価には納得できるところがあります。それは少なくとも5万円以内で最高のイヤホンの一つとして数えることができます。
風通しの良い、クリアなサウンドは人によってはややきつく聞こえる場合もありますが、Yuan Liはサウンドバランスでそれを巧みに補っています。バランスはわずかにウォームで、中域に丁寧にステージングを形成しており、全体の鮮明感をほとんど損なわずにマイルドに聞こえるよう、うまく調整されています。銘機と言えるでしょう。
しかし、個人的にはプレファイナル版のほうがモニターイヤホンとしての能力が高いので、そちらのほうが好きですし、実用性で勝っています。中域がやや前かがみに聞こえて窮屈なところもありますが、プレファイナル版のほうが音楽が色鮮やかにきれいに聞こえ、原曲の立体感の再現度に優れています。
音質的な特徴
美点
- 優れたイメージング能力
- 自然な質感
- スムーズで聴き心地が良い
- 比較的高い原音忠実性
- 優れたボーカルフォーカス
- 高いクリア感
欠点
- 色彩感が薄い
- 構築感に欠ける
総評
TForce Yuan Liはこの価格帯、いえ、全価格帯含めても競争力のあるニュートラル系リスニングイヤホンです。非常に優れたバランス感覚と巧妙なステージング、聴き心地の安定感、ビルドとパッケージの両面でのクオリティの高さなど、エントリークラスでありながら、ハイエンドレベルのサウンドを持っています。スムーズで後味を引かない快適なサウンドで万能に音楽を楽しめます。1万円台でスマホでもDAPでも使える良質なイヤホンを求めている場合、大注目の製品であることは間違いないでしょう。
TForce Yuan Li
Tforce Audioは、唐の時代の初代皇帝の名を冠したシングルダイナミックドライバーIEM「Yuan Li」を海外市場にデビューさせます。片側10mmの大型ダイナミックドライバーユニットを搭載し、DLC(Diamond-Like Carbon)振動板を採用しています。自然な音色と広い音域で、高解像度でクリアなサウンドをお楽しみいただけます。
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