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【ハイレゾ対応イヤホン JVC HA-FW01 レビュー】独特の有機的で調和的な音楽表現に唯一無二の価値を見いだせるか

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JVC HA-FW01 CLASS-S WOODシリーズ カナル型イヤホン リケーブル/ハイレゾ音源対応 HA-FW01

 

おすすめ度*1

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 JVCの木製振動版を使ったWOODシリーズのイヤホン。独特の濃密でありながら有機的で優しい音の鳴り方が気に入っているシリーズだ。遮音性はそこそこ高く、音漏れも少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替えと高級感のある携行ケース。ケーブルのタッチノイズはほとんどない。ケーブルは着脱可能。

 

 

【2】音質

 全体として優雅といった感じで独特の濃密な味わいがある音質。音の鳴り方が耳に刺さってくる感じがなく、柔らかみのある優しい丸っこい鳴り方をし、音の粒子のようなものが感じられる特徴的な音。一体感も高めで、ほどよい精緻さがあるがガチャガチャせず、個々の音も全体的な調和に彩られていて他の音を刺激しない。密度と広さのバランスも秀逸で、狭くはないが濃厚な音場。低域も決して強くはないが、存在感がしっかりある。まろやかで耳当たりよく、密度があるが圧迫感はない音はこのシリーズのイヤホン以外ではなかなか味わえない。

 

[高音]:のびやかで高く突き抜ける(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:精密で音場の広がりを丁寧に感じさせるが、しかしアナログ的な温度感があり、どこか懐かしげな優しい自然な音。情感たっぷりで、ピアノの独特の優しい響かせ方を聞けばそれがよくわかる。

[低音]:精彩感はあるが、あまり目立たない。減衰は素直(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に奥行きと定位感はしっかりしている。下は床面を感じやすく、上に向けて開放的(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位だが、ハイハットの粒感も失われず、芸が細かい。全体的にやわらかめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:低域から高域まで自然に移行しシームレスな高低感がのびやかでコシのある声を作る。息遣いもうまく出ているが、そこに温度感があって体温が感じられる。

 

【3】官能性

 (K)NoW_NAME「Harvest」は広さと情感に満ちている。低域は中高域を邪魔しない。若干低域がぼけて聞こえるかも知れない。音の消失感とのびやかさが自然で息遣いも感じられる。全体的に温もりのある有機的な鳴り方。

 ClariS「カラフル」は独特の伸びやかさと色彩感がある。効果音が緻密だがやわらかめで耳に優しく、暖色的。ボーカルも自然な伸びやかさでキラキラしすぎず、息遣いもあって生々しい。キーボード系の音は少し控えめで全体としてやや大人びた印象を受けるかも知れない。

 UVERWorld「CORE PRIDE」はドラムが躍動的で弾力と反発力があるが、バチバチ感は強く出過ぎず、耳障りにならない。ボーカルも伸びやかかつ色彩豊かで楽しめるが、とくにギターとベースの木霊のような鳴り方にゾワゾワくるところがある。

 戸松遥「ユメセカイ」はしっとりとしたボーカルがみずみずしい。楽器音は全体的に立ち上がりよく、ガチャガチャしない。ドラムの弾けと抜けも良く軽快で、全体的に明るく伸びやか。森林浴をしているような、温もりのこもった光彩がある。

 

【4】総評

 このシリーズのイヤホンでしか味わえない独特の温度感のある音があるため、プライスレスなところはある。この味わいに唯一無二の価値を見出すならコスパは果てしなくよいが、ただ音楽を楽しむという面で言えば必ずしもコスパが良いとは言いがたいのが難しいところだ。バランスドアーマチュア型の高級機などに比べると精彩感という面では中毒性に欠けるかもしれないが、一体感がある調和的な音場体験はなかなか他の機種では味わえない良質なものだ。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 弦楽の色合いが鮮明かつ有機的。ドラムは弾みがあって明るく、ボーカルはのびやかで温度感があるため、春の穏やかな日差しのようにぬくぬくしている。

 

  暖色的な色合いだが、ぼやけない。ほどよい精緻さと温度感のバランスを感じる。ボーカルにはレイヤーの重なりのような深みのある味わいがあって、息遣いも感じられる。ピアノはやさしく耳当たりがよい。全体として濃密な調和性のある音楽を味わえる。(やなぎなぎ「音のない夢」)

 

 ボーカルの温度感・色彩・息遣いが素晴らしい。ギターやベースの色彩感もきれいで、低域ドラムにはやわらかみもあり、中高域との関係性が良好。この有機的で調和した雰囲気がカントリー調のどこか懐かしい味わいをうまく出している。

 

 全体的に濃密で郷愁を感じさせるなかに、情緒に満ちたボーカルが思う存分堪能できる。

 

JVC HA-FW01 CLASS-S WOODシリーズ カナル型イヤホン リケーブル/ハイレゾ音源対応 HA-FW01

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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