Geek Wold GK10 有線イヤフォン5ハイブリッドドライバーIEMイヤフォンHiFiインイヤーモニター1BA + 2DD +2ピエゾユニットオーディオファン
今回取り上げるのはGeek Wold GK10です。
この機種はHead-fiで$200クラスに匹敵し、$100以下では敵なしとまで断言するレビューによって一気に注目を集めています。それは本当でしょうか?
この記事では実際にGeek Wold GK10を使い、そのサウンドを検証しながら、販売元であるHiFiGOにメールした内容を記録します。これによりGeek Wold GK10のサウンドに対する私の生の感想を読者は知ることができ、購入の判断に有益だと思われますので、こういう形で記載します。
以下メール内容。
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メール1:
Geek Wold GK10を受け取りました。
Head-fiで、このイヤホンは$200クラスに匹敵するという意見を見ましたが、第一印象では、そう遠くないことが分かりました。
詳細は測定値を確認する必要がありますが、Geek Wold GK10は、中音域が特に丁寧で滑らかな音になるように努力しており、歯擦音や耳障りな音が最小限に抑えられていることが分かります。この音響設計思想は、おそらく滑らかなニュートラル系のQOA Adonisのそれと似ていると思います。
Adonisが非常に良い音で誰からも好かれていることを考えると、これは間違いなく売れると思いますよ。
ところでTforce Yuan Li、あれはおそらくかなり良い音ですね。Head-fiのoardioの人が投稿した周波数特性とレビューを見ましたが、とてもきれいにまとまっています。
メール2:
KZやKineraなどの他のイヤホンとの比較ですか?私はTin T2 Plusを持っているので、比較できるかもしれません。T2 Proは持っていません。KZのそれ(HiFiGOが比較してほしいといった機種)とKineraのそれは持っていないので、わかりません。
もちろんそれらの周波数特性はインターネットで拾えるかもしれませんし、私はカプラーもHATSも持っていますので、測定器ごとの測定値の挙動をだいたい知っていますから、そこからデータ化してサウンドバランスを概ね復原することもできます。
それでも、とくに低域の評価は非常に難しいものです。中域や低域は、THDや過渡応答などが違えば、同じバランスであっても同じ音には聞こえません。聴いたことのある音ならば、なんとなくイメージできますが、聴いたことのないモデルで現物を持っていないものについては、言及できません。実物を提供していただければ、周波数特性のサウンドバランスについてはすぐに採点できますので、比較のための情報を掲載することができます。ただ、その前にGK10の音をよく吟味する必要があると思います。
イヤホンの比較において実際にどちらが優れているかは、しっかりと測定し、時間をかけてじっくりと聴き、じっくりと吟味してみないとわかりません。それらの製品を提供していただけるのであれば、そのテーマについて時間をかけて取り組んでいくことはできます。しかし、こうしたものは短期間でどうこう言えるものではありません。
なので、もっと直球で表現したほうが近道です。
私が同価格帯の製品で普段使っているBehringer MO240に比べて、Tin T2 PlusとGK10は音楽を聴くのに適していますか?
残念ながら、MO240と比べると、後の2機種はイメージング能力が低すぎて、私をあまり満足させません。
メール3:
(測定値検証後)
Geek Wold GK10は、Head-Fiでは$200クラスに匹敵するサウンドだと分析・レビューされています。それは一面では正しいと言えます。
例えば、同じようなサウンドバランスのCCZ Plume($200クラス)とGK10を比較した場合、ブラインドテストをすれば完全なライバル、もしくはそれ以上と言う人が多いでしょう。しかし、年配の方や熟練したリスナーであれば、CCZ Plumeの高域のイメージングが少し優れている事実を感じ取るかもしれません。しかしその場合でも、総合的なイメージングではGK10の方が若干優れているという判断が優先される可能性が高そうです。
ただし、これは一種のトリックであって、$100以下のクラスのモデルの中でGK10が突出しているということではありません。意味するのは、この価格帯では間違いなく平均以上であり、上位のレベルにあるということだけです。それでも、中低域の膨張感があるサウンドを好むリスナーにとって、このモデルはゴールに近い製品かもしれません。
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