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【中華イヤホン Geek Wold GK10 フォースインプレッション】ケーブル極性と共振問題について

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Geek Wold GK10

Geek Wold GK10

 

 さて、今日のトピックは最近話題のGeek Wold GK10です。

 

 もうほとんどレビュー書き上がってるんですけど、例のごとく新たな情報提供があったので、それを検証しました。新たに提起された問題とは、「ケーブル極性問題」と「高域共振問題」です。

www.audio-sound-premium.com

 

ケーブル極性問題

 まず「ケーブル極性問題」です。Head-Fiで純正ケーブルの極性が逆である可能性があり、極性を逆にすると音質が改善する(気がする)という情報が寄せられました。

f:id:kanbun:20210901054105p:plain

OK、ちょっと馬鹿みたいなことかもしれないけど、聴いて。
私はグラフェンケーブルのピンを逆にすることにしました。どうやら、このケーブルの極性をずっと間違えていたか、GK10のピンアウトが逆になっていたようです。
もし、圧倒的な中低音の問題や、ぼんやりした音に悩んでいる人がいたら、ぜひ試してみてください。うわお!ってなるよ。

www.head-fi.org

 

 早速試して測定してみました。

 以下のグラフは測定用HATSで測定したものですが、赤が標準の極性、緑がそれを逆にしたものです。ケーブルが逆向きになることによって若干装着感の影響は出るようですが、おそらく周波数特性は変化していませんね。実際音を聴いてみても、印象はそれほど変わりません。

f:id:kanbun:20210901055746j:plain

 

 両方逆にしても、少し不自然かなくらいであまりよくわかりませんが、片方だけ逆にして聴いてみると、左右の位相差が出て音が少しごちゃごちゃして酔いやすいサウンドになります。

 

 どちらにせよGK10は標準の極性で最もよく聞こえるようにできているので、そのまま使うのがいいでしょう。

 

高域共鳴問題

 これは普段お世話になっている安耳さん(@eplv5632)がツイッターで呟いていました。情報提供ありがとうございます。

 

 私の個体にはとくにそのあたりにピーク感がない感じで、ピエゾにしてはスムーズでよくできている印象でしたから、気になったので、安耳さんに症状について詳しく聴いてみました。安耳さんはご自身の環境で7kHzにピークを作って測定したときに、この10kHz以上にピークが出現し、普段聞いてもこのあたりでノイズを感じるとのことでした。

 

 さて、安耳さんには、ほかのレビュアーでもたしかに高域に妙なピークのある測定値を出している人がいることを知っていたので、参考になるかもという話をしました。PERRIVAN AUDIOのGK10のレビューがそれです。

 

f:id:kanbun:20210901061245p:plain

perrivanaudio.com

 

 ただ、PERRIVAN AUDIOのレビューは高域はむしろスパイク感が少なくて滑らかで良好と述べており、これは私やCrinの印象と共通しています。その後彼が私の持っているイヤホンをいくつか測定していることを知ったので、それらの測定値を私のものと比べてみました。すると、彼の測定値に現れている12kHzくらいのピークは、おそらく彼の測定環境に固有のクセである可能性が高いことがわかり、安耳さんにはそのように伝えました。

 

 また安耳さんがあげていたBGGARの測定グラフについても、謎が解けました。おそらくそれは9kHzに共振ピークを持ってきて測定されたために、私やCrin、RikudouGokuなどといった他のレビュアーと違うような測定値に見えるようです。

 

 これは私のカプラーで共振ピークを8kHz付近に合わせたものと9kHz付近に合わせたものの比較です。

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 見てもらえばわかりますが、8kHz付近に合わせるとCrinやRikudouGokuの測定値と比較的互換性があります。9kHz付近に合わせると、今度はBGGARの測定値と互換的になりますね。つまり、BGGAR氏の測定グラフはほとんど同じ音質のイヤホンをピークの異なる位置(装着感の違い)で捉えただけで、元の音質はおそらくほとんど変わりません。

 つまり測定の仕方が違ったために、強いピークが測定値に出たんですね。ひどい個体差があるわけではないだろうということです。

 

 次に安耳さんの測定環境に合わせて、7kHzのほうに共振ピークを寄せてみました。それが下のグラフです。

 赤が8kHz付近にピーク、緑が7.5kHz付近、青が7kHz付近です。

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 超高域のピークは確かに上下がありますが、どれかの時点で極端にノイズが増えると感じるほど印象が変わるかと言うと難しいですね。深めに挿入したほうがそのあたりのピーク感は少ないかもしれないとは言えそうですが、ノイズ感としては8kHzのピークのほうが怪しいかなぁ?あるいは意外と挿入深度が深すぎて9kHzの強いピークが出てしまっている可能性ですね。その場合は、イヤーピースを大きめのサイズに変えたり、より傘が硬いものに変えるのが良さそうです。

 ただ、たしかに曲によってはハイハットが少し粒立ちが強く、白くドライで妙に金属質に鈴鳴りしている感じに聞こえやすい気がするのは事実で、マイクロディテールが強調されやすい傾向はあります。個人的にはそれでも、ピエゾにしてはわりと高域が滑らかなように思う場面が多いですね。

 安耳さんの個体はもしかすると不具合品の可能性もありそうですが、GK10の高域が少しピーキーで輝度が高いことは事実でやや金属質に聞こえそうなので、それに違和感を感じる可能性はあります。ただほとんどのレビュアーやHead-Fiの人たちはそんなに気にしてないような気がするので、難しいですね。

 私も言われれば気になるけど、むしろ繊細に感じられる場面も多いので、逆にサラサラした感じに聞こえて気に入る人も多そうな気もするのが判断に迷うところです。その人の普段の聴取音量次第なところもありそうです。

 むしろ5kHzの盛り上がりのほうが金属的な音に聞こえる原因になっている可能性が高く、耳障りになりそうで気になるくらいです。

 

 ちなみにここまでの議論でわかったと思いますが、ここではほとんどイヤーピースの挿入深度の違いによる装着感の音質への影響の話をしています。それがリケーブルなどよりはるかに影響が大きいというのは、以前のインピーダンス特性チェックのレビューと比較すれば、明らかにわかると思います。多くの場合、カナル型イヤホンの音質印象の変化の最大の原因は装着感の違いです。

 

 

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