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オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

【ワイヤレススポーツイヤホン Linkwitz Q9 レビュー】深みから空間全体に広がる重低音。聞き疲れしにくく、スポーツ向きとしてはなかなか

Linkwitz Bluetooth イヤホン 高音質 Bluetooth4.1 耳掛け式 防水防滴 ランニングに最適 18g超軽量 CVC6.0ノイズキャンセル機能 マイク付き ハンズフリー通話 ブルートゥース イヤホン Bluetooth ヘッドホン Q9 ブラック

 

おすすめ度*1

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ASIN

B06Y5DVT9T

 しっかりしたイヤーフックがついており、装着性は高い。遮音性はあまり高くなく、音漏れも結構大きい。

 aptXには対応しない。通信は安定しており、音飛びや遅延はなく、動画鑑賞にも十分使える。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、キャリングポーチ。ケーブル部分のタッチノイズはほとんど目立たない。

 

【2】音質

 音質的には肉厚で量感があるのが特徴。高域はややおとなしく、中域下付近が若干張り出し気味で、低域もドラムは強く出ずベースがやや強めで全体として若干おとなしめな印象で、全体的にはかまぼこに近いか。スカッとした爽快感があるが、聞き疲れしにくい音で、スポーツ用途に長時間着用するにはもってこいの音質かも知れない。

 

[高音]:高域はやや奥まる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は充実度が高く、立ち上がりもよい。弦楽がのびやかでヒステリックな響きもよく出るので、情緒感が強い。

[低音]:ドラムよりベースが利く印象。ドラムもボンボンと空間に広がる印象で地熱を加える感じが強い。振動ははっきりした音で、60hz~40hzくらいに振動が強くなるところがあり、やや深めにピークを作っている印象。20hz付近でも震えがしっかりしているほど。(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域の厚みと深さが強く意識されるため、安定感が強い。上方向もほどよく広いが、低域にどうしても意識が向くので、床面が印象に残りがち(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位。ドラムは弾力や反発力は強くないが、深く重く沈んで空間に利く。ハイハットはおとなしめになりやすい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:どちらかといえばドライ。息遣いはそこそこ出て、のびやかさは若干弱い。

 

【3】官能性

 SPYAIR「Departure」はそこそこ立ち上がりよく抜けもよい感じでスカッとした味わい。低域は量感があるが、強く押し出してくる感じがなく、ほどよく距離感があって控えめ。

 奥華子「きみの空」は中低域付近に量感があり、弦楽がかなり量感があり、情緒的。月明かりのような優しい光彩を放つ中低域の厚みの上に、ぽっかりとボーカルが浮かび上がる感じで幻想的。厚みがあって空間を揺らすが、支配的にならない低域も味わい深く、良質な印象。

 分島花音「RIGHT LIGHT RISE」は金管に勢いがそこそこあり、ドラムの躍動はやや沈む感じで重たいが、ベースがよく利いているため、暗めではあるが、暗くなりすぎない。ボーカルはややボソボソしているかも知れない。

 ClariS「トパーズ」は弦楽の色づきがあり、ドラムの響きも空間に密度を与えているので、濃厚。ボーカルは若干ボソボソしているものの、重厚気味ではあるが、暗さはそれほど気にならない。全体的にやや単調になっている気がするが、ドラムラインの鳴り方が個人的に好みで味わい深かった。

 

【4】総評

 熱量のある中高域を邪魔しない空間に広がっていく低域が魅力。とくに重低音の深さは中毒的で、しかも音に圧迫感がないので聞き疲れしにくく、それでいて量感たっぷり。高域付近はややドライでおとなしめだが、中低域あたりの張り出しも音楽に説得力を与えている印象。曲によっては単調になりやすいところが欠点だろうか。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 やや奥まっている感じだが、ドラムが空間全体に利いていて、深く沈み込んだ感じで効果を及ぼして熱量を加える。弦楽の利きもよくアクセントがしっかりしている感じだが、全体としては熱気がやや強く、もわーっとしている。この熱気はなかなか味わえない。

 

 重低音の利き方が良質で素直に重量感と深みが出ており、ガチャガチャしない。出足の深掘り表現が中毒的で一気に世界観に引き込まれる。

 

Linkwitz Bluetooth イヤホン 高音質 Bluetooth4.1 耳掛け式 防水防滴 ランニングに最適 18g超軽量 CVC6.0ノイズキャンセル機能 マイク付き ハンズフリー通話 ブルートゥース イヤホン Bluetooth ヘッドホン Q9 ブラック

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【aptX対応ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-CKS990BT レビュー】ドライでスパイシーな低域支配力の強い独特の中毒的な世界観が魅力

オーディオテクニカ Ver.4.1対応Bluetoothワイヤレスステレオヘッドセットaudio-technica SOLID BASS ATH-CKS990BT

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01IBIMGZO

 オーテクのSOLID BASSシリーズの有線モデルをそのままワイヤレス対応にしたようなデザインのモデル。ハウジング部分はほぼ同一なので装着感はそのまま。遮音性はそれほどでもなく、音漏れも少しある。

 aptXに対応する。通信は安定しており、音飛びや遅延はなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、キャリングポーチ。ケーブル部分のタッチノイズは目立たない。

 コントロール類は首下のウィング状の出っ張りにあり、慣れるまではやや苦労する。

 

【2】音質

 音質的にはSOLID BASSシリーズ独特の、熱気があってやや乾燥気味の、バチバチと火花散るようなアタック感強めの低域が魅力。全体的に表現はドライでやや硬質な印象があり、中高域は曲によって低域に引っ張られやすいところもある。中高域も精彩において劣るわけではないが、低域の量感が強めなので、そこを魅力と感じるかどうかで大きく評価が分かれる。

 

[高音]:精彩はあるが、低域に支配されがち(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域も低域に押されやすい。音自体には精彩があり、広さもそこそこ。

[低音]:振動は太く厚めだが、輪郭はしっかりしており、20hzまで素直に減衰、深掘りもされる。ドラムやベースはドライでバチバチした粘りもあり、熱気があるが、とくにドラムは表面の張力が強めに思う(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域の厚みと深さが強く意識されるため、安定感が強い。上方向もほどよく広いが、低域にどうしても意識が向くので、床面が印象に残りがち(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位。ハイハットは硬質でカチカチした鳴り方(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは息遣いや伸びやかさも結構綺麗に出るが、低域に引っ張られて暗くドライに聞こえがちなところがある。

 

【3】官能性

 ClariS「CLICK」はドラム優位でリズムがズンズン重く主導する。ただ弾力はあるので元気さは維持されており、力強い鳴り方。空間表現の利きもそこそこあって、広さは感じられ、圧迫感はそれほどないが、キラキラ感に乏しく、ボーカルも暗めに聞こえる。

 東山奈央「Hello Alone -Yui Ballade-」は息遣いがそこそこ綺麗でボーカル表現は良い印象。音は全体的に抜けが良いが、ピアノの色彩感が抑えめなため、キラキラ感にやや乏しく、暗く感じられるところはある。ただ音場に密度があって、充実感はかなり満足できるレベル。

 山崎あおい「花火のあと」はドラムに重みと厚みがある。ボーカルの声色はやや暗く、息遣いは綺麗に出ているのでシャキシャキしたところはあるものの、弦楽もやや重たげにのびるので全体的に重厚さが勝っている。

 分島花音「RIGHT LIGHT RISE」も高域の開放感には乏しいが、全体的に重厚で肉厚。低域が支配的で、空高く気持ちを解放するような金管などはかなり弱く背景に隠れてしまうところがあるのは味気ない。

 

【4】総評

 スパイシーな低域が炭酸飲料のように利く。ライバルとしては価格帯的にも被るSONYのMDR-XB80BSだろうが、あちらがビターで大人びた苦味のある低域だったのに対し、こちらは辛味の利いた低域で全体的にはドライな味わいがより強い。そのため、女性ボーカルの曲はつややかさがだいぶ減じられてしまうところもあり、キラキラ感も抑えられてしまうが、一方で息遣いがより強く、パーカッションや低域の熱気がより鮮明に出る。ロック向きにチューンされている印象だ。

 

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【5】このイヤホン向きの曲

 キラキラ感はだいぶ抑えられてしまうが、息遣いが良好。中域がやや奥まっておとなしいところがあるが、ドラムが躍動的かつ熱気に溢れていてサビの熱量が高く、魅力的。

 

 ドラムが重く、しっかりと足場を作る。弦楽の鳴り方はやや重く、ボーカルも低域に引っ張られてしまうところがあって開放感には若干乏しいものの、一方でエネルギッシュな低域中心にパワフルさは増している。

 

 低域の利きが良く、圧倒的。独特のボーカルもドライな味わいが合っている。世界観にマッチしている印象。とくにドラムの弾けと深みは迫力満点で中毒的。

 

 低域の迫力を味わうならこの曲。ドライな味付けも曲調に合っており、圧倒的密度と迫力、そして心がカサカサする独特の空虚感がこちらも中毒的だ。

 

オーディオテクニカ Ver.4.1対応Bluetoothワイヤレスステレオヘッドセットaudio-technica SOLID BASS ATH-CKS990BT

 

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【ハイレゾ対応イヤホン ZERO AUDIO ZH-DX220-CM レビュー】抜けが良くすっきりしていながら、情感もある中高域。それを丁寧に支援する深掘りされた低域。色彩感覚に優れたイヤホン

ZERO AUDIO カナル型イヤホン CARBO MEZZO ZH-DX220-CM

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01LY6IXTR

 ZERO AUDIO伝統の格子型模様がデザインされているが、全体的に色合いはシックで落ち着いた雰囲気のハウジング。装着感は良い。

 遮音性はそれほど高くなく、音漏れも少しある。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。平形コードはタッチノイズもやや目立つ。

 

 

【2】音質

 音質は全体的にレベルが高め。まず空間表現はそこそこ広く、丸い空間で音の密度感もよく、バランス感覚に優れている。音の色彩もなかなかで、中高域はキレもあって抜けもあるメリハリの利いた音、低域はややおとなしめだが、反発力もありながら深掘り感もあって地熱もしっかり感じられる音で存在感はかなりある。中高域と低域の間にやや分離感があり、低域は深めで重低音が利く印象だ。ほぼ同価格で同メーカーで同様にハイレゾ対応というの対抗モデル、ZB-03と比べると、若干中高域に精彩の中心が移っている印象がある。そのため女性ボーカル系の曲はこちらのほうが楽しめることが多いと思う。

 

[高音]:高域の抜けがよく、のびやかさもある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:キレがあり、抜けも良い。ピアノ音の精彩もきれい。

[低音]:厚みがある振動でやや沈み込む傾向があり、若干おとなしめ。減衰は素直。低域は地熱があり、空間への広がりが良い。ドラムの弾けも良好(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ハイハットに粒感とキレ。鮮烈さがある。ドラムはバチバチして反発力が強い。疾走感とパワフルさのバランスは良好に思われ、比較的万能(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:広め。一定の丸みのある空間で密度もあり(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:つややかでのびやか。高低はシームレスできれいに上下する印象。息遣いも聞こえる精彩感もあり、とくに中高域で芸が細かい。

 

【3】官能性

 いきものがかり「未来惑星」は立ち上がりも良く抜けも良い音がスカッと気持ちよい。それでいてボーカルにはほどよい肉厚さとしっとり感もあり、息遣いからのびやかさまで丁寧に表現している。明るく元気でありながら情緒も大切にして心に響かせる、良好だ。

 GARNiDELiA「My little hapiness」はキレのよい音にほどよい精彩感もあり、低域はブーミーに太く思えて、ところどころタイトに引き締められる。ボーカルの鮮明さ、透明感もきれいで、明るくのびやかな味付けも曲調に合っていてグッド。

 奥華子「帰っておいで」はボーカルのしっとりとしたみずみずしさと遠くから優しく呼びかけるようなのびやかさがあって、息遣いも丁寧に聞こえるためにボーカルの情緒感にあますところがない。ピアノの鳴り方も鮮やかで全体的に温もりに満ちており、これもうまい印象だ。

 南壽あさ子「どんぐりと花の空」も息遣いが綺麗で暖色的、かつのびやかさがあって澄み渡るボーカルが秀逸。やはり色合いに優れたピアノも曲の温度感を出して優しくしているが、それを心に沁み込ませるのは、それらの音が奏でる情感を深く胸に落とし込むかのような低音である。

 

【4】総評

 低価格帯では圧倒的に優れたバランス感覚で、若干中高域の味わいに妙味があるイヤホン。5000円を切る価格で手に入るが、ハイレゾ対応であり、お財布に優しいのも魅力的。コスパでいえば圧倒的であり、対抗馬はかなり限られてくる。正直この価格帯ではゼロオーディオ製品がほぼ上位独占している観もあり、3000円~5000円ではZB-03ZH-DX210-CBなどのゼロオーディオ製品をまず検討し、そののち聞き比べて絞るか、もし気に入らないなら他を試すという流れで問題ない。この価格帯の勢力図を一変させたメーカーの実力は十分評価されてしかるべきだ。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 リズム感と空間表現が秀逸で中毒性高め。ボーカルが暗くならず、サビでの色づき、のびやかさ、空間への広がりにゾクゾクするところあり。

 

 色彩感のある弦楽と丁寧に重なって空間を満たしていくデュエットボーカル。全体的に色彩豊かで楽しく、その色合いが空間に充満している多幸感のある音楽がうまく表現される。

 

  色彩感の強い曲でガチャガチャしやすくもあり、うるさくなりがちな曲だが、うまくまとめてくれる。地熱を加えるドラム、金管の生々しい空気振動、弦楽の情感、きれいに色づくピアノ、キレのあるパーカッション。それらが調和して濃密。

 

  立ち上がりよく、キレのよさが気持ちいい。ボーカルも伸びやかで突き抜けてくる。全体的に色彩感に満ちていて楽しい。

 

ZERO AUDIO カナル型イヤホン CARBO MEZZO ZH-DX220-CM

 

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【モニターイヤホン audio-technica ATH-IM70 レビュー】緻密さとみずみずしい生々しさが味わえる正統派のモニターイヤホン

audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン デュアル・シンフォニックドライバー ATH-IM70

 

おすすめ度*1

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ASIN

B00FWGTZWQ

 シュア掛けスタイルのカナル型イヤホン。装着感はそこそこ。遮音性はそれほどなく、音漏れもそこそこ目立つ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。リケーブル可能。標準添付のケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

【2】音質

 音質的にはモニターイヤホンということで生の音の鳴り方を重視している印象がある。フラットに近く、バランスが取れた印象で演出はほとんど感じられず、生臭いといった表現が合うほど生音剥き出しっぽい音がする。音には全体的につややかさがあるが、空間的には少し奥まるところがあり、個々の音はおとなしめに感じる。立ち上がりはよい感じだが、アタック感などの演出はほとんどなくややぬぺーっと抑揚のない感じがする。

 

[高音]:やや暗めに感じるが、つややかさがある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:広めの空間表現に貢献する。やや奥まるところあり。

[低音]:ドラムはほどよく弾け、ほどよく深く、ほどよく沈むとバランスが良い印象で好感が持てる。振動は柔らかく太め。100hz~30hzくらいまで素直に減衰する印象(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:立ち上がりは良い。全体的になめらかで空間はやや広め(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムの表現は丁寧に感じる。全体的に細かいが演出感は抑えめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはつやつやしてのびやか。息遣いもよく出ている。ただ生音っぽいところがあるせいか少し暗めに思う。

 

【3】官能性

 GARDNiDELiA「BLAZING」は緻密感は強いが、やや暗め。ボーカルは艶やかだが高域では若干暗くなる。息遣いは良く出ている。

 Rasmus Faber「海の見える街 JAZZ Ver.」はなめらかでつややかなピアノに妙味あり。低域は大人びたビターな味わいで、全体的に音の表現は細かく、緻密さを感じさせる。

 やなぎなぎ「ユキトキ」は立ち上がりが良い楽器音とボーカルの生々しい息遣い、自然な肉厚さに、ややすっきりとしながらもなかなかの味わいがある。

 今井麻美「朝焼けのスターマイン」はしっとりしていて音にみずみずしさがある。ボーカルはやや暗め。

 

【4】総評

 演出、味付けが少なく、音に自然なみずみずしさがある。上品で丁寧な表現に思うが、一方で迫力に欠け、やや暗めに感じるところもある。全体的にビターに味わえるので、どちらかといえばジャズ向きな印象だ。価格を考えるとバランス感覚よく、標準以上のレベルでまとめられている印象があるが、突き抜けた表現力は感じられない気がする。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 細かな音の表現の緻密さを味わうことができ、立ち上がりの良さのおかげで展開の楽しさもなかなか秀逸に出ている。

 

audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン デュアル・シンフォニックドライバー ATH-IM70

 

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【ワイヤレスイヤホン AUSDOM S940 レビュー】シャキシャキキラキラしたサラダ味ワイヤレススポーツイヤホン。抜けが良く楽しげだが、コスパはやや微妙か

AUSDOM S940 Sports Bluetooth Headphones, Bluetooth Headset with Noise Cancelling Mic, Sweatproof Wireless Earphones, In-ear Headsets for Running Workout Gym Cycle, 11 hours of Playing time [並行輸入品]

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01K1V3WRU

 イヤーウィングタイプのワイヤレススポーツイヤホン。遮音性はあまり高くなく、音漏れもやや目立つ。

 aptXには対応しない。通信性能は安定しており、遅延はほぼなく、動画鑑賞も問題ない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 キャリングポーチとUSB充電ケーブルが付属する。平形ケーブルのタッチノイズは目立たない。

 

 

【2】音質

 ややシャリシャリとした音で、抜けが良く、キラキラ感もある音質。ピアノはキンキンした感じが強く出るので、色づきがよい。息遣いなども結構綺麗に出るのでシャープでシャキシャキしている印象だ。

 

[高音]:ややキラキラしている。シャリシャリしたところもあり、シャープ。突き抜け感は結構出る(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:立ち上がりも良く、シャープでキレが良い印象だが、全体的に音が軽く薄めにスライスされた印象。ピアノはキンキンしている。

[低音]:ややおとなしめで少し沈んだ振動。50hz以下はかなりおとなしい。ドラムは表面だけが強い(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:床面ははっきりしているが、やや下に聞こえる。音も全体的に少し目線下に集中している気がするが、高さはあるので高域は向かって伸びてきやすい。

[パーカッション・リズム]:ドラムはタンタンした表面が目立つ音。金属的な音は比較的鮮明に出るので、ハイハットは意識しやすく、疾走感が出やすい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:キラキラしていてややサ行が刺さりやすい。透明な印象が強い。のびやかさも結構あり、高域では突き抜け感が出る。

 

【3】官能性

 ClariS「トパーズ」のキラキラ感はかなり目立つ。ピアノも弦楽もキラキラしていて、ピカピカした宝石の輝きがそのまま表現される。ボーカルも透明感があり、シャキシャキしている。音場にそれほど深みはないので、やや薄っぺらいイミテーション的な感じはあるものの、フレッシュな味わいはなかなかよい。

 いきものがかり「ソプラノ」はボーカルがやや息遣い重視で若干サ行が強い。ギターやベースがやや軽く、ミニチュア的なところがあるが、全体として明るめ。本来の曲調から考えると、もうちょっと厚みがあって情感に訴えかけた方が良い気もするが、これはこれで軽妙な良さも感じられる。

 Choucho「カワルミライ」はかなりシャープネスが強く、弾ける音などが強く出て、ドラムも弾力が強く、前方へ向けてどんどん駆けだしていくスピード感が強い。ボーカルはコシのある感じと言うよりは、光のように素直に伸びていく感じであまり溜めがなく、スムーズに伸びていく。高低の変化は余り感じず、サビでもどちらかといえばまっすぐこちらへ向かってくるような表現。スピード感があり、デジタル的。

 supercell「My Dearest」も全体的にシャープでドラムは弾ける爆発音に近い。ボーカルの声色はだいぶ透明感が強調されている印象。またガチャガチャしやすい背景音などは輪郭だけにとどめる傾向にあり、スッキリと整理されている印象がある。迫力にはやや欠けるが、シームレスな展開に疾走感は強め。

 

【4】総評

 キラキラ感が強く、中高域中心で疾走感の強い音楽表現が魅力。ただ肉厚さと低域の深みには欠けるので、全体的に薄味というかサラダ風味。サ行が刺さりやすく、音の鳴り方が全体的にシャリシャリしているのもその印象を高める。息遣いや音の輪郭ははっきりし、抜けも良いのでスピード感のある味わいになりやすく、そういう味付けが好みの人には向くが、低域に多少なりともこだわりがある人には明らかに向かない。そして入手困難なせいもあるだろうが、コスパはあまりよくない。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ややシャキシャキしすぎている気もするし、音量次第ではサ行が刺さりやすいが、軽妙な味付けはこの曲に合う。

 

AUSDOM S940 Sports Bluetooth Headphones, Bluetooth Headset with Noise Cancelling Mic, Sweatproof Wireless Earphones, In-ear Headsets for Running Workout Gym Cycle, 11 hours of Playing time [並行輸入品]

 

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【特集】[2017年4月号]3000円~5000円クラスの有線イヤホンおすすめ5選

 今回は5000円未満の低価格帯イヤホンの中から、実際使ってみておすすめできると思った、魅力的なイヤホンを5つ紹介します。

【1】ZERO AUDIO ZB-03

【評価】

高域:☆☆☆☆☆

中域:☆☆☆☆☆

低域:☆☆☆☆☆

[高音]:のびやかで抜けが良く、高さがよく表現される。立ち上がりも良好でスキッスカッとした爽快さもある音。

[中音]:楽器のバランスが良く、どんな楽器も一定の精度と量感、定位感がある。万能に近い。

[低音]:締まりを感じる良質な厚みのある音、素直に減衰し、深みも感じさせる。

[解像度・立体感]:ほどよい広さと密度があり、開放感を損なわず、それでいてスカスカせずに稠密さも失わない絶妙のバランスに満腹感を感じる。

[パーカッション・リズム]:ドラムは弾み、厚み、深みの揃った三位一体の良質バランス。存在感があるが、支配しすぎない。ハイハットの疾走感とのバランスも良好。

[ボーカル傾向]:ボーカルは息遣いも感じられ、のびやかさもあり、楽器との位置関係も良好で一体的。

【総評】

 相変わらずバランス感覚の良いZERO AUDIO。このイヤホンはどちらかというと低域モデルであるが、高域や中域も十分に満足できる納得の出来で、万人向けの印象だ。何より驚くべきはそのコスパで、たしかに低価格のハイレゾ対応モデルが増えてきたとはいえ、5000円を切る価格でここまでのクオリティのハイレゾ対応モデルはほとんどなく、それでいて一昔前の10000円モデルに迫る、あるいはそれを凌駕するような音を奏でるこの機種には文句のつけようがない。おそらく同価格帯でほとんどの人がベストバイと感じるはずで、国民的イヤホンになりうる製品だ。

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【2】 ZERO AUDIO ZH-DX210-CB

【評価】

高域:☆☆☆☆☆

中域:☆☆☆☆☆

低域:☆☆☆☆☆

[高音]:のびやかで上方向にきれいに消失する。空間との親和性が高く、浮き上がることなく、天井も感じさせない。

[中音]:中域も広さを良く表現する。ピアノはやわらかく繊細さを感じる表現だが、弦楽にはのびやかさとほどよい厚みがあり、しかも弦楽中心の曲でもそれが目立ちすぎない品格ともいえるバランス感覚があって驚く。

[低音]:ほどよく弾力と反発感もあるが、硬くなりすぎずに空間に抜ける、やはり空間との調和性を感じる音。振動にはやや厚みがあり、100hz~40hzまで自然な減衰をするため、深掘り感もよく出る。

[解像度・立体感]:全体的に広い。上下も境を感じさせないが、高域が空に抜けていく消失感があるのに対し、低域は一定の床面を感じさせる。ドームのような広い球状の空間を感じる。

[パーカッション・リズム]:立ち上がりとアタック感が良好で必ずしも自己主張は強くないが、利きはよく、曲に塩味や酸味をうまく加える印象。ドラムは弾力的でズバンズバンといった色合い。重低音という言葉から想像されがちなドンという硬い重い音とはやや異なるのは留意が必要かも知れない。

[ボーカル傾向]:ボーカルは伸びやか。ハイレゾ対応なんじゃないかと思うくらい高さと自然な抜けの良さを感じる、サビできれいに上へ伸び上がる表現は一級品。戻ってくる声色もつややかで、全体的にしなやかさを持っている。

【総評】

 とても5000円未満の価格帯のイヤホンとは思えない、バランス感覚の良さ、表現力の高さがあり、1万円クラスの製品とさえ渡り合えるほどの恐るべきコスパを感じる。一方で無駄を削ぎ落としたところが見られ、やや安っぽい外観デザインや使い勝手の面での配慮の少なさなどはあるが、価格を考えればこれもわずかな不満をこぼす愚痴・当てこすりでしかない。ただもう少し手を伸ばすと同じメーカーでハイレゾ対応かつデザインもゼロオーディオにしては珍しくかっこよく機能的な名機ZH-DWX10が控えており、欲を出すと迷うところではある。しかし、同価格帯では圧倒的すぎるともいえる表現力とコストパフォーマンスに他の選択肢はほぼないと言って良く、好みがはっきりしている人以外は、これを選んでほとんど間違いはない。

 

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【3】audio-technica ATH-CKS550

【評価】

高域:☆☆☆☆★

中域:☆☆☆☆★

低域:☆☆☆☆☆

[高音]:まずのびやか。大音量ではほんの少し刺さりがちになるが、ほぼ荒れない。ややかすれ気味に出やすいところはある。

[中音]:ややおとなしめだが、存在感はしっかり。粒感があって緻密に聞こえる。

[低音]:ブーミーさの案外少ない綺麗な音で100hz~20hzまで素直に減衰する。途中60hzにややブーミーなポイントがある。低域パーカッションは躍動感があり、撥ねもしっかり感じる。深さもある音で存在感と迫力がある。だが中域以上を潰さない品もある。

[解像度・立体感]:低域が強く意識され、中高域は少し奥まる。

[パーカッション・リズム]:立ち上がり良好。弾けた音も締まった中にほどよい軽さも感じられ、力強さを与えつつ疾走感にも貢献するバランスの良い感じ。

[ボーカル傾向]:高域は透明感と伸びやかさがあり、突き抜け感も良好で高く飛翔する。どちらかというと女性ボーカルに合う気がする。

【総評】

 全体としてよくまとまっていて、この価格帯では素直にレベルの高さを感じる。どんな曲も力強くエネルギッシュになりやすいが、一方で高域でののびやかさと透明感もきれいで落ち着いた曲でも十分聞かせてくれる。ロックやクラブ系サウンドに強みがあるが、比較的万能。

 個人的にこの価格帯ではかなりおすすめできる。

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【4】JVC HA-FX33X

【評価】

高域:☆☆☆☆★

中域:☆☆☆★★

低域:☆☆☆☆☆

[高音]:シャリ感が出て、尖りとコントラストが強めのトゲトゲサウンド。

[中音]:ギターとピアノの音は金属的な煌めきがある。ギラッとした金属光沢のある音。

[低音]:圧倒的量感がある。100hz~50hzまで量感のあるブーミーな音。40hzで重みが加わり、30hzからは沈み込む。

[解像度・立体感]:低域が前面に出て、中高域は奥まる。

[パーカッション・リズム]:シンバルにシャリ感はあるが、意外にも厚みを感じる疾走感より安定感と力強さ重視の味付け。軽妙さもあるが、それ以上にエネルギッシュに出やすい。

[ボーカル傾向]:かすれるところは少しある。全体としてシャープで、ややハスキーに出る。

【総評】

 ロックミュージックがとくに味わい深いシャープなドンシャリ。かなり大胆に直情的に仕上げているように見えて、それほど粗を感じさせない細かな作り込みを感じる。走りやすいシンバルにしっかり厚みと色彩を与えているところや、ギラつきすぎないボーカルなど正統派を目指しながらもスタンダードなドンシャリで出やすい欠点が補われている。

 低価格でここまで質の高いドンシャリを楽しめるのは素直な驚きだ。

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【5】SONY MDR-XB50

【評価】

高域:☆☆☆☆★

中域:☆☆☆☆★

低域:☆☆☆☆☆

[高音]:肉厚さと透明感のバランスのある音で自然な方向の味付け。突き抜け感もそこそこある。

[中音]:ピアノに鮮やかさがある。

[低音]:迫力は圧倒的でブーミー。100hz~50hzまでしっかりした厚みのある振動を鳴らす。40hzからは沈むというより重たい感じで量感が失われない。かなり深掘り感も出る。

[解像度・立体感]:低域が近く広く支配する。

[パーカッション・リズム]:圧倒的量感のドラム優位。弾ける音は重く、粘っこく感じる。

[ボーカル傾向]:低域の上に気持ちよく乗って一体感がある。低域の展開に素直に誘導されていく感じがある。

【総評】

 低音の量感は圧倒的で低価格モデルは随一とも言える。一方で中高域にもなかなかの精彩があり、決して低音に流される展開だけではない。低域が支配的であるが、だから低域だけがよいというのではなく、中高域の表現力あっての低域の活躍といえる。そのため高域ボーカルの曲も低域に引っ張られて暗くなったり太くなったりすることが少なく、女性ボーカルも明るさを維持して聞こえてくる。

 これはなかなかにおすすめできる製品に思う。

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【ハイレゾ対応イヤホン DENON AH-C820 レビュー】量感のある密度高めかつキレの良いサウンドが魅力的。弾ける低域がスパイシー

Denon デノン イヤホン カナル型 ハイレゾ対応 高音質 ダイナミック型 デュアルドライバー ブラック AH-C820BKEM

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01LBZAJEE

 ハウジングの形状がシュア掛け用の独特のもので、人によっては好みでない人もいるかも知れない。いまいち密着度が足りなかったのか、遮音性はそれほど高くないが、音漏れはやや少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズはほぼない。

 

【2】音質

 一聴してわかるのはその量感と密度。とくに低域はかなり厚みと太さがあり、キレもあって、ドラムなどは表面張力がシビアに感じられるほどパチパチ。ハイハットも精彩豊かで、パーカッションは全体として火花が飛んでくるかのようにキレキレ。高域はややシャリシャリしやすいものの、のびやかさは十分で低域重視なものの、中高域も遜色を感じない。細かな音はよく聞くとしっかり出ているのだが、低域がやや勝ちすぎ、繊細さという表現からはやや遠いが、熱量に満ちている表現はなかなかに中毒的。

 

[高音]:高域はややシャリシャリするところもあるが、軽くはない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はほどよい広さも感じさせる。ドラムやベースといった低域におされがちで背景に引っ込んでしまう場面も若干ある。

[低音]:しっかりした厚みのある振動。60hz付近がやや高く、50hz以降は少し沈む。ドラムは粘りもあって、どちらかというと深さよりは床面を意識しやすい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に音が充満し、密度が高い。空間的にはかなり床面を意識させられるところがあり、中高域は奥まってしまうところがある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは張力強めで火花を散らすかのようにパチパチ、エネルギッシュ。ハイハットも鮮明で、疾走感もほどよく出る(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:サ行がやや刺さりやすいところはあるが、ほどよくのびやかで抜けも良い。

 

【3】官能性

 SPYAIR「Nonfiction」は圧倒的量感でクラクラするほど。ドラムが激しく雄々しく、熱気に満ちていて音場全体を支配する。ガチャガチャしやすい曲だが、さすがの解像度と言うべきかぼやけたり潰れたりせずに圧倒的低音の向こうでしっかり鳴っているのが聞こえる。細かでやや入れ違いになりやすい音を低音中心にまとめあげている印象だ。キレも良く、バシバシとした心地よい空間振動もあり、圧倒的。

 歌組雪月花「回レ!雪月花」は色彩感もほどよく出ていて密度もある。低域がやや勝ちすぎていて、キラキラ感はなく、空間をねじ曲げていくような演出音もやや背景に隠れがちで、中毒性は若干薄い気がするが、リズム感と量感はたっぷりで奥行き感もある。

 いきものがかり「気まぐれロマンティック」は弦楽が強く、やや情緒的な味わい。肉厚で力強いボーカルはうまく、元気いっぱい。ただし展開性という面では弦楽が太くかつ伸びやかで優美すぎる嫌いがあり、これだけ聞くとかなり美しいわけだが、問題は全体的な曲の展開を考えると、サビではもっと弾けてポップな感じが味わいたい。そのためやや安定的で単調に感じられる気がする。

 鹿乃「ディアブレイブ」は立ち上がりの良さとのびやかさがあって、表情豊かな弦楽がやや強い。ピアノは若干控えめなためキラキラ感はやや薄いか。ボーカルは息遣いとのびやかさに旨味があり、よく魅力が伝わっている印象だ。

 

【4】総評

 圧倒的量感と密度に魅力がある。キレもよく熱量が伝わってくる力強いサウンド表現が魅力だが、キーボード、とくにピアノの精彩が乏しい印象で、しっとりした感じやキラキラ感はうまく出づらいような印象だ。全体的にロック・ダンス向きな低域直情径行のイヤホンで、パワフルでエネルギッシュがウリだ。そしてこと元気の良さに限れば、価格帯最高クラスの表現力がある。ただしそのパワフルな低域は深さよりは表面張力が強い音なので、どちらかといえば声が大きい部類に入る低域で、深掘りされる地熱感とは別物なので、低域好みでも深煎りなビターな味わいが好きな人には合わないかもしれない。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 全体的に密度と量感があり、ボーカルを包み込んで濃厚にしている。ドラムが活き活きしていて、元気。最初のサビ後の盛り上がりをこのイヤホンで聞くと中毒的なほどにエネルギッシュで一気に全てが色づき走り出す圧倒的な展開を感じる。ここは必聴。サ行やや刺さりやすい。

 

 のびやかでみずみずしい弦楽。はずみのよいドラム。自由に踊るような高低のシームレスさがあるボーカル。全体として充実している。

 

 量感たっぷり。低域パーカッションも躍動的。やや密度の高い曲だが、個々の音に滑らかさと抜けの良さがあるのでガチャガチャせず、その重なりが素直にエネルギーに転換されていて疾走感に力強さを加えている。

 

Denon デノン イヤホン カナル型 ハイレゾ対応 高音質 ダイナミック型 デュアルドライバー ブラック AH-C820BKEM

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。