オーディオテクニカ インナーイヤーヘッドホン ブラック ATH-LS50 BK
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「シュア掛けスタイル」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「A2DCリケーブル可能」
- 【3】音質「透明感のある中高域をまとめあげる、爽快火力のドラムが秀逸」
- 【4】官能性「とにかくドラムサウンドが楽しすぎる」
- 【5】総評「1万円以下じゃ一番くらいに楽しくドラムを聴かせてくれる」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「シュア掛けスタイル」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
耳掛け式のシュア掛けスタイルを採用している。密着度が高いため、遮音性はそこそこ高く、音漏れも少し。
【2】外観・インターフェース・付属品「A2DCリケーブル可能」
付属品はイヤーピースの替え、ポーチ、説明書。A2DCリケーブル可能。標準ケーブルのタッチにタッチノイズほぼない。
A2DCについては以下の記事参照。
www.phileweb.com
【3】音質「透明感のある中高域をまとめあげる、爽快火力のドラムが秀逸」
1つのユニット内に同調する2つのドライバーを内蔵した専用設計の“Live Tuned”デュアル・シンフォニックドライバーを搭載しているという機種。ぶっちゃけこういう説明は音響工学的知識の無い私には大抵何言ってんのか、わからないので音を聴くしかないのだが、音を聴いたら一目瞭然。というか、一耳瞭然。ドラムサウンドの精彩がヤバイ。
かなり透明感があって解像度の割に音像のいい中高域もおそらくデュアルなんちゃらの効果を受けていると思われるが、メーカーの商品ページやパッケージを見る限り、この妙に活き活きしているドラム周りに一番効果を発揮しているとしか思えない。とにかく快活で明るい飛沫を上げるスマッシュに優れたドラムが気持ちよすぎてクセになる、そんな機種。
オーテクって音響に独特の哲学を持ってるところあるけど、この機種なんてとくにそれ。楽しませてくれます。だから好きなのよ。
[高音]:自然な抜けの良さとスピード感がある。明るめのキンキン系ピアノと艶やかでみずみずしい弦楽を持っている。ドラムの快活な音と相性が良い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)
[中音]:透明感がある。音像は滑らか。ギターは曲によって左右広めに距離を取ることもあり、エッジもマイルドなのでアグレッシブさはあまりないスマートな感じの音になる。要は明るいキャラクターの系統。
[低音]:100hz~40hzまで太く厚みのある振動。30hzでだいぶ沈み、以降ほぼ無音ドラムとベースでは明るめのドラムのキャラクターが強い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:解像感は価格なりと思うが、ドラムにメリハリがあり、中高域は艶やかで透明感もあるため音像が明確で、音楽の全体像は分かりやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムの精彩が良い。鼓面の弾けがよく、爆発力のある、ポップコーンのようなパッツンパッツン系の音を鳴らす。シンバルはドライで発色を抑えたシャリシャリ。粒は結構細かく、ドラムセットは全体的にスパイシーで快活(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男性も女性も自然で少し明るい程度。楽器にやや近く、包まれて聞こえてくる。
【4】官能性「とにかくドラムサウンドが楽しすぎる」
TRUE「Sincerely」
中高域のクリア感とドラムの爆発力が味わえる。ピアノは透明感のあるクリアサウンド。管楽も透き通る艶やかさがあり、弦楽は滑らかに、やや鋭さを強調しながら伸びる。高域は少し派手めで、この曲だとちょっと羽目を外して夜桜のように妖しく狂い咲くような感じがあるが、そんな浮かれたような中高域をまとめあげてくれるのがタイトで快活な鼓面を持つドラム。パワフルで明るいメリハリの強い火力感を出すので、中高域の少し伸びすぎるくらいの立体感に確かな足場を提供している。このイヤホンで聴くこの曲は聴き応えあり。
(K)NoW_NAME「Lupinus」
はいはい!ご注目!この曲の明るい火力のドラムを思う存分味わわせてくれるぜ!ギターのエッジは滑らかでスムーズなのでドラムの推進力は素直に高域まで抜けるような、晴れやかサウンドになる。とはいえ、この曲はギターの色味も少し濃く、濃厚感が出る曲なので、空間に密度が出てくるが、圧迫感や音の混濁感はなくて、クリアで辛味だけがピリリときいている感じ。酸辣湯っぽい透明感のある辛味っていうと伝わるかな?
「Lupinus」【通常盤】(TVアニメ『サクラクエスト』第2クールオープニングテーマ)
鹿乃「Stella-rium」
こういう明るいドラムの爆発力を推進剤にして、気持ちよく疾走していくような曲はとくに味わい深い。この曲ではちょっとドライで乾いた感じの鼓面がまた爽やかで心地良いんよ。打てば響く、叩けば鳴るといったレスポンスの良い、このドラムサウンドのライン上を、少し明るめのギターサウンドと甘いボーカルが透明な感じで駆け抜けていきます。風切り音のようなシンバルも細かい金属光沢をときどきキラキラッと鮮やかに見せるから、華やかさも充分。
鹿乃/「Stella-rium」<初回限定盤> CD+DVD (2枚組) TVアニメ「放課後のプレアデス」オープニングテーマ
佐藤聡美&茅野愛衣「君にまつわるミステリー」
ドラムの火力とギター、ピアノの三者でバランスを取れている感じ。やや中高域が充実しすぎるくらいに密度が出ちゃう曲で、このイヤホンは明瞭感も高いから、ちょっと音像聴かせ過ぎちゃってる観はなきにしもあらずだけど、ドラムがうまくまとめてくれているから、うるさい感じはないかな。
鈴木このみ「DAYS of DASH」
鈴木このみ「DAYS of DASH」とかね。ドラムの火力もそうだけど、中高域が透明でしかも自由気ままに振る舞うような健やかさがあるから、こういう青春ソングみたいな曲とはATH-LS50は相性が良い印象。https://t.co/NZ9XfJA3p9 @YouTubeさんから
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) 2019年5月28日
TVアニメ「 さくら荘のペットな彼女 」エンディングテーマ「 DAYS of DASH 」
UNISON SQUARE GARDEN「オリオンをなぞる」
こういう、のびやかで元気な火力があるバンドのライブサウンドはかなり聴き応えがあります。個々の音の解像度重視な感じじゃないからほどよいボーッと感があって、逆に素直にドラムラインの波に全ての音が乗っているような感覚あるかも。https://t.co/1PC03nUCVH @YouTubeさんから
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) 2019年5月28日
【5】総評「1万円以下じゃ一番くらいに楽しくドラムを聴かせてくれる」
この機種はドラムが好き。とにかくそれだけみたいなところがあるけど、明るめでポップス向きの透明感を持っていて、ちょっと元気な系統の女性ボーカル曲を溌溂と聴かせてくれます。オーテクの数あるモデルでもLivelyでLovelyなサウンドを聴かせてくれるので、アニソン向きかもね。おすすめ。
オーディオテクニカ インナーイヤーヘッドホン ブラック ATH-LS50 BK
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。