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【骨伝導オーディオプレーヤー AfterShokz Xtrainerz レビュー】水中でも使える骨伝導オーディオプレーヤー。プレーヤー機能はまだまだ成熟が足りないところがあるが、音質は骨伝導ではかなり素晴らしい。豊かで生々しい響きと体感できる振動感のある頭内空間表現に浸れる。おすすめ

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Aftershokz Xtrainerz

Aftershokz Xtrainerz

AfterShokz Xtrainerz 骨伝導 デジタルオーディオプレーヤー 4GB スポーツ用 防水/外音取込み

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「良好な装着感。通信品質も高い」

おすすめ度*1

Aftershokz Xtrainerz

ASIN

B07V6LYVS8

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

8h/-

Bluetoothバージョン -
対応ワイヤレスコーデック -
防水性能

IP68

音質傾向

音が生々しい、深みがある、ボーカルがきれい、ライブ感がある

 耳を塞がないデザインで開放的です。薄型で本体に厚みがないので、サングラスや眼鏡をかけた上から装着しても問題ありません。遮音性は低く、その音が良く聞こえます。外音の聞こえる割に音漏れは抑制的ですが、満員電車などではさすがに少し目立ってしまうかも知れません。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「専用充電バンドで充電と曲転送を行います」

 付属品はフランジ形の耳栓、充電用USBドック、キャリイングケース、説明書です。

 

Aftershokz XtrainerzAftershokz Xtrainerz

 

【3】プレーヤー性能「単純に未熟です」

 この製品は正確には曲を本体に転送して使う、イヤホンプレーヤーになります。外部のDAPやスマホにつないで曲をリアルタイムに受信して再生する製品ではありません。

 

美点

 プレーヤー式になっている利点は、まず第一に水中などBluetoothの電波が届きにくい場所でも問題なく使えること、ワイヤレス由来の曲の音質劣化や細かな途切れなどがないことです。

 

欠点

 もちろん欠点もあり、まず容量が4GBしかないので、mp3などの非可逆で圧縮率の高い音源を使わない場合は、基本的に収納できる曲数は少なくなります。

 また再生ファイル形式も制限があり、DSDは再生出来ません。公式サイトで案内されているファイル形式はMP3、WAV、AAC、WMA、FLACです。またFLACやWAVファイルはおそらくサンプルレートが48khz以上のハイレゾ音源は多くが再生されません。サンプルレートが48khzでもビット深度が16bitのものはたぶん再生されると思いますが、確実ではないです。

focal.jp

 

 次にプレーヤーソフトの完成度があまりよろしくありません。再生モードは「ノーマル」「リピート」「シャッフル」がありますが、「ノーマル」「リピート」はいいとして、「シャッフル」はアルゴリズムの精度が低く、本当にランダム的でかなりの頻度で同じ曲が再生されるような感じです。

 またプレーヤーの頭が悪いので、フォルダ分けして音楽を入れるのは避けた方が良さそうです。フォルダ分けをするとファームウェアのバージョンによっては正しく再生されずに終了してしまう可能性があります。さらにフォルダ分けをすると「シャッフル」の精度が低下するという副作用があり、数曲ランダムに再生された後、同じ曲しか再生されなくなります。したがって、音楽ファイルはフォルダに入れず、裸で入れることを推奨致します。

 プレーヤーの構造上狙った曲も出しにくく、好きな曲をプレイリスト順に並べて聴くといったような高度なことは出来ませんので、再生順にこだわって運用されたい方は、ファイルを入れる順番を工夫して「ノーマル」再生時の並び順を調整するといったようなことをしなければいけません。おそらく「ノーマル」や「リピート」の再生順はファイルをXtrainerzに転送した日時順のようです。

 

ごく稀に発生する不具合もあります

 また細かいところですが、ごく稀に電源が勝手に落ちる不具合があります。Xtrainerzは正常終了する場合、必ず「終了します」というアナウンスが流れますが、この不具合が発生するとアナウンスなしで電源が落ちます。この不具合の再現率は極めて低いのでほとんど気にすることはありませんが、私が確認した発生条件を参考のために紹介します。

  1. 電源を入れたとき
  2. 音質を「通常モード」と「水泳モード」に切り替えたとき

 他にも条件があるかも知れませんが、今のところこの不具合は2,3週間に1回あるかないか程度で、再現率が極めて低いので、検証しきれていません。電源を入れ直せばいいだけですし、発生率は極めて稀と言えると思いますので、使用に全く不便はないと思いますが、念のためご報告致します。

 

【4】音質「2種類のモードが搭載されています。イヤホンやヘッドホンの限界を超えた、豊かな響きに満ちた音楽体験が味わえます」

 このイヤホンには2種類の音質モードが搭載されています。「通常モード」と「水泳モード」です。「水泳モード」は全体的にエコーがかかり、高域方向の音もはっきりと音の響きが強調される感じになります。立体感は少し平面的に感じられ、派手さが増す音響になりますが、音の色づきはよく感じられるかも知れません。基本的に音漏れも派手になりますので、日常的には「通常モード」で運用する人が大半だと思います。

 以下のレビューも「通常モード」でレビューしております。

 

圧倒的生々しさの中で音を聴くという体験

 さて、カナル型やインナーイヤー型などの通常タイプのイヤホンやヘッドホンと骨伝導型イヤホンの音の最大の特徴は、私が聴いた限りでは低域のディテールにあります。骨伝導は音の響きを体感振動として鼓膜を通さずに伝えることが出来るので、とくに気導音では減衰されて感じやすい部屋鳴りのような深いところで鳴動する音を効率よく伝えられるようです。その結果として、非常に頭内的ではありますが、生々しくクリアな低音域が形成される感覚が味わえ、量感はしつこくないのに、ヘッドホンにも勝るほどの深みのある床面を体感できます。

 一方で中音域以上はどちらかというとインナーイヤー型に近い開放感があり、頭内に音が響いている感覚がありながらも、音は耳の外側に開放的に存在しているように聞こえます。結果として、響きのイメージが生々しく、立体的にディテール良く頭内に多く形成されつつも開放感もあるので、なんだか頭が大きくなってそこで音の大部分を味わっているような、不思議な感覚が味わえます。頭の中のコクピットスペースで360°音に包まれながら意識が浮游して音を聴いている、独特の雰囲気で音を聴くことになります。

 

 この体験の面白いところは、普通のイヤホンやヘッドホンと違い、音像が「頭内に由来する内なる反響」のような肉感のある音と、「頭外から飛来する開放的な響き」のミックスで立体的に構成される感覚があることで、一聴した感じはぼやけて定まらない感じがありますが、聞き慣れてくると、深みと躍動感のある形で立体感に優れた音響が感じられることです。

 イメージ的には自分の声を聴いているときの感覚を考えてみるとわかりやすいかもしれません。録音した自分の声を聴くと、普通は違和感を覚えると思います。大抵深みがない、軽っぽい音に聞こえると思われますが、それは録音された音には発声したときの頭内での響きがないからです。

 骨伝導はまさに、音楽をあのように頭内の響きを付け足して深みのある形で聴かせる感じになります。慣れてくると音の響きの情報量はカナル型などのイヤホンよりも多く感じられるようになり、生命的で生々しい馴染む感触があってボーカルはとくにディテールが高く思え、音が近いのに開放的という不思議な感覚の中で音楽に浸れるようになります。

 

 この骨伝導の音の魅力をわかりやすく味わうのにおすすめの曲はsomunia「merrow」です。

merrow

merrow

 

 ,この曲は重低音を利かせて音を丁寧に沈みこませたり、エコー表現などをかけて音を意図的に閉鎖空間に篭もらせたような響きの表現を使っていますが、骨伝導でこの曲を味わうと本当に身体の中に音の水槽が出来て、そこに音が響いているような一体感が味わえて、ちょっと面白いくらい没入できます。おすすめです。

 

 さて、ここまで読んでくだされば、私がこのイヤホンの音をいつものように説明するのに少し困難を覚えているということを理解して頂けるのではないかと思います。音の定位感はかなり頭内的な要素が強く思えますし、音像の聞こえ方がそもそもいつもと違うので、いつもの発想だと輪郭が甘かったり、シャープネスが足りなすぎたりということを語りたくなくなりますが、音に生活感が漂っているような、圧倒的に生々しいリアルな音なので、ディテール感では比較になりません。音の聞こえ方は優しく、身体の深くに浸透してくる感じですが、解像度というもので考えると音をくっきり出しているとは言いづらいです。そもそもくっきり音が聞こえるということは、リスナーにとってはある意味、自分の外側に分離して音が認識できるということですが、骨伝導の音は身体の内側に響くので、「くっきり」ではなく「はっきり」なのです。音の質感の違いが目で見るようにわかるというよりは、悟るように感覚的に掴みやすいという「はっきり」さです。音の実体感の在り方自体が違うので、いつもの語り口だと少し誤解を与えかねない、そういうことをよく知って頂きながら、しかし個々の音域の聞こえ方について説明していきたいと思います。 

 

 まず高域音ですが、少なくとも高いところで強調される感じはありません。ハイハットの穂先は少し高めに出ているようですが、輝きが強調されすぎる感じがなく、空間に溶け込むように抜けていきます。これはインナーイヤー型に近いと思われます。中高域は充分に鮮やかですが、音に深みが充分に感じられるので、硬い感じがなく、なんか立体的で丸いです。これは決して音がはっきりしないでぼやけているというわけではなく、頭外の音が頭内で響くような立体的な構造が音に存在するので、独特の揺らぎのようなものが感じられるという感じと説明すると分かりやすいかも知れません。そのため音のくっきり感というものは確かに失われた感覚があり、一聴した感じではちょっと音像が捉えづらい感じがあるかもしれませんが、慣れてくると、むしろ生々しくて立体感があってディテールに優れた音に思えてきます。音そのものよりは音が響いている場のリアリティが増すので、音がそこにあるという実体感が生々しいというとわかりやすくなるかもしれません。このイヤホンの中高域は充分に鮮やかで、場に豊かな響きを鳴らしてくれるため、幅にも優れ、最初はよくわかんなくて平面的に聞こえるかも知れませんが、慣れてくるとかなりの奥行きも感じられます。

 低域は骨伝導の体感的な振動感も出やすく、深いところまで音が感じられます。骨伝導の最大の魅力がこの低域で、ちょっとカナル型やヘッドホンでは味わえない、身体の深いところまで音が降りてくる感覚があります。胴鳴りや部屋鳴りは振動感として表れやすいので、音に圧倒的な生々しさがありますし、目を閉じれば頭内に充分に音が響いているので、本当に音が鳴っているその空間にいるようなライブ感があります。この体験はカナル型やヘッドホンではおそらく味わえない、スピーカー的な音の体験で、まさに身体が音を感じているリアリティがあります。

 耳栓を使うと、頭内音の比率が大きくなるので、篭もった印象が出ますが、ライブ会場にいるようなより肉感のある音が楽しめます。ライブハウスで聴いているような体験をしたい人はこちらがおすすめ。

 

 総合すると、この骨伝導イヤホンの最大の魅力は、確かな頭内の響きに裏打ちされた体感的な音楽体験があることで、原音忠実というよりは、むしろ音楽と一体化できるような生々しさこそが最大の魅力です。音が近く、ギターやベースの響きの肉感はほんとうに演奏者の近くにいるかのような空気感で聞こえるので、迫真の説得力が感じられます。少なくとも私はこの音の生々しさにこれまでのイヤホンにないリアリズムを感じ、最近は毎日一回この音を聴かないと……ってくらいです。ONKYO SN-1とXtrainerzの音は活力の源泉になっており、本当に日に一度は聴いてないと生きている心地が……。

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音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。音の一番鮮やかな部分はインナーイヤー的な空間への溶込みと同じくらいの頭内の響き感でくどさが抑えられ、輪郭もゆるくはなるので、おそらく従来のイヤホン的な発想だと、最高に鮮やかという感じとは異なる。それでも充分に鮮やか。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。音の尖る感じさえも肉感的で馴染める感覚がある。
明るさ
(明るい/暗い)
やや明るい。中高域から中域の色づきが良く、少し明るめの透明感がある感じで聴ける。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。低域が深いのでコントラスト感はあり、音が良く映える。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。肉感的に響きが良い感じで聞こえるので尖る感じではない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。同様に音の尖りもよく響く分だけ目立たない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
普通。不思議なことだが、独特の音が馴染む感じがあって、かなりうるさい感じのある音も聴き心地が良い。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。アタックはそこそこで、低域の深いところも力強いが、響きが頭内でも豊かで、頭外にも音が溶け込む感覚があるので、音のエネルギーがかなり丁寧に抑えられていて、穏やかに聴ける。
豊かさ
(豊か/貧弱)

豊か。一音一音の響き、ディテールの肉感に優れていて、生々しい。

太さ
(太い/細い)
やや太め。音は全体的にやや太い。頭内の響きも音に太さを足している。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。全体的に音はなめらかである。
粒感
(きめの細かい/粗い)
普通。中高域や高域で緻密さもあるが、くっきりさせる感じではないので、粒感はぼやけた感じがある。
清潔感
(澄んだ/濁った)
普通。反響感が強いので、音場は澄んでいる感じではない。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや潤いのある。少しみずみずしい。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。音に深みがある。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
普通 普通

明るいか

(明るい/暗い)

普通 普通

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや伸びやか やや伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

ややしっとりしている ややしっとりしている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

普通 普通

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
やや天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
前進的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
定位感
(頭内的/頭外的)
頭内的
分離感
(拡散的/密集的)
やや密集的

 

美点
  1. 音にライブ感がある
  2. ボーカルフォーカスが良い
  3. 響きが豊か
  4. 自然な質感の音
  5. 音場が広い
  6. 低域が深い
  7. マイルドで聴き疲れしない音質
  8. 没入感が高い
欠点
  1. 聴き始めはぼやけて聞こえる
  2. 音が独特
  3. 高域が詳細でない

 

[高音]:高域の高いところはなめらかに抜けている感じがあるが、ハイハットの穂先は少し高隈で出ているように感じられる。輝きは強調されないが、淡いものの、シャーンと広がる感じは清潔感はある。中高域の色づきは良く、艶やかな色合いを楽しめ、ピアノ音やスネアの上辺には少し明るい感じがあるが、アタックは強くなく、立体感を強調する感じはない。ギターのエッジは前のめりに出てこないが、自然に少し伸びる。ボーカルのツ音や息感は音量を上げるとわずかに刺さるくらいまでは尖るが、基本的には抜けが柔らかく自然である(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は少し空間に透明感があり、どちらかというと清潔に感じられる。プレーヤーイヤホンのため、普段のようにイコライザーでよく確認できないのがもどかしいが、ボーカルは少し上に伸びる感じがあるので、おそらく中域は少し前傾している。そのためボーカルはサビで鼻先上方向に伸びていくような感じがあるが、頭内的な響きが充分にあるので、音の実体感が失われることはなく、生々しい感じがある。

[低音]:低域は床面で少しパンチを出しつつ、音の印象は少し暖かみを抑えた重低音に向かって深く降りていく透明感のある音に感じられるが、胴鳴りと部屋鳴りが振動音として現れる。音の印象はベースは少し明るく、キックも浅い感じではあるが、骨伝導振動が頭内に響きを生み出すので、音にライブ感がある。低域弦楽も浅く厚みもあまり出さないコクもあるが、ちょっとマイルドな明るい透明感を感じるボロンとした音だが、振動が生々しく響いている。この耳からは浅く聞こえるのに、体感的には重く深い低域の感覚が独特(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域は充分に艶やかで明るい。ボーカルも少し明るい媚びた感じがあるが、深みがあるので軽薄にならない。多くの楽器音が同じような印象で、耳から聞く音はちょっと明るいのに、頭内で深く響いて立体感が増して聞こえる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:スネアの鼓面は少し明るく浮き上がる感じがあり、パツッとした弾ける感覚がある。聴覚的には低域方向では少し明るく、一定のボディでバスドラキックも少し浅く入っている感覚があるが、体感的な振動と頭内の響き的に音に深みがあり、印象の明るさとは異なる音の深みがある。そのため明るくちょっと透明にディテールを出すような感じでありながら、生々しい重みがある。明るめのバツンバツン。ハイハットは少し白味があって、穂先は若干高いが、ディテールはほどよくマイルドで刻みを強調しすぎない。振動で少しゆらゆらする感覚もあって、立体的である(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは音の印象的には少し明るめだが、頭内の響きなどを考慮すると充分にコクが増えて深さを持って聞こえてくる。声の印象的には、子音が少し尖り、息感もやや強調されるくらいの明るい味付けに感じるが、頭内の響きが深く沈み混む立体感と生々しい質感を加えており、子音の尖る感じは立体的な響きでマイルドにされる感覚がある。自分の声を聴くような生々しい深みのある感じがある。

 

【5】官能性「独特の生々しい響きのある体験に満ちた音楽空間が広がっている」

パスピエ「メーデー」

メーデー

メーデー

【AfterShokz Xtrainerzで鑑賞】ヴィヴィッドな色づきの強い曲ですが、このイヤホンで聴くと全くきつい感覚はなく、音が身体に馴染んで聞こえるような生々しさがあって、とげとげしい雰囲気はありません。ギター音はゆるやかに広がっているようで、エッジに尖りがありますが、それも響きの中に埋もれる感じがあるので、優しく少し幻想的な雰囲気で聞こえます。ボーカルはとても生々しく、息遣いや喉の動きまで感じられるくらいの肉感があります。音場全体が響きとともに躍動している一体感があり、没入感は大変高いです。

 


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富田美憂「Present Moment」

Present Moment

Present Moment

【AfterShokz Xtrainerzで鑑賞】かなりノリノリでのびやかなこの曲の響きが豊かな感じをかなり生々しく味わえます。頭内にライブホールを作って、その中に音が響いている立体感があり、かなり伸びやかな生々しい質感のままボーカルが突き抜ける感じも丁寧に出るほか、その余韻が空間に響く情報量も多く、音が豊かで実体感に満ちているように感じられます。出だしも身体の深いところから音が立ち上がってくるというよりは湧き上がってくるような立体感があり、意識が飲み込まれるような没入感があります。

 


【Amazon.co.jp限定】Present Moment【初回限定盤】(デカジャケ付)

 

下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」

Harvest Moon Night

Harvest Moon Night

【AfterShokz Xtrainerzで鑑賞】表面的には明るい感じですが、頭内の響き的には深く沈みこみながら、響きも豊かな感じがあり、低域の深いところの振動感も体感しながら聴くので、音の印象以上に空間に濃密な情報量があります。耳で聞く音が身体に入ってくるうちにどんどん深く響いて聞こえて生々しくなるような独特の味わいがあり、目を閉じて浸っていると、だんだん意識が音楽に沈んでいくような生演奏感が味わえます。

 


TVアニメ『ハクメイとミコチ』ED主題歌「Harvest Moon Night」

 

【6】総評「プレーヤーにクセがありますが、音は素晴らしい」

 率直に言って、私はこの音を愛していて、毎日聴かざるを得ないイヤホンの一つになっており、音を聴かなくても装着しているくらいです。しかし、不満がないわけではなく、というかプレーヤーの容量、シャッフルの精度、再生ファイル形式の少なさなどに大きな不満を抱えていますが、それでもこの機種にしか出せない音というのがあり、それに魅了されてしまいます。

 ついこの間、ONKYO SN-1のレビューで「響きこそ音楽の本質」と述べましたが、Aftershokz Xtrainerzもまさに響きが美しく濃厚で豊かな情報量のある音楽を奏でる製品です。既存のイヤホンとは音の性格が異なるため、最初はその豊かさは理解されづらい可能性はありますが、一度この音の生々しい響きの体験に慣れてしまうと、これまでのイヤホン・ヘッドホンの音が陳腐で古くさいものに思えるほどの革命的な体験を秘めています。

 私は骨伝導の可能性をここまで感じさせる製品を作ったAftershokzというメーカーを尊敬せざるを得ません。

 

まとめ
  • 深みのある生々しい重低音
  • 体感できる情報量に満ちた響き
  • プレーヤーとしての完成度が低い

 

Aftershokz Xtrainerz

Aftershokz Xtrainerz

AfterShokz Xtrainerz 骨伝導 デジタルオーディオプレーヤー 4GB スポーツ用 防水/外音取込み

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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