Yy-Ash イヤモニ型 イヤホン 高解像度 高遮音性を追求 1DD+1BA搭載 ハイブリッドイヤホン リケーブルが可能 Yinyoo (ブルー)
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「ユニバーサルIEMタイプのデザインでハウジングの耳への収まりは良い」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「リケーブルは2pin」
- 【3】音質「高域カリカリ、低域薄味。マッチョさの全くないガイコツみたいな音」
- 【4】官能性「高解像度系でしかも派手さのある出音なので、ハマる人はハマるだろう。癖が強すぎるような音の割に案外万能感もある」
- 【5】総評「低価格で明るい解像度を求めるならアリ」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「ユニバーサルIEMタイプのデザインでハウジングの耳への収まりは良い」
おすすめ度*1 | |
---|---|
ASIN | |
スペック・評価 | |
再生周波数帯域 | 20~20000Hz |
インピーダンス | 18Ω |
感度 | 92db |
ドライバー構成 |
ハイブリッド型(DD×1, BA×1) |
音質傾向 |
ドンシャリ、カリカリ、派手、キラキラ、チャリチャリ、スカスカ、明るい、シャープ、尖りが強い、ミニチュア的 |
ユニバーサルIEMに寄せたデザインのハウジングで、耳への収まりはよく、遮音性もそこそこ良い。低価格な割に高級感がある。
テスト環境
今回のテストはAstell&Kern KANN CUBE、a&norma SR15、ONKYO GRANBEATで行っている。
【2】外観・インターフェース・付属品「リケーブルは2pin」
付属品はイヤーピースの替え。
【3】音質「高域カリカリ、低域薄味。マッチョさの全くないガイコツみたいな音」
音質は聴いた途端に、「あー媚びてるね」ってわかる感じ。ひたすら中高域から高域にパフォーマンス全振りしているような感じで、とにかく音は鮮やか、光沢も強く、キラキラしていて、しかもディテールは細かい。非常に細い針金みたいなので作った金細工で音楽を聴いている感じ。
ぶっちゃけ解像度感は高く、透明度も高めに感じるはずなので、「クリアな音」のお手本みたいな感じだけど、低域が良く聞こえないからって音量上げると普通にうるさい。結局、中高域以上中心に華美でチャラい感じに音楽聴きたい人向け。ギターやシンバル、電子音のディテールはとくに高いので、そこらへんだけが好きな人には最高の相棒かも知れない。個人的にはクールすぎて抱擁感なさ過ぎだし、少し細すぎて音に実体感がなく、パキパキ簡単に折れそうな音であまり親しみが湧かない。
低域の改善を目論んでイヤーピースをSednaEarfitにしてみたが、率直に言って低域の存在感はまだ少し不足してるかも知れないと思えるレベル。安定感のある音を目指すなら、リケーブルしてDAPにバランス接続でつなぐか、ゲイン設定を高めると低域のパワフル感が増すのでだいぶ音が落ち着く。
音質因子評価
音質因子 | 評価 |
鮮やかさ (鮮やか/色味が薄い) |
鮮やか。高域がくどいくらいに明るく、華美で緻密。中域や低域は色味が薄めだが、高域のインパクトは非常に鮮やか。 |
鋭さ (鋭い/鈍い) |
鋭い。とにかく高域で金属的な硬質感、光沢感、エッジ感を強調するシャープネスの強い音。 |
明るさ (明るい/暗い) |
明るい。音場は中域以下はほとんど清潔で、高域が異様に目立つ華美なバランスで明るい。シャンデリアみたいに高域が輝いている。 |
派手さ (派手/地味) |
派手。とにかくカリカリチャリチャリキラキラと華美。 |
硬さ (硬い/柔らかい) |
硬い。非常に金属的な音楽表現で全体的にカチカチしている。 |
尖り (尖っている/丸みがある) |
尖る。音がヒョロ長く、金属光沢感も強くて鋭利にギラついて感じる。 |
穏やかさ (穏やか/騒々しい) |
騒々しい。エッジと光沢を強調して高域が過度に目立ちやすいので、人によってはかなり騒々しいバランスになる。 |
力強さ (力強い/嫋やか) |
やや嫋やか。全体的に音が細い感じで、エッジは鋭いが、パキパキ折れそうな印象を受ける。低域に力強さはない。 |
豊かさ (豊か/貧弱) |
貧弱。中域に充実感がなく、高域の緻密な派手さだけが目立つ。顕微鏡で音楽聞いてる感じ。 |
太さ (太い/細い) |
細い。繰り返しになるが、音はミニチュア的で細い。 |
手触り (ざらざら/滑らか) |
ややざらざら。全体的にエッジを強調する感覚があるので、毛羽立ちが強く、質感は切れ味強め。しかしツヤも充分で、たとえば金管のエッジを聴くと思ったよりツルツルとしている。 |
粒感 (きめの細かい/粗い) |
細かい。高域で過剰にシャープネスが強調されており、粒感は細かい。 |
清潔感 (澄んだ/濁った) |
やや澄んでいる。華美な音なので、澄んでいるというような落ち着いた感じではないが、ピアノに透明感が出るので、クリア傾向の音であることは確か。しかしガラス質のような透明感である。 |
潤い (潤いのある/乾いた) |
普通。華やかな艶やかさがあり、ツヤは一定程度あるので、高域強調で音が乾燥する感じは幾分弱められている。中域近くのバイオリンや電子音に潤い感が出る。 |
重さ (重い/軽い) |
軽い。基本的に下方向はスカスカ。 |
ボーカル因子評価
ボーカル因子 | 男声 | 女声 |
澄んでいるか (澄んでいる/濁っている) |
澄んでいる | やや澄んでいる |
明るいか (明るい/暗い) |
明るい | 明るい |
伸びやかか (伸びる、突き抜ける/天井感がある) |
伸びやか | 伸びやか |
潤っているか (しっとりしている/乾いている) |
普通 | 普通 |
太いか (太い/細い) |
細い | 細い |
濃いか (濃い/薄い) |
薄い | やや薄い |
子音が強調されるか (目立つ/目立たない) |
やや目立つ | やや目立つ |
空間因子評価
ボーカル因子 | 評価 |
主に中域の密度 (ぎっしり/スカスカ) |
スカスカ |
主に高域の高さ (抜けが良い/天井感がある) |
抜けが良い |
主に低域の深さ (深掘り感がある/浮き上がりがよい) |
浮き上がりが良い |
主に低域と中域の横幅 (広い/狭い) |
やや広い |
主に中域の奥行き感 (奥まる/前屈み) |
奥まる |
美点
- 中高域と高域のディテールが良い
- キラキラした煌めき感が強く派出さがしっかり感じられる
- ツヤもそこそこあり、ボーカルが乾燥しすぎる感じはなく、子音の尖りもほどよく抑えられている
- 媚びた艶やかさの強い音楽が楽しめる
欠点
- 音源と曲によるが、中高域から高域で尖りやすく、場合によって刺さる
- 中域の充実感に欠け、音が細い
- 低域はかなり広がりに乏しく、タイトだがビシバシ感が強い
- 音量を上げると高域が派手になりすぎる
個人的なおすすめイヤピ
おそらくこのイヤホンに不満を持つ人は中域の充実感不足が大きいと思われます。個人的に試した範囲なのですが、FINAL イヤピース Eタイプ Violetを使用すると、中域の実体感が改善され、充実感のある音響が楽しめるようになりました。もし音が細くうるさい感じがした人におすすめです。
#Yinyoo Yy-Ash。なんかイヤピ、final E Violetにしたら中域から低域の境目あたりにドシッとした重みが出てきて、普通に安定して良い音奏でだしたんだけど。あれ?🤔これいいな。レビュー加筆しなきゃあかん🤪 pic.twitter.com/UwlvSwuGyd
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) October 30, 2019
[高音]:個人的な感想を言えば、高域のチューニングは少し硬さを強調しすぎるところがあるが、それでも存外丁寧である。シンバルの空気感が充分に感じられるほど高さはあるが、一応一番上の方では刺さるギリギリぐらいで減衰している。それでも人によっては刺さりを感じそうではある。
また音にツヤと光沢感がよく出ており、シンバルやピアノ、弦楽の音に透明感や潤い感が出ており、高域強めに関わらず、乾燥した印象はそれほど強くない。アニソンやアイドルソングの明るい女声ボーカルに媚びたコケティッシュな甘味が充分に乗るのは魅力的で、中毒的ですらある。
どちらにせよディテール感と明るさが強く、華美で艶やかでもある鮮やかな高域は人を魅了するかも知れないが、聴く曲によってはうるさすぎる感じではある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中高域以外の中域は基本スカスカで、奥行き感を確保するために密度感や充実感は犠牲にされている。高域をより際立たせるために敢えて過剰に後退させられている印象を受ける。
[低音]:100hz~50hzまでやや明るい感じのブーッという振動。40hzでわずかにジジッとしたノイズ感があり(エイジング不足の可能性あり)、30hzで沈む。20hzでほぼ無音。低域は基本的に主張が強くなく、パンチもキックも浅煎りで薄い感じ。ただし充分にベースとドラムに存在感があるロック系の曲では、薄味ではあるものの、やや硬めにビシバシ強めの床面を感じさせてくれる。そしてどんなにドラム・ベースを盛ったロックでもほとんど篭もらずに聴けるだろう。ライブ感は薄いと思われるが(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:高域は明るく、ディテールも詳細で、しかも派手。基本的には天井照明が強めに聴いている部屋の中にいるように、高域の明るさを意識して音楽を聴く感じになる。低域方向は浅いが、高域で高いので、縦軸はかなり広く感じられるだろう(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:リズム表現は基本ドンスコ的なビシバシ感が強い感じになる。タムやスネアは明るく少しカサカサ、パリパリしつつ弾みを強めに、キックもタイトで浮き上がり通いので、躍動的な音になる。バシンバシン。シンバルも粒が細かく、チリチリからシャンシャンまで明確に浮き上がる。どちらかというと軽快なガールズロックに向きそうな快活なリズム表現に思う(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男声ボーカルは素直に細く、中性的で薄味だが、ツヤはあるので息感に媚びた感じがあり、セクシーさはよく出る。女声ボーカルは明るく伸びやかで突き抜け感もあり、やはり媚びた甘味があってコケティッシュ。どちらかというと幼い印象を受けるが、やや妖艶ですらある。潤い感もあって、子音は少し強調されるものの、尖りが剥き出す感じはない。その潤い感はしっとりした落ち着いた感じというよりは、より弾けたジューシーな感じに聞こえる。
【4】官能性「高解像度系でしかも派手さのある出音なので、ハマる人はハマるだろう。癖が強すぎるような音の割に案外万能感もある」
Poppin'Party「キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】そもそもこの曲自体がドンシャリ系の構成になっているが、このイヤホンと比較的相性が良いように思われる。低域の浅い快活系なドラム表現がこのイヤホンの特性と実に良くマッチしていて、量感は少なめと言って良いのに、しっかりと存在感があって疾走感を出してくれる。好みにもよるだろうが、むしろベースのブンブン感が少なくなっている分だけ清潔で、明るいパンチをビシバシ楽しめて心地よさが増している感じすらある。
それとボーカル表現。媚びたコケティッシュな甘味によくフォーカスしているので、みずみずしさを存分に出しつつ、上にもきれいにのびてくれる。ボーカルの重なりも繊細に表現される感じがあり、解像度感が高い。
そして最後にギター。黒みと深みは少ない感じではあるものの、それが逆に素直に明るく浮かれた感じになっていて、ツヤも多めなのでディストーションは鮮やかにギュイイイイ~ン♡とキマる。
ガールズロック表現の一つの極意を感じることは確かだ。ただし音量を上げるとうるさいし、どこまで音量を上げてもスカスカ感はぬぐえないだろう。あと人によってはキラキラ感を強調するシンバルが少し硬くてキンキンし、うるさく思えるかも知れない。それでもお値段を考えるとお得ではある。
TVアニメ「BanG Dream!」ED主題歌「キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜」
下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」
【KANN CUBEで鑑賞】妙にチャラい感じがあるのはやや気になるものの、こういうアコースティックな曲で非常に高い透明度を出してくれるのはなかなか好感できる。とりあえず低域のドライブ感を出してくれた方が楽しめるかと判断し、パワフルで低域にドライブ感の出やすいKANN CUBEに繋いでみる。聴いてみるとなかなか良い。
ボーカルは爽やかな程度に息感をスーハー少しだけ強調しつつ、のびやか。弦楽は全体的にエッジを強調してギリギリしてる感じはあるが、この曲では高域であまり派手な出音がないので、むしろそのエッジ感がほどよく曲にメリハリを加えている気さえする。
この曲の低域は弦楽主体なので浅いところで膨らむ表現になっていることもあり、やや底の浅い感じのこのイヤホンの表現は、むしろ弦楽の柔らかみを充分に出してくれて相性が良さそうである。アコースティックな音楽に暖かみが欲しい人もだろうから、ちょっと清潔で透明すぎる印象は受けるが、意外と心地よく聴ける。ただし派手。
TVアニメ『ハクメイとミコチ』ED主題歌「Harvest Moon Night」
Snai's House「Galactic Whisper」
【SR15で鑑賞】SR15は音の輪郭が柔らかく、高低バランスはフラットにやや中域で充実感を出して均してくれるところがあるので、このイヤホンのきつい感じをよく調整してくれる感覚がある。SR15はいわゆる「パンチ力」と呼ばれる系統の量感も少し向上させるところがあり、低域にドシッとした重量感も増して聴かせてくれるので、この機種の低域の迫力不足感もいくぶん補って充足させてくれる。
音の質感はややドライな感じが強くなるが、キラキラ感の派手さを少しセーブしつつ、ドシッとしたドラム表現をより確かに聴かせてくれるので、重厚感をほどよく感じさせつつ、解像度感を維持して聴かせてくれる。とくにシンセの細い感じの音が鮮やかに浮かび上がるので、刺激は充分な印象を受けるだろう。ノリが良い感じをうまく出してくれる。
【5】総評「低価格で明るい解像度を求めるならアリ」
癖が強く、人によっては華美に過ぎる出音だと思うので、個人的なおすすめ度はそれほど高くはないが、解像度重視の人には低価格では抜群のコストパフォーマンスに思えるだろう機種。装着感も良いし、光沢感や透明感を強めに楽しみたいなら、アリだろう。ただ聞き疲れしやすいし、健康的な音とは言えない。
Yy-Ash イヤモニ型 イヤホン 高解像度 高遮音性を追求 1DD+1BA搭載 ハイブリッドイヤホン リケーブルが可能 Yinyoo (ブルー)
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。