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【中華イヤホン KBEAR DIAMOND ファーストインプレッション】熱気の強いパワフルな低域と、硬くソリッドで手がかりのある中高域、マイルドな高域を持つ構築的なU字シグネチャーサウンド

ヘッドライン

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KBEAR DIAMOND

KBEAR DIAMOND

KINBOOFI KBEAR DIAMOND 高音質イヤホン コネクター2pin カナル型イヤホン DLC類ダブル複合クリスタルダイアモンド振動膜 モニター 中華イヤホン

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「IEMデザインで耳への収まりが良い」

ASIN
B0833WW828
スペック・評価
再生周波数帯域 20~20000Hz
インピーダンス 32Ω
感度 112dB
ドライバー

ダイナミック型

 ハウジング材質はアルミニウムが使われており、軽量で頑丈です。個人的にはやや平面的で武骨なデザインに思えるので、微妙に好みから外れるかなとは思いますが、装着性は良好で、遮音性も悪くありません。

 

テスト環境

 今回のファーストインプレッションのテストはFiiO M15を使って行っています。

www.ear-phone-review.com

 

装着サンプル

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ビルドクオリティは悪くありません。2pinリケーブル可能」

 付属品はイヤーピースの替え(4種類)、キャリイングケース、説明書です。ケーブル端子は2pinです。

 

 

 

【3】音質「温かみと深みのある低域の土台の上にしっかりと音が構築されます」

周波数特性イメージ(試験運用中)


※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*1

 

レコーディングシグネチャー(試験運用中)

 レコーディングシグネチャーはバイノーラル録音されていますが、品質は良くありません。低域は抜けやすくなるので、イコライザーで低域を持ち上げていますが、それでも充分出ていません。したがって聴いたそのままの音質とは異なりますので、あくまで参考情報ということでお願いします。

 

原曲

www.youtube.com

銀の意志 Silver Will / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation

www.falcom.co.jp

 

anchor.fm

 

ファーストインプレッション

 今回は標準イヤピの中で、シリコン赤軸のLサイズを使ってファーストインプレッションを確認します。

 

スマホで充分に鳴らせます

 インピーダンスが32Ωありますが、比較的スマホでも鳴らしやすいです。Galaxy A30で鳴らしてみても不足感はありません。

 

重みがあるが、中域と低域の境目でやや立体感が薄く、熱気がのぼって来やすい(Uru「あなたがいることで」)

あなたがいることで

あなたがいることで

 まずこのイヤホンで特筆したいのはamazonの商品ページでも言及されている「温かみのある低域」についてです。このイヤホンは低域と中域の境目であまり立体感を強調しないようになっており、このあたりで奥行き感や清潔感があまり出ないようにチューニングされています。その結果として中域は低域とつながりがよく、音に厚みや太さ、量感、沈み込み、胴鳴り感などがもたらされていますが、一方で低域が中域付近で膨らみやすい雰囲気があり、また低域の熱気が中域を色づける雰囲気が少し強く、音場に暖かみが出てもやもやします。

 こうした調整は聴き心地を安定させ、音に実体感をもたらし、ライブ感を実現する一方で、低域の鳴動が中域に伝わりやすく、分離が足りず篭もりやすい印象を生み出すことにもなります。高域の高いところでのアタックの強調も弱いので、どことなく、音場全体がもやっとした中で聞こえる、楽器の浮き上がりが明瞭でない印象を受ける可能性はあります。中高域では手がかりがあり、輪郭感に欠けるという感じはないと思いますが、音全体が少しゆるやかに押し出されてくる感じはあるでしょう。

 したがってこの曲のような暖かみのあるポップスを楽しみたい場合には、その暖かい感じを充分に出してくれます。また高域の高いところは若干下がっているので、音に適度な甘味が出ていますが、閉じる味付けではないので、少し風通しがあり、ボーカルは息の伸びが開放感を出します。ボーカルは少しふっくらしつつものびやかさを忘れず、また子音の尖りはなく、マイルドな印象を受けるでしょう。

 ピアノ音も同様に高さを抑えてまろやかですが、コンとした硬い質感があって輪郭の手がかりを出しつつも、打ち込みは強すぎず、沈み込みがあって少し幅も広い感じで聞こえるはずです。弦楽も中高域で横によく広がるので、これらの楽器音が音楽全体に広がりと安定感、包み込む調和性をもたらしてくれます。しかし一方で煌めき感は落ち着くので、人によっては明るさに欠け、ハイハットは穏やかでおとなしく、高さを抑えて少し下に寄っているように聞こえるかも知れません。ポップスの濃厚感向きですが、清潔で高く拡散するクラッシュ感を期待する人には物足りなさがあるかも知れません。音楽の脆さに繋がる要素は基本的に強調されることがないので、音楽は全体的に安定感があります。

 一般にポップスは満足に聞こえるんじゃないかと思います。

 

ダンスではアタック不足がもっさり感を出すかも知れない(歌組雪月花「回レ!雪月花」)

回レ! 雪月花

回レ! 雪月花

 ダンス曲では床面の暖かみと量感がそのまま中域に出てきやすく、しかも高域で煌めきや緻密さをあまり強調しないので、足回りの実体感は良いにしても、なんとなくフロアの空間がはっきりしない印象を受けるかも知れません。またボーカルもやや太く、ハキハキした感じが足りず、少しもっさりし、電子音の煌めき感も弱くて手がかり自体は悪くないものの、緻密さやキラキラした楽しい雰囲気には欠けるように聞こえます。

 床面はパワフルで量感があり、足回りに不足感はないと思われますが、キレのある感じは薄いでしょう。そのためリズムに弾ける感じが乏しく、安定感が少し強すぎる印象を受けやすいです。

 ダンスみたいな曲向きではないかと思うかも知れませんが、失望する前に標準イヤーピースの黒いシリコンの方を試してみてからでも遅くありません。こちらのイヤーピースは高域の伸びを改善してアタック感を出し、低域をややタイトにし、スピード感を出してくれます。それでも全体的に少し暗い感じは残るかも知れません。また音場はやや窮屈で広くありません。

 

充実感のある表現(井上麻里奈「二人の季節 (三日月夜空 ver.)」)

二人の季節 (三日月夜空 ver.)

二人の季節 (三日月夜空 ver.)

 この曲では、温かみと膨らみが良く支えの充分な低域と、中域で充分な太さがあり、中高域で手がかりも少し強調される硬さが適度にある楽器音が、やや構築的に充実感を演出してくれます。土台がしっかりしている上に硬質で濃厚なピアノ音を始めとする楽器と、安定感のあるボーカルが乗っている感じがあり、若干硬い感じですが充実感は充分です。

 ハイハットやアコースティックギターの粒立ちもややコチコチした感じではっきり強調されます。しかし、一方でその硬さは適度にボディによって中和されるので、アコースティックギターの色味は黄金色で温かみが感じられ、手がかりが硬い割に穏和に聞こえます。高域は決して閉じきってはいませんが、やや後退的で中域に濃厚感を出してくれます。

 温かみのある中でも目鼻立ちはくっきり聴かせる感じがあるので解像感はありますが、音場は広くないのでやや包み込んでくる密閉的な音場に感じると思います。これはこの曲の場合、悪いことではなく、充実感につながって聞こえるので没入感を高める効果があります。

 
ややブーミーで分離が少し悪く、支配的になりやすい低域(STEREO DIVE FOUNDATION「Daisy」)

Daisy

Daisy

 この曲くらい低域が強い曲ですと、低域の熱気が強く重低音の鳴動も感じられてライブ感がありますが、整理された音ではないので、ドラムキックやベースは少し混濁した中で聞こえるようなブーミーな感じになります。そのためライブハウスの閉鎖性が感じられる箱庭的なライブ感のある低域音が好きなら、非常に生々しい印象を受けると思いますが、逆に篭もる感じが嫌いな人には敬遠されるかも知れません。ただし、中高域で音に硬い手がかりが感じられるようになっているので楽器音が埋没するわけではなく、バスドラキックにも少しアタックが乗るので、完全に空間がもやもやしていて見通しが悪いというわけではありません。

 低域はかなり支配的になるので、密閉型のヘッドホンに近い感触はあるかも知れません。実際低域の広がりが床面で音場を少し広く見せるところはあります。また十分にパワフルに聞こえます。

 

【4】概括

 なだらかなU字型というべきサウンドシグネチャーを持ち、やや低域と中域が親和的なために立体感が曖昧になりやすいところがあります。それが人によって篭もる印象を抱かせるかも知れませんが、床鳴りの情報量も多く、ライブ感がある音です。高域で後退が見られるので、音はマイルドに聞こえると思いますが、中高域では硬い手がかりを出してソリッド感をはっきり出すので、意外と音楽の骨組はしっかりして感じられ、構築的な安定感があります。音場は広くありませんが、充実感があり、わずかに高さも感じられます。甘味はないわけではありませんが、あまり強くないので、温かみのある音の割に潤い感やノスタルジックさもそれほど感じられないところがあります。

 低域が強い曲では熱気が音場を支配しますが、低域が薄い曲では意外と硬い感じにコチコチとした中高域が目立ちやすく、曲による印象の違いも多少出やすいかも知れません。ピアノ音はキンキン輝きませんし打ち込みも強くありませんが、コンコン硬い感じがあるでしょう。ソリッド感は結構しっかりしてますが、シャープさはあまりないので緻密な音ではありません。

 

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KINBOOFI KBEAR DIAMOND 高音質イヤホン コネクター2pin カナル型イヤホン DLC類ダブル複合クリスタルダイアモンド振動膜 モニター 中華イヤホン

 

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*1:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

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