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【中華イヤホン KBEAR HI7 レビュー】抜けが良く爽やかな音を聴かせる。音場は広い。ボーカルの子音は少しきつく、奥行きがあまりなく、低域はパワフルさに欠けるのが欠点。おすすめ

ヘッドライン

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KBEAR HI7

KBEAR HI7

KBEAR HI7 片側 6BA+1DD ハイブリッドHIFIイヤホン 鮮明で躍動的なワイドレンジサウンドを提供 リケーブル可能 (ブルー)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「軽量で着け心地は良い」

おすすめ度*1

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ASIN
B07WVV59YR
スペック・評価
再生周波数帯域 7~40000Hz
インピーダンス 32Ω
感度 111dB
ドライバー

ハイブリッド型(ダイナミックドライバー×1, バランスドアーマチュアドライバー×6)

音質傾向

音場が広い、パノラマ的、音の抜けが良い、爽やか、清潔感がある、低域が薄味、荒々しい、毛羽立ち感がある、子音が尖りやすい、サ行刺さりやすい

 シュア掛けに合わせたデザインになっており、アルミニウムの筐体は軽く、ビルドクオリティも高く、装着感は良いです。見た目は製品写真はダサく見えますが、実物は意外にかっこいいです。

 遮音性は低く、音漏れは多いので注意が必要です。

 

テスト環境 

 今回のテストはFiiO M15iBasso DX200Galaxy A30ONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は基本的に「高」設定です。

www.ear-phone-review.com

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【2】外観・インターフェース・付属品「イヤーピースは2種類付属」

 付属品はイヤーピースの替え、キャリイングケースです。イヤピは2種類付属し、緑軸のグレーのシリコンタイプと、薄皮の傘のシリコンタイプのものがあります。

 

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【3】音質「音場は開放的ですが、奥行きは少し不足が見られます。また低域は基本的に目立たないでしょう」

周波数特性イメージ(試験運用中)

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※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*2

 

ファーストインプレッション

 今回は標準イヤピの薄皮タイプLサイズを使ってレビューします。

 このイヤホンのインピーダンスは32Ωあり、一般的なスマホでは鳴らすのにやや力不足を感じるはずですが、私の手持ちのGalaxy A30でも何とか鳴らせてる感じでした。むしろこのイヤホンの人によってはギラつく高域がおとなしくなるので雰囲気は良いかも知れません。

 さて、デフォルトテスト環境であるONKYO GRANBEATにつないで音質を見てみます。一聴して気づくのは、半開放型ハウジングの抜けの良い空間で、左右は頭外に出ており、高さもそこそこ高く解放感があります。床面は適度に中域から離されており、中域のマージンが広く取られている感覚があります。

 各音域を確認しますと、まず低域ですが、エレキベース音はやや薄味にグレーがかって聞こえます。ライン取りはよく、比較的明瞭でリニアな感覚がありますが、地熱感による暖かみは少なめで情熱性には欠けて聞こえるかも知れません。バスドラキックも床鳴りはあまりなく、少し軽いタッチに聞こえます。比較的タイトでリズムは分かりやすく、コントロールも良いので遅れはありませんが、迫力には欠ける感じです。低域弦楽はややビヨンビヨンした弦の動きが強調される、躍動的な音色で、深みは抑えめです。やや軽い感じに聞こえるでしょう。

 低域は量感を抑えられており、中域からもよく分離されているので、中域では基本的にボーカルや楽器音が前面に出てきてくれるはずです。スネアは前面にでてきており、ロック曲ではリズムのアタックは充分に感じられるでしょう。中域は少し左右が広く、どちらかというと清潔な印象を受けます。ボーカルは基本的に伸びやかで子音を少し強調しつつ、若干上で透けるような色味で突き抜けてくれるはずです。

 高域は少し毛羽立つ感じがあります。抜けの高さは高くなく、サ行にも強調がありますが、抜け自体は良いので、サ行の刺さりは痛いほどではないはずです。しかし、中高域では音が乾燥してカサカサしている感触があるでしょう。一般にハイハットがドライな感じで目立ちやすいです。その色味は輝きがほどほどで清潔感があるので、悪目立ちというほどではありませんが、空間に清潔感を出すのは良いとしても、やや乾燥した印象を強くしているところがあります。

 一般に音場は開放的で抜けが良いですが、色味は全体的に薄く感じられるかも知れません。また中高域から高域にかけてが少しガチャガチャしやすく、わずかに整理が足りてない印象を受けることもありそうです。奥行き感はあまり期待できず、音の印象は平坦な感じがあります。中域にはマージンがありますが、幅は広く、高さはそれなりにありますが、低域音は比較的薄く、おとなしく聞こえるはずです。ボーカルフォーカスは悪くありませんが、若干中高域のガチャガチャしたところに突っ込んで聞こえるかも知れません。

 

 総合すると、中高域から高域にかけての派手な音を、適度に開放的な音場で聴かせるイヤホンになります。抜けが良い感じが良い感じが好きならおすすめできますが、ボーカルの子音やサ行の強調は、刺さりに敏感な人には嫌われるかも知れません。ボーカルフォーカスは良く、適度なボディと伸びの良さと清潔感があります。音は少し乾燥しており、潤い感に欠けるのでツヤがないわけではありませんが、ツヤ重視の人にも少し物足りないかも知れません。奥行き感はあまりないので、音楽は平面的に感じられるところもあります。低域はやや存在感が薄いので、低域を多少なりとも重視する人には少し不足感があると思われます。

 酸味のあるさわやかなサイダーサウンドが好きなら、悪くないかも知れません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)

やや鮮やか。中高域の発色はそこそこ出るが、清潔感も重視されているので濃い感じではない。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鋭い。ちょっと角が立った表現になりやすい。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。基本的に風通しの良い感じのスーッとした明るさがある。
派手さ
(派手/地味)
派手。中高域で結構音が手がかり多く出るので、派手さは感じやすい。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。音は中高域で手がかりが多く、わずかにガチャガチャするが、抜けは良いのでそれほど気にならない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
尖る。曲によってサ行は刺さりやすい。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。手がかりが多い中高域はやや平面的で音が少し過剰に集中しているように思えるかも知れない。しかし、抜けが良いのでうるさげではない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
普通。アタック感は強めで力強さはあるが、低域はパワフルではない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

やや貧弱。空間的にはややスカスカするくらいで、低域方向で貧弱さを感じる可能性がある。

太さ
(太い/細い)
やや細い。わずかに細い印象を受けるだろう。
手触り
(ざらざら/滑らか)
ややざらざら。音は少しシャリシャリした感じを出すので、どちらかというとスパイキーな印象を受けるだろう。
粒感
(きめの細かい/粗い)
ややきめの細かい。意外と抜けは高くないので、繊細という感じではないが、それなりに粒立ちは細かく感じられる。
清潔感
(澄んだ/濁った)

やや澄んだ。上で風通しの良い感じがある。

潤い
(潤いのある/乾いた)
乾いている。音はやや硬質でハイハットが乾燥した空気感を強調する感じがあるので、ややドライに聞こえる。
重さ
(重い/軽い)
やや軽い。高域の浮揚感は強い。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる

やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか

伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

普通 普通

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

目立つ 目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや浮き上がりがよい
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
前進的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
定位感
(頭内的/頭外的)
やや頭外的
分離感
(拡散的/密集的)
やや拡散的

 

美点
  1. 空間が清潔
  2. 音の抜けが良い
  3. 爽やか
  4. 左右の幅がある
  5. アタック感がある
欠点
  1. ボーカルの子音の尖りがきつく出やすい
  2. 音の根立ちが悪く、沈み込みも感じられにくい
  3. 全体的に明るく、静寂感に欠け、軽っぽい
  4. 奥行き感に劣る

 

[高音]:高域はやや高いところで清潔感を強調しつつも、抜けは良いですが、抜け自体はあまり高くないかも知れない。ハイハットを聴いてみると、明るく風通しは良いが、意外と高く空気感を出す感じではないことがわかる。抜けは良く浮揚感もあるので、ふんわりとした感じがある。しかし一方で中高域は平面的に感じられ、音が少し密集して聞こえる。抜けが良いのでガチャガチャ感は強くなく、整理されてはいるが、それでも人によっては少しうるさけかもしれない。しかし、逆に言えば、ボーカル周りに適度な手がかりがあって楽しいとも言える(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は低域から良く分離されていて、清潔感がある。ボーカルフォーカスは基本的に悪くなく、上に向かって浮かれるような明るい雰囲気があるだろう。沈み込みはあまり出ないので、基本的にはキラキラしたツヤを出す感じだが、抜けも良いのでくどい感じはない。中域は左右に適度に広いが、音はボディがないとは言わないが、人によっては少し足りない感じに聞こえそう。

[低音]:100hz~40hzまで少し重めの鈍いボーッという音。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域は厚みは抑えて見通しは良く、ベースラインは比較的はっきり聞こえるが、やや黒みは抑えめで、熱気もそこそこに聞こえる。床鳴り感もあまりない。バスドラキックも同様に深い感じはあるが、床へのタッチは重くなく、床鳴りも響きが少なめ。クリアでわかりやすくはあるが、パワフルさには欠ける。低域弦楽は躍動感のある弦の動きが強い音で、濃厚感はあまりなく、深みや重みも強くない、どちらかというと透明系の音。基本的に低域はディテールは悪くないが、量感的には不足しがちに思う(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:半開放型らしい抜けの良さが魅力で幅は党外に出る。高さも悪くないが、特別高い感じではない。奥行きはどちらかというと平面的である。ワイドテレビ的な映像感覚で曲を聴くようなパノラマサウンドな感じに聞こえる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:スネアはやや強めにアタックするが、輝きは強くないので、パシパシではなくバチバチに近い。バスドラキックは深みはあって分離されているが、少しタッチは深く押し込まず、スピード感重視に聞こえる。ボディの厚みはあまり出ない。明るめのバチンバチン。ハイハットはスネアよりは一段高く聞こえやすく、また少し強調されて前に出てきて、明瞭に白味を出して聞こえるので存在感がある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは濃さはほどほどあり、ボーカル周りは中高域方向以外は適度に清潔なので、よくフォーカスされる。基本的に男女ともに最前列に出てきてくれやすく、埋没感は少ない。男声ボーカルのほうが中高域に突っ込みづらいので、はっきり聞こえる気がする。ボーカルは伸びやかで息感と子音を強調するところがあり、高い女声ボーカルはややサ行が刺さって聞こえやすいかもしれない。

 

【4】官能性「開放的でのびやかな音を鳴らしてくれます」

はるひの with DODOWAKA「令和 -UME no UTAGE-」(vs TINHiFi T4)

令和 -UME no UTAGE-

令和 -UME no UTAGE-

【FiiO M15(Pure Music Mode)で鑑賞】この曲のデジタル音が手がかり多く密集してるあたりに、ボーカルを適度に突っ込ませながら、抜けは良い感じで開放的に聴かせるんで、充実感があります。こういう明るい曲とは相性が悪くありません。奥行き感があまり出ないので、立体感には欠けていますが、ボーカルはのびやかで清潔に息を伸ばす感じで、気持ち良く聴けます。ボーカル周りに、手がかりが多い中高域音が少し密集する感じが出るのは好みを分けそうですが、個人的には多少ガチャガチャくらいのほうがお祭っぽい雰囲気はありますし、この曲の場合元の音も爽やかさを重視しているので、臭みがなく、心地よい感じに聞こえます。よく聴くと、高さは少し足りない印象を受けますが、たぶんそれも目立ちませんし、むしろそのおかげで木管音が抜けて薄味にならず、しっかりした存在感で聞こえると肯定的に評価することも可能です。

 

 ほぼ同価格の人気機種、TINHiFi T4と聞き比べてみます。一聴して気づくのは、HI7よりはツヤのある色味がしっかり出て、音も滑らかに音像をくっきり出して聞こえるという点です。幅は劣りますが、奥行き感もHI7より優れており、低域もよりパワフルです。一方で木管音は多くの人がHI7の音が生々しく、弦楽系の音も活き活きしていると判断すると思います。倍音が利いている雰囲気はHI7のほうが勝るでしょう。T4の音はややデジタル的に聞こえるところもあります。

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 個人的には僅差ですが、この曲に関する限り、HI7のほうが気持ち良く聴ける印象を受けます。HI7のほうがボーカルが少しトゲトゲしい感じはあるんで、そこらへんを苦手とする人にはT4のほうがいいでしょうし、奥行き感や低域を含めた全体的なバランスはたぶんT4のほうがよいんですが、この曲で一番欲しいと思われる、楽曲の吹き抜ける風通しの良さで清涼感に勝るHI7を推したいと思います。

 


令和 -UME no UTAGE-

 

UVERWorld「Touch off」(vs Shuoer Tape)

Touch off

Touch off

【Hiby R6 Pro SSで鑑賞】かなり音数が多い感じですが、このイヤホンはアタック感のあるスネアと金物のギラつくチャリチャリした音を中心に出しつつ、抜けの良いさっぱりした開放的な雰囲気を出してくれます。奥行き感に欠け、ボーカルの周りに少し音が集まりますが、左右の幅は良く整理されており、低域が強く主張しないので、中域のマージンは多く、うるさい感じはあまりありません。色味は少し薄めでボーカルも息遣いを強調気味で、爽やか系に聞こえますが、フォーカス感は悪くありません。

 

 同価格くらいで静電型ドライバーを搭載し、同じく開放的な音を持つShuoer TAPEと聞き比べてみます。Shuoer TAPEのほうが音は明らかにより繊細で、ギターの手がかりはより細かく、音は全体的により粒立ちが良く聞こえるでしょう。輪郭感もTAPEのほうが良いので、くっきり感もあると思います。音場の幅はほぼ同等ですが、TAPEのほうが音が細く感じられるのでミニチュア的に思えるかも知れません。奥行き感はShuoer TAPEの方が勝りますが、ボーカル周りは明らかに清潔で、分解能も高い印象を与えますが、個人的好みを言うと、HI7の多少ボーカル周りに密度が出ているほうが好きだったりします。低域はTAPEの方が重みを出してくれるでしょう。しかしスネアのアタックはHI7より弱めです。

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 音場の広さ、立体感、分解能的要素を重視するならば、良質なのはShuoer TAPEです。似ている感じの音同士ですが、音のクオリティレベル的にはTAPEが勝っていると判断されるのが一般的な傾向になると思います。しかし、個人的にはTAPEはボーカル周りが清潔すぎる印象もあり、音もミニチュア的に感じられやすく、スネアのアタックも足りない気がするので、HI7のほうがより楽しめる印象を受けました。

 


Touch off

 

Aimer「Torches」(vs WG T-one)

Torches

Torches

【iBasso DX200(AMP1)で鑑賞】iBasso DX200(AMP1)の音はかなり硬い音になりますが、このイヤホンとの相性はどうでしょうか。この曲の場合とくにギター音の硬質感が強調されて感じられますが、輝きは適度に抑えられているので、カリカリ感はくどすぎず、ボーカルも子音と息感の適度な強調でディテール感を増しています。立体感にはわずかにかけるかも知れませんが、その代わりにサビではボーカル周りにコーラスと楽器音が適度な密度で聞こえて充実感を出してくれますし、ギター音との距離感も適度な親密さがありつつ、左右の広がりも良いので、これくらいの音数だと味わい深い感じがあります。

 

 ほぼ同じ価格帯で同じくパノラマ的なサウンドを持つ、WG T-oneと聞き比べてみます。このイヤホンはテスラドライバーを採用し、滑らかでシームレスな感覚があるサウンド表現が魅力です。この曲でもiBasso DX200 AMP1が少し強調するカリカリしたギターの手がかりをうまく滑らかに広げて聴かせてくれます。おそらく音のエッジの滑らかさはT-oneが勝り、HI7のほうが手がかりは多いかも知れませんが、ちょっとエッジはギザギザした荒っぽい表現に聞こえると思います。一方で、T-oneの音には暖かみが増して聴き心地は良く、低域が力強いので神話的な重厚感もありますが、HI7にあったプリミティブな雰囲気がありません。HI7の音は暖かみには少し欠けますし、ツヤもあまりありませんが、ボーカルの息感や子音のディテールがよいので、この曲の場合、すっぴんで歌っているような純朴さが感じられ、楽器音も少し毛羽立つので、なおさら荒々しさを感じます。

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 率直に言ってHI7の表現は必ずしも丁寧とは言えませんが、私は悪くない気がしました。ただしWG T-oneのほうが一般的には好まれそうな気もしますし、私もバランスが良く聴き心地が安定している気がします。

 


Torches (初回生産限定盤) (DVD付) (特典なし)

 

【5】総評「価格帯では二番手以下の音かも知れませんが、開放的で酸味のある音が好きなら十分に魅力的です」

 音場は広く、決して悪い雰囲気ではありませんが、奥行き感に欠けていたり、音が荒々しかったりするところがあるので、万人向きではありません。同じ価格帯で充実している他のイヤホンと比べてみても、決して抜けている印象はなく、むしろ劣っている印象すらあるでしょう。一方で、個人的には意外と抜けの良い、その荒々しい表現が好きでもあり、おすすめしたい気持ちもあります。

 

  • 抜けが良く、開放的な表現
  • ドライで荒々しさのある音
  • 奥行きはあまりなく、低域も薄味

 

KBEAR HI7

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

*2:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

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