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【完全ワイヤレスイヤホン M-SOUNDS MS-TW21 ファーストインプレッション】熱気とのびやかさが感じられるドライなU字のサウンドシグネチャー。

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M-SOUNDS MS-TW21

M-SOUNDS MS-TW21

M-SOUNDS MS-TW21 トゥルーワイヤレスイヤホン完全ワイヤレス (ネイビー)

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で耳への収まりは良い」

ASIN

B084GJXJBV

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

9.5h/47.5h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX4

 MS-TW2の頃から基本的にはデザインが変わっておらず、耳への収まりの良い小型デザインになっています。非常に軽量です。遮音性はそこそこ良いです。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。通信性能については、いつもはロケテストをするんですが、今回は行っておりません。というのも、2月第1週の終わりごろにどうもいつもと違って長引く、重症化しない気怠い風邪を引いたんですが、これが時期的に新型コロナじゃないかと思ったりもして、外出を極力控えておりました。というか今も人の多いところには日常的な買い物を除いて基本行っておりません。 

 そのため、この機種については家庭内テストのみなんですが、通信品質は非常に安定している印象です。距離耐性も高く、5mくらいまでは普通にシームレスで通信が途切れません。さすがに10m近く距離を取ってうろうろしているとプツッと途切れてつなぎなおしてるのかなって雰囲気はありますが、遮蔽物がなければ、かなりの距離耐性はありそうです。

 遅延に関してはaptX接続時にamazon Prime VIdeoで「アキラとあきら」を見て試した感じ、遅延は普通に感じられません。いや、風邪の間ずっと池井戸原作作品観てましてね。

 

テスト環境

 今回のファーストインプレッションのテストはONKYO GRANBEATを使って行っています。

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「充電コネクタはType-C。デザインには高級感があります」

 付属品はイヤーピースの替え(2種類)、専用充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 充電ケースは鏡面仕上げされており、高級感があります。

 

 イヤーピースは2種類付属しており、ドームタイプとハーフドームタイプが付属します。ハーフドームタイプは軸が短いので、音が篭もりにくいです。

 

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【3】音質「少し厚い低域が支える、U字ののびやかで穏やかなサウンド」

周波数特性イメージ(試験運用中)

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※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*1

 

ファーストインプレッション

 今回は標準イヤピの中で、ドームタイプのLサイズを使ってレビューします。

 早速、メインテスト機、ONKYO GRANBEATにつないで音質を確認してみます。周波数特性イメージにも現れていますが、重低音がなだらかに持ち上げられている感じがあります。実際ロックを聴くと、暖かみのある低域サウンドの下の方で沈殿するようにベースやドラムの床鳴りが感じられます。熱気は強く、ドシッとした支えがあって安定感があります。

 

 全体の音質特性(サウンドシグネチャー)はU字型をしており、少し後退する中域がゆるやかに高域に向かって伸びていく感じがあり、アタックは抑えられています。

 ギターサウンドは高域でピークが強調されるようになっており、たとえばエレキギターのエッジの粒立ちや、アコースティックギターのきらびやかさは鮮明感があり、激しい楽曲の中でも埋もれません。ギターは前のめりにアタックするのではなく、中域ではボーカルに混濁しないようサポートしつつ、のびやかさを出して高さを強調し、高域ではボーカルをリードするようにさらに上に伸びるように聞こえるはずです。そしてギターの伸びた先には、軸をしっかり感じさせて刻みよい雰囲気で疾走するハイハットがきれいなアタックを見せ、適度にクラッシュも交えます。しかし輝きは抑えられており、どぎつく派手になることはなく清潔です。本当に高いところは抜けていないので、抜けの高さも出しすぎず、楽器音やボーカルの甘味を消し飛ばしてしまうことはありません。

 

アタックしすぎず、でもパワフル。元気で快活(大橋彩香「遠い音楽~ハートビート」)

遠い音楽~ハートビート

遠い音楽~ハートビート

 たとえば個人的にこのようなサウンドは、大橋彩香「遠い音楽~ハートビート」のような、暖かみのあるロック曲とは非常に相性が良く思えます。

 低域はパワフルで少し前面に出てきますが、雰囲気は温和で膨らみはそれなりにありながらも、重低音が利いていて安定感があります。音の傾向としては少しブーミーで篭もる感じはわずかに出るので、クリアとは言えませんが、キックの踏み込みは重くしっかりしているので、スピード感は速くはありませんが、コントロールが緩くはありません。

 ボーカルは甘く、このボーカルの持っている独特の媚びる、ともするとギャンギャンしやすいところは、暖かい感じでふっくらとした弾力を持って聞こえるので、マイルドで自然に聞こえます。息遣いは強調されているので、甘いボイスでありながら、ハキハキとした若々しい雰囲気があり、快活さが失われていません。そのため露骨にアタックしてくるくどくどしい感じではないにも関わらず、ガールズロックバンドの勢いの良さみたいなものはちゃんと味わえます。

 そしてギターエッジが少しきらびやかに聞こえる先で、ハイハットは清潔ではありますが、派手にアタックしてきます。このバランスはハードロック的と言うよりは、もうちょっと若くて攻撃的な雰囲気も少ないバンドロック風のサウンドに似つかわしいでしょう。個人的にはまさにこの曲のようなロック曲向きに思えます。

 音量が適正音量くらいだと落ち着きすぎて味気なく思える場合、イヤピサイズを一段階小さくしてみるか、ハーフドームタイプに交換しましょう。ハーフドームタイプはボーカルをより前進させ、ギターをよりアタックさせますが、低域が軽くなるのが悩みどころです。リズム感はわずかに速くなるのでスピード感はよくなります。

 

穏和で温かみがあるが、緩い音楽を奏でるわけではない(鹿乃「光の道標」)

光の道標

光の道標

 一般に温和な曲と相性が良いですが、穏やかで緩やかというサウンドを想像すると、それとはちょっと違います。

 具体的にはたとえば鹿乃「光の道標」を聴いてみると、緩やかなリズム感がありながらも、なんだかとても元気に聞こえます。一つは先ほどの「遠い音楽~ハートビート」にもあったボーカルのハキハキとした息の伸びが感じさせる快活さもそうですが、一見透明で甘味があり温和に思えるピアノがかなり打ち込んで聞こえるのがわかります。元々ピアノの打ち込みには強調があってパーカッショナブルな味付けにはなっている曲ですが、そのハンマーを打つような強調点をより明確に聴かせてくれます。それがこの曲の場合、低域の力強いリズムに上で応える形になっており、上と下でメロディーをがっちりとリズムでサンドイッチするように力強く聴かせてくれるのです。

 ただ暖かく温和で聴き心地がよいというだけでなく、音楽が力強さとメリハリを失ってダレないようなチューニングがしっかりとされています。

 

涸れた感じのある鮮やかなアコースティックサウンド(安月名莉子「君にふれて」)

君にふれて

君にふれて

 安月名莉子「君にふれて」を聴いてみます。個人的な好みから言うと、ボーカルのボディは足りません。これは中域の不足が影響していて、元々このボーカルは少し伸びを意識している感じが強いですが、中域に充分なボディがないためにサビで伸びるときに、少し苦しい感じが出ます。これはやはり欠点と言えるでしょう。暖かみと甘味は適度にありますが、このイヤホンは豊潤なボーカルサウンドを持っているわけではありません。

 しかし、この曲で注目したいのはボーカルではなく、アコースティックギターです。このイヤホンの奏でるアコースティックギターの煌めきは非常に美しく、しかも色づきは抑えられていて清楚な雰囲気があります。プラチナくらいの引き締まった色合いでギターの弦が刻みよく煌めきを丁寧に出して粒立つので、少しうっとりするくらいです。風味としては、少し涸れた雰囲気があり、カントリー風に聞こえます。アコースティックギターはかなり粒立ちと煌めきを強調され、暖かみや甘味よりは鮮やかさ重視に聞こえやすいでしょう。

 アコースティックギターが美しいというのはいいんですが、で、結局何が言いたいかというと、このイヤホンは暖かみや甘味があると言いながらも、中域では不足感があるために、曲によってはボーカルは涸れる感じがありますし、アコースティックギターでもやや煌めきを強調して硬く感じられる雰囲気も出るということです。そのためたとえば、カップリング曲の「rise」や花澤香菜「ざらざら」のようなギター弾き語りに近い曲を聴くと、ボーカルにややボディが不足してることもあり、思ったより暖かみが薄いと思えることもありますし、柔らかい雰囲気を期待していたのに、思いの外、アコースティックギターがカリカリしていて音が硬いように思えるかもしれないということです。

 

意外と乾燥した出音(やなぎなぎ「春擬き」)

春擬き

春擬き

 中域の涸れた感じについて説明しましたが、そのため、個人的には温かみはあるのにポップスを聴くのは少し物足りないなと思うところがあります。もちろん個人的な嗜好もあるでしょうが、潤い感に欠けています。これは、ポップスを聴くといつも物足りないというわけではなく、とくに湿っぽさとか潤い感のあるポップスだと不足を感じるということです。

 たとえばやなぎなぎ「春擬き」を聴いてみれば明らかなんですが、この曲は本来ボーカル、ピアノ、弦楽が潤い感を充分に出してくれるはずなんですけれども、ピアノはとくにツヤが足りず、ボーカルも涸れてカサカサしているので、全体的にモシャモシャしていて、春というよりは晩秋の雰囲気があります。この曲は温かみがある曲ですが、その温かみだけがドライに感じられる雰囲気があって、個人的な意見としては、この曲を楽しむには潤い感が足りません。

 

【4】概括

 ここまで、M-SOUNDS MS-TW21の第一印象を確認してきました。熱気のある低域、のびやかなサウンドが感じられる反面、中域で涸れ、少し乾燥した印象も受けます。ボーカルは乾いているので湿っぽい雰囲気が好きな人には向かないかも知れませんが、伸びやかで息もハキハキとして快活で、気持ちよく若いロックを聞かせてくれるところは愛らしく思えます。

 引き続き、レビュー本編ではいよいよもう少し深く分析していきたいと思います。

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*1:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

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