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こんな人におすすめ
- ボーカル重視
- 高域好き
- 解像度重視
- 歯擦音が苦手
- おしゃれなイヤホンがほしい
SeeAudio Braveryの概要
「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「SeeAudio Bravery」です。
SeeAudio Braveryの完全なレビューはこちらにあります。
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:18Ω
- 感度:110dB/mW
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:20000円~30000円
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。キャラクターグッズも同梱されており、楽しいですね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャリイングケース
- イヤーピース(フォーム含む)
- ステッカーなど
ビルドクオリティ
外観のビルドクオリティは価格の標準を十分満たしており、美しさで秀でています。
装着サンプル
装着感はかなり良好です。
音質
SeeAudio Braveryのサウンドはかなりユニークで、中域のボーカルを穏やかに優しく前面方向に押し出しつつ、暗い印象で聞かせます。音楽は全体的に色味が薄く、密度感もややスカスカで、一般に低域から中域下部は明瞭度の点でもややぼんやりしがちです。全体的な原音忠実度はなかなか高いです。
一方で明瞭度の点では高域に資源の集中が見られ、印象的な解像感が高くなるように調整されています。そのため、マイクロディテールの再現度、鮮明感の印象はよく、モニター感のあるサウンドに聞こえると思うかもしれませんが、構築感の点で優れていないため、実際にはミキシングモニターとして使うにはあまり信頼性を置けないでしょう。最終的にはモニターライクなリスニングイヤホンと結論づけることになります。
高域のイメージング能力が高く、バランスもよく調整されており、拡張性もなかなか良好で、全体的な構造も高域にフォーカスされやすいため、トレブルヘッド(高域好き)にはわりと好まれそうですね。中域の独特の聞かせ方が好みかどうかで大きく評価が分かれそうです。
以下のレビューはFiiO M15につないでテストしています。
音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:B
Braveryはかなりユニークなイヤホンです。地味でわずかにウォーム感の強い、暗い中域を押し出しつつ、高域を明瞭に聞かせる調整がなされています。一般的に中域のボーカルと高い高域にフォーカスされやすく、尖りや刺さりなどの刺激が少ない音でありながら、鮮明感が高く繊細な感じがはっきりと聞こえやすい構造になっているため、高域好きを満足させる可能性があります。
しかし、中域の色づきを重視する人、とくにギターの艶やかさとスネアのキレにこだわる人にとっては、嫋やかすぎて面白みのないサウンドです。どちらかといえばボーカル重視で楽しむ人向きですが、子音はそれほどはっきりしないため、エネルギッシュさに欠けて聞こえやすく、ライブ感では物足りないかもしれません。
音質的な特徴
美点
- 刺激の少ない優美な音
- 高域の明瞭度が高く、解像感がある
- 全体の原音忠実度がそこそこ高い
- 聴き心地が安定している
- 深くまで到達する低域
- 悪くない高域の拡張性
欠点
- 地味な音
- 艶やかさに欠ける
- アタック感に欠ける
- 構築感に欠ける
- 輝度が低く、カサカサする音
総評
SeeAudio Braveryは優れた高域解像度と落ち着いて聞き心地の良い独特のボーカル表現が魅力です。中域の構築感で劣るのは欠点で、とくにギターが色づき悪く死んだように聞こえるのが難点です。中域の作りの悪さはニュートラルサウンドを重視するオーディオマニア向きとは言えません。しかし、全体の原音忠実度が高く、印象的に聞こえるはっきりした高域表現が高域好きに高い満足度を与えるでしょう。
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